「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」
林公一 (保健同人社) 」 で、
DSM-Ⅳ-TRの BPD診断基準を、簡易な言葉で言い換えて 説明しています。
《 》 内に DSM-Ⅳ-TRの診断基準の 文言を記しながら、
それを紹介します。
○ 「見捨てられ不安と しがみつき」
《現実に、または想像の中で、見捨てられることを避けようとする、
なりふり構わない努力》
「見捨てられ不安」 は、
境界性パーソナリティ障害の 最も中心的な 症状と言えます。
境界性パーソナリティ障害の 多くの症状は、
この見捨てられ不安が 元になっていると考えられます。
境界性パーソナリティ障害の人は、人との繋がりを 強く求めていますが、
それが断たれることは、
“誰もいない 広大な砂漠に、たった一人で 放り出されたような感覚”
と表現されます。
「しがみつき」 は、この不安から 逃れるための行動です。
○ 「自殺リピーター」
《自殺の行動,そぶり,脅し,または 自傷行為の繰り返し》
境界性パーソナリティ障害の人は、
リストカット,過量服薬など、あらゆる形で 自傷行為を繰り返します。
「自殺リピーター」 は、
境界性パーソナリティ障害の症状で 最も目立つものかもしれません。
周囲の気を引くための 狂言自殺に見えることも 多いですが、
自分を傷つけることで 落ち着いたり、生を実感するなど、
自殺リピーターの心理は 複雑です。
なお、自殺は 素振りに見えることが 大部分ですが、
実際に命を落とすことも 10%くらいあります。
○ 「自己破壊的行為」
《自己を傷つける可能性のある 衝動性で、少なくとも ふたつの領域にわたるもの
(浪費,性行為,物質乱用,無謀な運転,むちゃ食い)》
薬物依存,セックス依存など、やめずに続ければ 破滅に繋がりかねない行為を、
どうしてもやめられないことです。
アルコール依存,ギャンブル依存,過食,浪費(買い物依存),
極めて危険なスポーツへの耽溺 などもあります。
〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」
林公一 (保健同人社) より 〕
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55671059.html