風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

寅さんに学ぶ。

2013-05-27 11:46:48 | 日記・エッセイ・コラム

2013_05120002 「おじさん、人間は何のために生きてんのかな」

「難しいこと聞くな、お前は・・・何と言うかな、

あー生まれてきてよかった。

そう思うことが何べんかあるだろう。

そのために生きてんじゃねえか」

これ、「男はつらいよ」シリーズ

「寅次郎物語」のなかのラストシーン前の台詞。

旅に出る寅さんに甥の満男がそう聞くんです。

もう寅さんがもうカッコよくって!

まあ、それはさておき、「あー生まれてきてよかった」なんて、

最近そう思ったことってあったかな。

毎日忙しさの中に埋もれてしまい、自分自身のことを思い起こすことさえも忘れていたかも。

2013_05120048 疲れて帰宅。

風呂に入り、晩酌。

いつの間にか眠りにつき、

目を覚ませばまだ夜中だったりして。

そして夜中の静かな時間を

ひとりでいれば再び眠りにつくこともできずに、

あれやこれやと思い悩むことばかりで。

そうしてそのまま一日の始まりを迎えているんです。

こうした夜を繰り返し、「あー生まれてきてよかった」なんて思う余裕も無い生活が

自分をどんどん老け込ませているかも。

少しの余裕と安らぎは時間に関係なく絶対に必要だと寅さんを見ていて思うのだけど

今のこの平成の世、なかなかそんな生活はできないようなぁ。

逆に考えれば、そんな生き方のできた時代、暮らせた時代、そう昭和のその頃は

今よりも比べ物にならないくらい不便でもあっただろうし、貧しくもあったかもしれないけど、

精神は今よりもず~っと、ず~っと健全であったに違いないね。

2013_05120039 「汽車に乗らないと死ぬのか。

墓参りと汽車に乗ること

とどっちが大切だか、

大学生のお前が

分からないのか、ばかやろう」

旅先からガールフレンドを送り届ける為に

急ごうとする甥の満男に対して

世話になった女将さんの亡くなったご主人の為に墓参りをしようとする寅さんの台詞。

「寅次郎の告白」の一場面での台詞だ。

こうした人情たっぷりの生き方、時間よりも人間を選ぶことが常識と思う生き方こそが、

本来日本人が一番大切にしていた部分じゃなかったのかな。

そんなことがいつの間にか“時代”だとか”今時”なんて言ういう名の隠れ蓑に隠されちゃって

段々荒んだ人間関係になっちゃって、結局はそうした社会に取り残されてちゃって、

どうしたらよいのか分からなくなって自分の殻に閉じこもったりもしちゃう。

そんな人がとっても多くなってるって。

2013_05120040 昔ならお節介なおばちゃんがいて、

怖いおじいちゃんもいて、

他人だろうが身内だろうが

おかまいなしに怒られて、

でも、暖かくって、涙が出たりして。

まるで寅さんのような世界が

普通に身の回りにあったりもして、

そうやって生きてきた自分達の世代はどうしてもなじめない部分が

今の社会にはあるんだよね。

「男はつらいよ」はそんな世界をもう一度思い起こさせてくれるんです。

人が人として優しくなれるんだ。

だから私たちは心を病む人に対して更に鞭打つことなんて絶対にしないよ。

いたわることもそんなにしないけど、一緒に頑張る事はできるよね。

2013_05120035 みんな、一緒なんだよ。

競争だとか言って、

人を蹴散らそうとすることばかりする

今のこの時代。

もう一度、

出来ることならもう一度、

寅さんのような心の世界を取り戻せる

そんなこの国になれたらいいのにな。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
寅さんの言葉には考えさせられることがありますね。 (kero)
2013-05-30 21:41:38
寅さんの言葉には考えさせられることがありますね。
恋にも普段の生活にも不器用だけれど憎めない・・
映画の中の田園風景やら山河などホッとする日本の風景は好きです
よその子供でも自分の子供の様にしかることができる!
って、私はなかなかよその子を叱る事できない弱い大人です。
苦悩のない人っているのでしょうか?
その、苦悩と上手に付き合って生きていきたいですね。
最近、体のあちこちガタが来ています、それともうまく付き合って健康維持の為に頑張りま~す
!(^^)!
返信する
あらら、どうしちゃったの?疲れてる? (yoppe)
2013-05-31 08:43:31
あらら、どうしちゃったの?疲れてる?
昭和の時代は良かったと思うのは、昭和生まれの人はみんな思ってるんだと思います
それは、あの頃の我々は若かったからです
戦後、いい時代に育った我々世代が一番感じる事ではないかと、私は考えて結論を出した次第です(笑)
人生まだまだこれから[E:sign01]
まだまだ、楽しい事、生まれてきて良かったって思える時はいっぱいありますよ[E:shine]
寅さんに学びましょう
支離滅裂だな~(笑)
返信する
Unknown (一路)
2013-05-31 11:29:36
______________________________





       keroさんへ
今、全シリーズのうち半分ぐらいを見終わりました。
やはり古いものには尚更よき時代の良き風景、良き風習などが満載。
その頃のマドンナ(女優さん)もすごく魅力的で
今の方にはない色気と言うか、美しさというかそんなものを感じちゃいます。
その中でも、う~ん、それ程古くはないのですが
榊原るみさんや大原麗子さん、松坂慶子さんとか、
その自分達の時代の人気のあった女優さんが
登場すると懐かしさと嬉しさで夢中で見ちゃいます。

もう絶対に永久保存版ですね。


私も他の家の子供をしかれませんし、決して強い人間じゃありません。
でもkeroさん、挨拶はしますよね。
山でもご近所でも。
それって昭和らしくありませんか?
誰とでも挨拶を交わせる、それが今の時代希薄になっているような
気がするのですが。
性格的なものもありますが、口に出せなければお辞儀をしたり
何らかの挨拶を交わしますよね。
それと、今の子達は決して道を譲りません。
自分から避けようとしないんです。
走っていると特にそのことを感じるんですよ。
前から来る子を避けるのはいつもこちらから。
別に年令を盾に威張るつもりもありませんが、目上の方には道を譲るのが
私たちの時代の常識。
そんな事を考えていると寅さんの怒った顔が目に浮かんじゃうんですよね。
そんな風習って、いったい何処で消えちゃったのでしょうか。








     

       yoppeさんへ
実はこの記事、ある方に宛てたと言うか・・・・。
色々思い悩み、たいへんな思いをしている方がいて
少しでもそんな気持になってくれたらいいかな、なんてね。
でも、それは自分にも当てはまる事ですし
yoppeさんの言うとおり私も疲れているのかもしれませんね。
そうなるとやっぱり人の気持っていうものが嬉しくって
そしてチカラになったりするんですよね。
デジタルじゃないアナログの人の気持みたいな。
そう、正しく寅さんの映画の一場面みたいな。。。
そういう時代に生きてきましたし、確かのその頃が
一番いい年齢だったかもしれません。
だから特にそう感じてしまうし、全然不思議でもありませんよね。
昔を懐かしむ、まあ、それだけ年をとってしまったと言う事でしょうかね。
今、寅さん映画に夢中。
暇さえあれば寅さんを観ています。
そんなときに思い悩んでいる方がいたりするものだから
寅さんと被ってしまったりしてね。
でもやっぱ寅さんはいいですよ。
私の人生の師!
ちょっと大げさかな(笑)
返信する
本題とはずれますが、大宝2年(721)だったと思... (千住のエアラー)
2013-06-04 18:17:03
本題とはずれますが、大宝2年(721)だったと思います。『下総國葛飾郡大嶋郷戸籍』という古代の史料(戸籍台帳)によると「嶋俣里の里正(里長)が孔王部小刀良(あなおうべのことら)」だという記述があるんです。
嶋俣里は今の柴又。つまり、今風に言うと奈良時代における柴又村の村長さんは……小さい寅(刀良)さんだったんです[E:sign03]

当時、嶋俣里には「刀良」という名が多かったので、もしかしたら“寅さん”もここに由来しているのかもしれませんね[E:#xEB52]
返信する
申し訳ないです。間違えました。養老5年です。。 (千住のエアラー)
2013-06-05 14:44:59
申し訳ないです。間違えました。養老5年です。。
余談ですが、寅さんの舞台「柴又」は比較的近いんですよ~[E:#xEB85]
返信する
     千住のエアラーさんへ (一路)
2013-06-05 17:54:27
     千住のエアラーさんへ
おお、そうですか。
もしそこから「寅次郎」という名にしたとしたら
山田洋二監督ってすごいですね。
しかしそれにしても「刀良」ですか~。
さすが千住のエアラーさんです。

いつだったか柴又帝釈天には行った事があるんですよ。
映画で見るような感じとは随分違ったような記憶があるんですが
また行ってみたいですね。
その頃ってまだそれ程寅さんにははまっていなかったのでね。
今行ったら全てが興味深く、そして嬉しくなっちゃうのでしょうね。

もう亡くなって随分年月が経った渥美さんですが

柴又あたりにふらりと出てきてくれるような気もしますしね。
でも、随分その辺の景色も変わってしまったのでしょうね。
よき時代のそんなものが変わってしまうと言うのもやはり寂しいものです。
返信する

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