風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

「にっきの日記」 その3 ピ~ンチ!

2010-12-31 09:29:07 | インポート

2010_12250042 試合が予期せぬ延長戦に突入してしまい

このままでは帰宅がかなり遅くなって

しまいそうな雰囲気。

それはさすがにヤバイと思い、

自宅に電話をかける。

すると奥方のかなり不機嫌そうな声。

しかし、大声援の為か

あまり声が聞き取れない。

「まっ、いいか、今はそれどころじゃない。ここで帰ったらここまで

熱く応援をしていた意味がなくなってしまう」と、電話の途中だったか

切れていたのかも分からぬまま電話をきっていた。

試合終了後、そんなことがあったことさえ忘れ

興奮覚めやらぬまま、ご機嫌で帰宅。

2010_12180001  しかし、そこには誰も居らず猫がぽつんと

淋しそうなまなざしで私を迎えてくれるだけ。

きっと子供達を塾へと送っていったのだろう。

私はそんなことよりも明日に控えた

「所沢年の瀬マラソン」の出発の用意を

整えておこうと

走るために必要な(?)

それとも笑わせる為(??)に必要なのか

分からないようなアイテムを屋根裏部屋にある衣裳部屋(???)から

引っ張り出していた。

用意も程なく終わり、後は風呂に入り晩酌をするだけと

実に暢気に時間をやり過ごす。

そこに凄い剣幕の奥方がご帰宅。

何故そんなに不機嫌なのか訳も分からず、自治会での隣組に配った

回収物の行方などを聞くが、それは奥方をさらにヒートアップさせる。

さすがにその態度にこちらもムっとし、やり返す。

「何故、何故、何故、、、、、、、、、、、!」

完全に私は切れて、ランドリー用のかごを蹴り壊す!!!

結局、私の外出が気に入らなかったようで、暫し話し合うが私の気持ちは

どんなに時間を置いても冷める事はなかった。

2010_12300008

仕事が運よく早く片付いた

その時間の3、4時間程度の外出だ。

しかも毎日々、恐ろしいまでの

ストレスを抱えて

からだには信じがたいような面積の

湿疹で苦しみ、

体重は激減するような、

そんな自分に少しでも

外の新鮮な空気を吹きかけてあげようと

そんな小さな私のわがままでの外出ではないかと。

マラソンの大会に出かける時にしたって、母親の世話を全て終えて

そして走り終えればとんぼ返り。

そんな自分の何処に非があるというのだ。

この時、翌日に控えた所沢は完全に諦めていた。

それどころか、「二度と走らない(怒)」と、宣言までしてしまった。

少し気分を鎮め入浴。

風呂のお湯に顔を突っ伏し、不覚にも涙に暮れていた。

それからと言うもの、私は一切走ってはいない。

2010_12300006 しかし、しかしだ。

よく考えてみれば、

私は私の事だけしか

頭になかったのだと。

奥方の事は勿論のこと、

子供の事も、

母親の事も、

全てにおいて自分本位での

考えでしかなかったのだろうと、この頃、強く思うようになっている。

それは自分に余裕がなかった、いっぱいいっぱいの状態でもあったのだろう。

今年中の会社での仕事が終わり、時間的に余裕ができてくると同時に

心も次第に冬の吹きさらしの中で身構えていたような固さが和らぎ

暖かな炎の空気に包まれているかのような気持ちにもなる。

「すまない・・・」

そう思う気持ちでいっぱいだ。

奥方に対して・・・

子供達に対して・・・

母親に対して・・・

2010_11150016

それはあまりに自分の力のなさ

容量の少なさを表していた。

そういう現実を突きつけられた

“事件”であったのだ。

ひとりでは生きては行けぬ事、

家族があってこそ自分が存在する事、

それは今までにも何度も

感じていた事ではないか。

何故それを忘れていたのか。

「何故、何故、何故、、、、、、、!」と本来ならば、その事を忘れていた自分に

投げかけなければいけなかったことだったのだと。

とは言うものの脱走は男の美学。

スポーツは私の生きる源。

ゴメンよ~、かあちゃん。明日から又、走らせておくれ~。

実に切り替えの早い自分がそこにいたのであった。

ちゃんちゃん♪

いつもお読みくださる皆様、コメントをくださる皆様、

今年も一年ありがとうございました。

来年も頑張って書き続けます。

本年同様、よろしくお願い申し上げます。

                              一路

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「にっきの日記」 その2

2010-12-27 17:24:40 | 日記・エッセイ・コラム

2010_12250050 サッカー天皇杯準々決勝、

FC東京vsアビスパ福岡の試合を

偶然にも観戦する事ができた。

会場はもちろん、

熊谷スポーツ文化公園陸上競技場。

この日に、この試合が行われる事は

以前から分かっていたのだが、

仕事の都合で観戦は時間的に

無理であると諦めていた。

せっかくのビッグゲームだが殆ど忘れていた話だ。

しかし、なんとこの日の仕事が奇跡的にも半日で終えることができたのである。

それでも全くこの試合には気付かずに買い物に出かけてしまった。

その買い物先で偶然にもその天皇杯の試合で、他会場の試合の

中継の模様が映し出されていた。

すると脳裏に熊谷スポーツ文化公園に張り出されたポスターを思い出す。

確かキックオフは15時、そうなればいてもたってもいられない。

十分間に合う時間であったが、買い物もそこそこに熊谷に車を飛ばしている

自分がいたのである。

それが良かったかどうかは別にして・・・。

2010_12250005 余談だが、FC東京は今シーズン、

今リーグ戦において下馬評では

優勝もありえるような予想の中、

不覚にも下位に沈みJ2に

降格が確定してしまった。

J1としての試合も

この天皇杯が最後となってしまう。

一方アビスパ福岡も

ここ何シーズンかJ2での試合が続いている。

しかも、福岡からサポーターを引き連れての、ここ熊谷での試合であるのだ。

こうした事情からどちらも負けられぬ両チームの事情が

絡み合っての試合となった。

私としてもここは関東の好でFC東京の応援に向かいたかったのだが

既にFC東京側の自由席ゴール裏のチケットは売れきれていた。

仕方なくここはお財布とも相談の上で、アビスパ側のゴール裏に陣取る。

まだ試合開始の30分前だと言うのにサポーターは大盛り上がり。

2010_12250018

人数は少なくとも

遠路はるばる福岡からの遠征で

気合の入っているサポーターだ。

対するFC東京側は

さすがに関東のチーム。

さすがに人数も応援も凄い。

いや~、楽しかった。

ワクワクしたなぁ

試合開始と共に更に盛り上がる両チームのサポーター達。

Jリーグの試合を観るのは初めてではないが、

この日は何故か今までと違う緊張感みたいなものを感じていた。

全くファンでもない両チームであるのだが、

気合の入ったその姿に、その試合内容に

どんどん引き込まれていったのだった。

試合は開始早々にカウンター攻撃で先制したアビスパが終始押されての

試合内容にハラハラドキドキ、、、

そして後半ロスタイムも残り数秒と言うところで、なんとFC東京の同点弾が決まり

歓喜の選手とサポーター。

こうなると不思議なものでどうしてもアビスパを応援したくなる。

延長前半にFC東京に2点を奪われ、それでも意地で1点を返す。

そして試合終了間際にアビスパのまたもや同点かと思われたゴールシーンは

2010_12250051 オフサイド(?)の判定でノーゴール。

そのまま試合終了のホイッスル。

なんとも劇的な結末であった。

寒さに震え、

行きたいトイレも我慢して

応援したのにと・・・。

でも、文句なく楽しかった。

サッカーの試合をここまで熱くなって

観戦したのは始めてだろうか。

サッカーの応援には必ずと言ってよいくらい熱くなりすぎて、

汚い言葉のヤジや罵声、ブーイングなどが付き物で、

それは私にとって興ざめさせる大きな要因になっていた。

しかしこの日のアビスパ側にはそういうものが殆どなく、

それどころか、リーダー的存在の最前列の方がやはり過熱気味の若者を

諭していた。その姿は実に清々しく好感が持てたし、

これからもこのチームの応援なら、また会場に来たいとも思えた。

2010_12250045 あるチームのサポーターは

何故か怖さを感じてしまう事がある。

それは私の先入観からかもしれないが

それが嫌でここしばらくサッカーの試合は

観たいとは思わなかった。

だが、この試合で私の心も

少し変わったかもしれない。

元々サッカー小僧の私。

サッカーの試合が嫌いであるはずがない。

またこのような機会があったらまた出かけてみようと思う。

だがこの後、衝撃的な出来事が発生するのであった。

                                  つづく

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「にっきの日記」 その1

2010-12-23 18:14:51 | 日記・エッセイ・コラム

2010_12210033 そっか~、今日は休日だったのね。

道理で道が空いてると思った。。。

日本国の象徴のお方の誕生日でしたね。

そして明日がクリスマスイブで

明後日がクリスマスか・・・。

子供も大きくなったら

サンタクロースなんて存在は

信じていないし、

プレゼントだけねだられて、それでクリスマスなんて終わり。

なんとも味気ないというか、現実思考と言うか・・・、夢のない話だね。

人気商品のおもちゃをリクエストされ、俄かサンタクロースとなり

あちこち探し回っていた頃が懐かしいぞい。

ああ、それにしても仕事が追いつかない・・・。

ヘルパーさんに頼まれた玄関に設置するスロープ、

材料の選択を間違えちゃったもんだから重くって、しかも固定方法に問題ありで

また一から作り直さにゃならんし、廊下やトイレの寒さ対策もしなければならんし、

なかなか介護の道も険しいのう。

2010_11210007 昨日の大雨で畑はドロドロだからさ、

もう一度蒔こうと思っていたほうれん草は

諦めた方が良さそうだけど、

春先に葉物がなくなっちゃう。

野菜がバリバリ必要な草食系の

我が家には

ちょっと深刻な問題だぜィ。

今年は、いや、今年も天候は

相変わらずおかしい。

本来ならばこの時期は乾季、雨の少なくなる時期なのに、

全く地面が乾く事がない。

それどころか、昨日は大雨で田んぼに水が溜まり、

田植えの季節かと勘違いしそうな景色。

気温もそこそこあるというのに、地熱が低いのかなぁ。

作物の生長が極端に遅いんだよな。これ程の温度と水分があれば

成長しすぎるくらいでもいいのに、何故か伸びない・・・。

完全に一ヶ月ほど遅れているんだけど、白菜は何とかまとまりそうで一安心。

後は、やっぱり・・・ほうれん草だよなぁ。

そうそう、それと植木屋さんもやらなくっちゃだし、

それと、お正月のお飾り用の藁も調達しなくっちゃならないし、

年賀状なんて、年賀はがきさえ買ってないや・・・。

それから、え~っと???

もういいや、そんなのあと、あと!!!

2010_12210001 もう5日も前の事になっちゃうけど、

ラグビーの大学選手権の一回戦。

これはホントに凄い試合を

見せてもらったなぁ。

過去にないくらい一進一退での

試合に大興奮。

だけど・・・、

この試合で負けた選手達は

この先、この試合の事を思い出す度に、

辛い思いをするのじゃないかと考えちゃう。

相手ゴール内で痛恨の反則。

それが決まっていれば逆転のトライとなっていたのに

結局、ワントライ差での負けで最後を涙、涙で終った4年生にとって

この試合は良い思い出となるのかなぁ・・・。

そう思うと、スポーツって残酷だよね。

2010_12210017 例えば駅伝でブレーキとなっちゃう選手や

襷を渡す事ができなかった選手。

世界で始めてトリプルアクセルを2回も

飛んだのにもかかわらず、

金メダルに手が届かなかった選手。

随分昔の話になるのだけれど

悲願のワールドカップ出場確実かと、

思われた僅かな隙をつかれ、

思わぬゴールを奪われた「ドーハの悲劇」といわれたサッカーの試合など、

さまざまな悲劇が過去にも生まれているじゃないか。

そこに直面した選手の気持ちって、どうなのだろう・・・。

何年、何十年先には、良い思いでとなっているのだろうか・・・。

頑張って、頑張って、やっとそこまできた選手に辛いだけの思い出で

終ってしまうのではあまりに気の毒でならないよなぁ。

だけど、スポーツの世界は勝負の世界。

そこに身を置いているその選手達には、しっかりその覚悟ができているとは

思うけど、やっぱり泣き崩れてしまうその選手達の姿を見ちゃうとなぁ・・・・。

せめて、せめて全ての観客が全選手に向けて、労いと、その健闘に敬意を表して

暖かい拍手を送ってあげようよ。

帰りの混雑を避けたいのは分かるけどさ、ノーサイドの選手達のその姿を

その目に焼き付けてあげようじゃないか。

闘っている選手達だけがラガーマンじゃなくって、

そこにいるみんながラガーマンになろうぜ。

2010_12210039 あ~あ、今年はこれで

この公園の競技場での

ビックゲームは全て終っちゃたな。

う~ん???

そういえばサッカー天皇杯の

準々決勝があった!

え~っと、今度の土曜日

15時キックオフか~。

あっちゃ~、仕事だ~、残念、、、

結構スポーツのメッカ、お隣の街の熊谷でのお話でした。

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勝負!「さのマラソン」を走ってきました。

2010-12-13 11:39:05 | マラソン

2010_12120001_3 今年度、最後となる本気レース

『さのマラソン』を走ってきた。

昨年、一昨年とフルマラソンの

ベストタイムを更新してきた

とても相性の良い大会だ。

自宅から至近の距離での開催で

移動に時間がかからず

スタート前の負担は少なく

しかも参加人数もフルの部で約2千人ぐらと、殆ど混み合うこともなく

そういう意味においても、私にとってはとては相性の良い大会でもあるのだ。

しかし、今年は少し事情が違っていた。

というのも、この大会の10日前に走った『大田原マラソン』を本命と位置づけ、

全ての面においてそれに照準を合わせていたのだった。

その大田原がふがいない結果に終ったものだから、急遽このさのを

本気で走る羽目になってしまった。

2010_12120002_2 本来ならば、大田原でベストを更新して

その余力でこのさのを走り

余裕を残し、その帰りに

佐野ラーメンを堪能し

アウトレットでお買い物と言う

青写真を描いていたのだった。

しかし、このままでは終われないと

大田原終了直後には、

その走力を維持しつつ、目標は最低でも自己ベスト、あわよくば20分を切ろうと

密かに闘志を燃やしていたのだったのだが・・・。

そんな気持ちも残念な事ながら、ず~っと維持する事はかなり難しく

体の不調と共に消えかかっていたというのが本音である。

毎日何をする気にもなれず、仕事も、生活も、走ることも

しいて言えば、こうしてブログに記事を書く事さえも億劫に感じていた。

2010_12120030_2 しかし、時間というものは

決して留まることはない。

日一日と大会が近づいてくるに従って

走らねばという命令が

体の各伝達経路を駆けめぐる。

そんな体とは裏腹にイメージだけは

快走を思い起こしていたのだ。

しかし練習の段階でイメージのようには

決して走れないそのギャップに戸惑い、苛立ち、口惜しさがにじんでいた。

大田原前には余裕でキロ4分30~40を刻めていたペースを全く維持できない。

練習でこうなのだから、実際のレースでは3時間30分も

切れないだろうと踏んでいた。

それでも年齢的な問題からして、今までの記録を短縮するのには

そう多くのチャンスがあるとは思えない。

今年か来年か、そのくらいが体力的に見て最後だろうと・・・。

ならばここは無理をしてでも「勝負」なのだ。

2010_12120035 支度を整え、スタートまでの時間

少しだけアップを兼ねレースペースで

走ってみるが、足が軽く感じる事が

ある訳もなく、

今日の苦戦を容易に想像できてた。

そしてスタート。

気負っていた訳でもないし

焦っていた訳でもない。

ただ前を見つめて走っていた。いつもスタート直後から感じる横っ腹の痛さが

今日はいつもよりきついとは感じていたが、それ以外はいたって普通であった。

ここのコースは5kmまで1kmおきに表示がありペースを作るのには

とっても都合が良い。

最初の1kmが5分14秒と、ちょっと遅め。

それでも無理にペースは上げない。周りとペースをあわせていく。

ほんの少しの時間だが、周りのランナーと足並みがそろい

足音がひとつに聞こえる事がある。

そのわずかな時間が、ランナー同士の協調を物語っているようで

とても気持ちの良いひと時に感じる。そんな事を思いながら走り続ける。

2010_12120050 そうこうしているうちに

5km地点を向かえた。

23分46秒

ここ数レースのうちで

抜群の好タイム。

やはり殆ど渋滞がなく

多少の追い風が幸いしたのか。

思っていたより好調じゃないか。

しかしながらこの先15km地点までジンワリと続く上り。

普通ならばタイムが落ちても良いコースなのだろうが、何故かそうならない。

理由は良く分からないが、たぶん田舎の風景が自分を

何かの力で引っ張り上げてくれるのかと・・・。

山間の静かな通りを走っていくのだが、空気が少しひんやりしていて

実に気分が落ち着くのだ。

10kmが23分34秒

15kmが23分43秒

ここから今度は来た道をず~っと下る。

今までの追い風が、向かい風となり一瞬大田原の悪夢を思い起こさせるのだが、

スピードのあるランナーはここで一気にペースを上げる。

今年の私にはそれ程の足がないのが分かっているので、決して無理はしない。

むしろここでは、今まで走ってきた足の疲労を和らげるくらいの

気持ちになっていた。

しかし周りはどんどん私をかわしいき、かなりの勢いで走りぬける。

そんな状態に焦らない訳はないが、勝負はこんなところではないと

自分に言い聞かせ、尚も自重。

それでも20kmが23分09秒

ハーフ通過地点が1時間38分台だったと記憶している。

そして25kmが23分46秒

まだこの時点では自己ベストはおろか、20分切りの可能性も秘めていたが

足のバネは相当落ちていた。

周りに居たランナーは皆、前方に消えて見えなくなっていた。

ここからは向かい風の上り。

苦しくって、苦しくって、この場から今すぐにでも立ち去りたい気持ちでいっぱいだ。

「やめた~」といってゼッケンをはずし係りの人に申し出れば全てが楽になる。

「もう嫌だ」、そればかりが頭の中で繰り返されていた。

しかし、何故だか足を止めることはなかった。

走りたくないのに立ち止まれない。

まるで今の生活、自分の人生を物語っているかのように・・・。

2010_12120047 30kmが24分48秒

もがき苦しんで

35kmが25分17秒

落ちた・・・。

無理をして走ろうと思えば

太腿や脹脛がすぐにでも攣りそうだ。

ここでタイムを確認。

2時間48分台を示していた。

その前までがかなり落ちてしまったと感じていたタイムだが、

この先7kmを45分で走ればベスト更新じゃないか。

走って走れないタイムじゃない。

ここが自分にとって本当の「勝負」じゃないかと。

ゴール前で足が攣って動けなくなったとしても、それはそれ。

今は自分に負けた走りをするのは、無難にゴールする事は

全く受け入れがたい事だと。

足に来ている疲労はピークだ。

おそらく爪も死んでいるだろう。

だが、絶対にスピードは落とさない。上げられなくっても良いから

落とす事だけは絶対に許さない。

40kmが24分49秒

何とか行けそうだ。高速道路の高架下をくぐればしばし下りの直線。

それが終れば待望のゴールを迎えられる。

そう思っていた瞬間、係りの人がここを曲がれと・・・。

何故?

コースが変わったのか???

折れそうになった心を繋ぎとめられない。

しかもそこを行くとかなりの勾配の上り坂が見えてきた。

ゴールは何処???

残り2kmになっても、1kmになってもその姿が見えない。

2010_12120014 ふと気付いた。

横に見える山はもしかしたら

あの恐竜が鎮座している

公園の山なのか。

とすれば、陸上競技場はすぐそこのはず。

見えた!

完全に死に掛けた足に力が蘇る。

苦痛にゆがむみ歯を食いしばり

トラックへなだれ込む。ここを1周してゴールだ。

ゴールに設置してある時計は3時間21分台を示していた。

「絶対に自己ベストだ!」と尚もスピードを上げた。

前を行くランナーを一人かわしゴール。

チカラあまって尚も小走りをしていたら「もう走らなくってもいいんだよ」と

係りの人の優しい声が聞こえた。

そうか、もう終ったんだな・・・

気が抜け、フラフラしていると女子中学生が「チップはずしますから」と

椅子に案内してくれた。

優しさが心の奥底まで染み渡っていた。

2010_12120040_2 その時点で時計を確認、

3時間23分31秒を示していた。

従来の記録を2分弱更新の

立派な記録だと思う。

取り合えずは目標のひとつを

クリアできたという事だ。

しかしそれにもまして、

決して諦めなかった事。

力の限り走り抜いた事。これは自分との勝負に勝利したという証の

記録ではないかと思えた。

心のそこから嬉しいとは思えなかったが、今もてる自分の力は出し切れたのだ。

汗でしみる目を拭きながら、この年の大会を終えた安堵感や、

達成感が荒れていた心のとげを、優しく包み込んでくれるような気がしていた。

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「転機」

2010-12-10 17:54:43 | 日記・エッセイ・コラム

2010_12050089_2 人生の中で「転機」と

言われる時があるとしたら

その代表的なもののひとつに

結婚というものがある。

好いた相手と契りを交わす

とても大事な儀式だ。

昨今ではその儀式自体を

無意味と位置づけ、

省略してしまう者も少なくはない。

しかし、これはただの儀式ではないと強く思わせてくれるような

素晴らしい結婚式に出席する事ができた。

初冬とは思えないほどの暖かく、そして雲ひとつない青空の下で

粛々ととり行われた姪の結婚式。

今では珍しくなってしまった神殿での祝儀だ。

しかも、式場やホテルに宮司を招いて行うものではなく、

由緒正しい神社に出向いての祝儀である。

2010_12050063 粛々ととり行われるその式には

心の底から神聖さを感じ

当事者御両人はもちろんのこと

この日御出席の親族までもが

感激に慕っていた。

私の数多く出席した結婚式の中でも

この日の式はかなりい印象に残る。

チャペルで行われる式が

どうだとかではなく、白無垢に身を包んだ花嫁の、

そしてそれを気遣う花婿の澄んだ心根を肌で感じる、素晴らしい式でもあった。

そうしてみると将来に向けての誓いの言葉が、カタチだけのものではなく

心の奥底から自然に湧き出たような強さも感じる。

人間の感覚とは不思議なもので、そうなるとお二人のこれからの幸せな

生活をも想像させてしまうのだ。

是非、この日のこのすばらしい式の感激をいつまでも忘れずにいて頂きたい。

2010_12050009_2 また、祝宴の会場は

南フランスをイメージした

造りであるらしく

豪華であり、美しく、清潔で

この青い空にとてもマッチしていた。

自分が日本の片田舎にいることを

忘れさせてくれるような

そんなスチュエーションでもあった。

また、招かれたご友人だろうか、艶やかなドレスや豪華なお着物を

着飾った若きご婦人達に目を奪われてしまいそうだった事は言うまでもない。

もちろん料理の美味しさにも舌鼓をうち調子に乗った私は

カクテルからビール、そして焼酎のロックで締めくくるという呑ん兵の

2010_12050100_2 フルコースまでご披露してしまった。

全く結婚式と言うものは良いものだと

思うに余りある時間でもあった。

ただひとつだけ気になった事がある。

それは私にもふたりの娘と

ひとりの息子がいるということだ。

もしも、もしもの事だが

息子はともかくとして、

娘が結婚するとの事で、この日のように披露宴がとりおこなわれ

そして最後に娘から花束など貰った日には私はどうなってしまうのだろう。

いや、正確に言うとその時間まで正気でいられるかと言う事。

この日のように、美味しいお酒が飲み放題だなんて実に、

2010_12050214 美味し過ぎるではないか。

飲みすぎて正体をなくしてしまったら、

感動の場面が台無しになるどころか、

娘や奥方に一生嫌味を

言われ続けるだろう。

それだけはなんとしても

避けなければいけない。

その時の為に、

今から然りと心しようと思う私の「転機」でもあった。

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