monologue
夜明けに向けて
 



前回の図は見にくかったかと思うので解りづらい部分を整理して斎部家極秘神名十字をもう一度お目にかける。
これが「ひふみよいむなやこと」の秘文字である。
上から漢字の一二三四が崩れたような形で五は四角の中にXで枡のような形。
六は卍の崩れたような形。最後の十はカゴメ紋(六芒星)のようだ。
この『斎部家極秘神字』の横には『件者天太玉命之神作ナリ。今尚ホ忌部宿禰等ガ所傳シ也。』とあり、
宗源道極秘道神名の方は井形を基本にしているような文字で「ひふみよいむなやこと」の秘文字十字が遺されている。こちらの『宗源道極秘神字』十字の横には『件者天兒屋根神作。今尚ホ宗源道極秘也。』とある。つまりいずれも秘文字は「ひふみよいむなやこと」であったのである。問題の「秘言」は吉田神道の遠い祖である天児屋根命が天の岩戸開きの時に奏上したとされていることを考慮すれば「ひふみよいむなやこと」が秘文字であり秘言であることになる。
そして「コスモ・テン・パブリケーション発行、岡本天明筆ひふみ神示」下巻五十黙示録、至恩之巻第三帖には『天之鈿女の命が天照大神に奉った巻物には12345678910と書いてあったのぞ』とある。やはり謎の秘言は「ひふみよいむなやこと」であった。

これらの秘文字を遺し闇に封じた忌部氏(いんべ し・いみべ し)のちの斎部、諱部氏とは大和時代から奈良時代にかけて神事などに奉仕して宮廷祭祀の祭具の製造・神殿宮殿造営に関わった。かれらが祭主を務めた時代には「秘言」は秘されることはなかった。代々受け継いできた神名「ひふみよいむなやこと」が奏上されていた。しかしながら忌部氏は中臣氏との勢力争いに敗れ衰退した。そのことが空白の「秘言」を生むことになったのである。
神社で、六月三十日の「夏越(なご)しの大祓」と 十二月三十一日の「大晦(おおつごもり)の大祓」との年二回の「大祓祭」に奏上される大祓い詞は「中臣之祓詞、中臣の祭文、通称、中臣の祓」と勝者中臣の名で呼ばれその中程で唱えられるべき「秘言」は敗者忌部氏の封印のかかった秘伝で門外不出の「ひふみよいむなやこと」であったから中臣氏が仕切る大祓い祭の中での「秘言」は口にされることがなくなったのだ。歴史の穴は遠く深い…。
とはいっても、もう「秘言」の部分を空白のままにしないで「ひふみよいむなやこと」と正しく唱えれば時代は変わり夜が明けるだろう。
fumio


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