われわれの海外ライブ公演ツアーがどのようなものであったのかといえば、宮下フミオは美しい直毛の長髪で見かけは由比正雪のようだった。8chトラックミキシングコンソールを2台組み合わせて多くの人々がまだ見たことのない不可思議な最先端楽器シンセサイザーを操りまるで現代の天草四郎のようなジェンダーを超えた容姿で空手の形を取り入れたパフォーマンスを繰り広げて歌い、ずらり並べた中国ゴングやドラムその他の打楽器類の間を踊りながら演奏した。そこにはデイビッドボウイーと通ずる妖艶でアーテイステックななにかがあった。そのステージを見ている観客を忘我の陶酔状態にした。それはプログレッシヴロックと呼ばれるロックの進化系「バサラ音楽」だった。芝居や演劇のような総合舞台芸術に近くて、ただの一般音楽としては評価できるものではなかった。
fumio
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