monologue
夜明けに向けて
 




    **

 流河に何を見出すや?
 崩石に何を思わんや?

 轟く大地は何を生む?
 囁く風は何を置く?
 
 溶ける、溶けてゆく。
 流血の歴史。
 涙の歴史。

「SOUND とこの部屋の仲間へ」より


第一連は要約すれば、新時代のためにふさわしい人々を集め統治者がれぞれの役割分担して正しい歴史認識に基づいた繁栄を築こうというものであった。
この第二連が起承転結の承にあたるのであれば第一連で提起したことを承けて補っているとみられる。
このはじめの四行にはなぜか「「何」が四回も使用されている。
「何」は解字すれば「可人」(よき人、べき人、かの人)などの意味を含んでいるのだ。
流河に見出す「可人」、崩石に思う「可人」、轟く大地が生む「可人」、囁く風が置く「可人」、かれらが新時代を建設し、流血の歴史、涙の歴史はついに溶けてゆくのである。
fumio


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )