自分はいったいどうしてしまったのだろうと
不思議でならない“事件”が起きてしまった。
快晴、そして微風、気温も程よく
まさにマラソン日和の昨日、
地元開催の「ふかやシティハーフマラソン」を
走ってきた。
もちろん出場種目はハーフ。
本気で走るハーフは昨年の
「ぐんま県民マラソン」以来だ。
その大会あたりから念願で目標のひとつである90分切りを凄く意識していたのだが
残念ながら4年ぶりの自己ベスト更新とはいえ、後半から失速し1時間31分51秒と
遠く及ばない結果に少々がっかりもしていた。
そしてそれ以来の大会であったが、最近の私には長い距離を走る練習が
まったく出来ておらず、不安いっぱいで望んだ大会でもあった。
「上里町乾武マラソン」の
5kmの結果が20分00秒ちょうどでは
1kmあたり4分15秒あたりを
維持しなくてはならない90分切りは
到底無理だと思っていた。
そもそも冬季のシーズンは
なるべくなら長い時間外にいることさえも
遠慮したいぐらいの極端な寒さ嫌いの私。
練習も含め、この大会を本気で走るような気持ちも無かったのが本音で
しかしながら我がライバルはここ数レースで飛躍的な進歩向上を成し遂げており
しかも、走る気になれなかった私に気合をも注入してくれた。
ならば走らない訳にはいかない。
それでも時間のない自分にはスピードを磨く練習か、短時間で強い負荷をかけられる
峠走を行うしかなく、そんな自分が90分切りを狙えるものだろうかと。
さてその肝心なレースなのだが、結果的にはスタート位置がとても幸いしていたと思う。
プラカードには「1時間15分」と言う、
自分には前過ぎるとは思える場所。
しかし、いざスタートしてみると
ほぼ自分のペースで走れ
周りの方もほぼ自分と同じペースと、
実にスムーズに走れていた。
スタートから1kmのラップは
4分23秒だと記憶している。
これではまったく話にならず、ここから少しずつペースを上げてゆくのだが
こんなペースで最後まで持つのかと不安ばかり抱えてのレースとなっていた。
5kmのラップは21分23秒。
そして10kmも21分23秒
中間点で45分10秒ぐらいだったと思う。
ああ、これで90分は切れないなと思いながらも、
「そうだ、ぐんまの時はこの辺からズルズルと落ちてきたのだ」
とその時の情景を思い出していた。
ここで頑張らなければぐんまと同じ事になり、後悔ばかりのレースになってしまうと、
そう思っていたその時、私が先ほど抜き去り後方に沈んでいったと思っていた
女性ランナーが私の直ぐ後ろを走っていたことに気付く。
そのままの状態で二人でしばらく走るのだが、約12km地点、
私の感覚では私が落ちたのではなく、明らかに彼女がペースを上げ私を抜き去った。
徐々に間隔が広がっていくのだが、何とか数メートルの後方をついていく。
必死に食いつき間隔は狭くなったり広がったり、そのまま14km程までいくが、
とうとう15kmを過ぎた頃から彼女の姿が見えなくなってきた。
21分06秒!
と、私も上げているではないか。
ここのタイムなら残りを頑張れば・・・、
と思うも、足にはかなりの疲労を感じる。
練習で長い距離を走っていない
不安はこんな時に顔を出すのだ。
口惜しかった。
それでも見えなくなってしまった
彼女の姿が遠くに一瞬見えた。
足取りはしっかりしているし、フォームも安定している。
もう追いつくことは出来ないだろうが、せめて見える位置でゴールまで走りたい。
そう思うのだが呼吸も限界に近く、目を開けているのも辛い。
本当にハーフでここまで苦しんだ事は今までに経験が無い。
それともハーフのレースの私の認識が違っていたのか。
そんな20kmのラップはまさかの
21分08秒!!!
本当に苦しかったのだが、ゴール前のトラックに入る瞬間、
「30分切れるよ~」の声援、その瞬間鳥肌がたった。
ゴール前の掲示板には1時間29分〇〇秒の表示が。
ホントか!
腕の時計も確認。確かに1時間29分台を示している。
記録証をいただき、それが本当の出来事だと確認すると思わず
叫んでしまった。
本当に嬉しかった。
もうそれまでの苦しさなど
完全にすっ飛んでいる。
5kmのレースでさえ
キロ4分でしか走れなかった私が、
まさかハーフで
1時間29分台で走れるとは・・・。
記録 1時間29分29秒
順位 78位
まさに奇跡、そしてひとつの夢が叶った瞬間だった。