風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

「判断 その2」

2014-02-15 12:06:29 | 日記・エッセイ・コラム

2014_02020004 昨日、母親を連れて

病院に行ってきた。

特別養護老人ホーム、

いわゆる特養に入所するにあたっての

必要な書類のひとつの

健康診断書の作成の為である。

雪の降る寒い午後、

施設にいる母親を車に乗せ、長い間通院し、そして入院も何度か経験した

その病院を母親はそこが何処だか分からないと言う。

以前なら病院のあらゆる施設も、親しく言葉を交わしていた看護師さんの名前も

直ぐに思い出せていたのに、この日はそこが何処なのか、声をかけてくれる看護師さんが

誰なのか、一切分からなくなっていた。

偶然、数ヶ月前までお世話になっていたヘルパーさんにも合ったのだが

その人物さえ分からなくなっている。

認知症は私の想像以上に進行が早く、もしかしたらこの3ヶ月あまりで息子である

私のことさえ本当は分かっていないのかもと思えるようになってしまった。

今の施設が、、、というよりも、母親にとってこうした施設生活は

予想以上に負担が大きかったのかもしれない。

そう言えば以前にも介護施設や病院で数ヶ月を過ごした後いに

相当な機能を失い、そのたびにその姿に絶句した事を思い出した。

やはり私は間違った判断を犯しているのか・・・・・。

そんな母親に数週間前、以前から申し込んであった他の施設から連絡が届いた。

「ショート(ステイ)のベッドが空くので、先ずはそこで特養のベッドがあくまで

繋いだらいかがですか」

私にはその意味がよく分からず、ショートと言うからには何日か宿泊したあとに

何日か自宅に帰りそれを繰り返す、とばかり思っていたのだが、

どうもそれはそうではないらしい。

ショートはショートでもそれをず~っと繋ぎ合わせ、結局は入所みたいな感じとなるようだ。

もちろん、今現在お世話となっている老健(介護老人保健施設)には入所している期限が

存在する訳で(それも無いに等しいらしい)、一応の目処として3ヶ月を経過した時点で

自宅に連れて帰り、また家族での介護生活を覚悟をしていた。

それは何も3ヶ月という期限にそうせざるを得ない、と言う事ではなく

お恥かしい話なのだが家計的な事情によるものが大きい。

国民年金のみの母親本人だけの収入だけではどうにもならない事情。

今の多くの老人はそんな悩みに苦しんでいるに違いないと思う。

そこへ降って湧いたような救いの手。

私はそのお話に飛びついた。

母親を特養に入所させる、そう決めてしまった。

特養に入所ともなれば母親とは世帯を分離させることによってグッと負担は減ることになる。

2014_01300012 もちろん金銭の問題だけではなく、

洗濯さえもする必要がなくなり、

家族の肉体的、精神的、経済的な

その負担は今の比ではない。

そうすれば自分も楽になると・・・・・。

ただ、、、、

母親にかかる負担は、、、、

ホントにそれでいいのか、、、、

矛盾しているのだが、楽になると思っていた自分の気持が時間が経つにつれ

そう簡単に割り切れないことに気付き、複雑な心境に陥っている

そして今、私自身があの老健入所で味わった鬱の状態を再び味わおうとしている。

その事を口に出そうとすると、言葉に詰まってしまい、言葉にならなくなってしまい、

どうしても考える事はいつもそのことばかり。

あの母親の姿が頭から離れず、女々しく涙にくれる。

自分はとんでもない判断を下したのではないかと。

次第に記憶をなくしていく母親は、実は私が原因なのではないのかと。

なのに更に負担を被いかぶせようとしている。

私はホントに人でなしである。

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「判断 その1」

2014-02-15 08:55:24 | 日記・エッセイ・コラム

2014_02020010 完全に雪に埋もれてしまった。

幼少の頃にはこのような

積雪もあったようにも記憶するが

今回の大雪は報道されている通り、

記録的であることは間違いない。

こんな非常事態にも

我が社は夜勤の従業員を

普通通り出社をさせ、何の責任も取ろうともせず、社員が駐車場で立ち往生しようが、

帰宅難民になろうがお構いなしだったらしい。

しかもその管理者達は、のうのうと自宅でくつろいでいるに違いなく、

心配の電話ひとつ無かったのだとか。

平社員の私でさえ仲間の帰宅が気になり、夜勤で働く何人かに電話で連絡。

どうか無事に帰宅できるようにと願っていたと言うのに・・・・・。

いったいこの会社の上司と言われる人達はどういう気持ちを持って

人を動かそうとしているのか、疑問以上に不信感や怒りでいっぱいとなり

ひと昔前の人間らしい人で溢れていたこの会社の変貌振りはもう嘆くしかないのだろうか。

ひとりの判断、決断は多くの者の生活、強いては生命の危機にまで影響を与える。

その判断のできない、鈍った感性の者に人の上に立つ資格は無く、

ただ自分の利益の為、見栄の為に多くの者が泣かされていい道理は決してない。

即刻、悔い改め謝罪するなり身を引くなりの行動を取って頂きたいものだ。

そんな早朝に目覚め、外の様子が暗闇ゆえはっきりした事が分からなかったのだが

異常であることは充分承知できていた。

2014_02020015 そして辺りが明るんでくると

その異常さは尋常ではないものへと

認識が変わる。

数台の立ち往生したトラックや乗用車。

何時からそうしていたのか、

ハザードランプだけが空しく

雪の中で光っていた。

そして、どうする事もできずに救援の消防を呼んだのだろう。

だが、その消防の車はサイレンこそ聞こえているもののなかなか近づいてこない。

その後、業を煮やしたトラックの運転手が何を考えたか外に飛び出し

サイレンの方向へと走り出していった。

その様子を二階のベランダから見ていた私にどうする事もできるはずも無く

どうか無事にそのサイレンの元へとたどり着ける事を祈るばかり。

子供の頃喜んだ降雪は、この記録的な積雪ともなると人の命まで

危険にさらされることになる。

まったく慣れていない雪の怖さをヒシヒシと感じさせられたこの大雪。

だからこそ余計に腹が立った。

午前9時になっても帰宅できない同僚達にどうか救いの手が差し伸べられるよう

ただただ祈るばかりだ。

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