monologue
夜明けに向けて
 



 それでは超古代のはずの天岩戸開きの場面を現代に移してみよう。わたしたちの文明もだんだん超古代に近づいてきたので見えなかったものが見えるかしれない。

総合商社ヒノモトの女性社長アマテラスが愚弟スサノオの粗暴な振る舞いに腹を立て最新警備マンション「天岩戸」に閉じこもった。
フトダマ専務とコヤネ常務は対策を練り、女性の好きな宝石(八尺瓊勾玉)と鏡(八咫鏡)と織物(布帛)をフトダマ専務が贈り物として持参した。コヤネ常務が音声読みとりドアに「ヒフミヨイムナヤコト」のパスワードを唱え、派遣社員タヂカラオがドアの脇に隠れ、女性社員ウズメはパスワード「ヒフミヨイムナヤコト」を書体の違うフトダマ専務用とコヤネ常務用との二種類打ち込んだ。それでもドアは開かないので踊って、一般社員と騒いだ。
アマテラス社長が不審に思いドアの覗き穴 から覗くとそこでコヤネ常務とフトダマ専務がアマテラス社長の前に鏡を差し出した。それで顔形認識装置が作動し本人確認がとれドアがついに反応した。そこで隠れていた派遣社員タヂカラオが引きこもり社長を連れ出した。めでたしめでたし。

なにが言いたいかといえば「ヒフミヨイムナヤコト」が天岩戸開きのパスワードであるということ。本当にそうであれば今回わたしたちはもうわたしたちの手で天岩戸を開くことができるのだろうか。

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