「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害の診断基準 (1)

2008年08月25日 22時02分38秒 | BPD,パーソナリティ障害の書籍から
 
 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」

 林公一 (保健同人社) 」 で、

 DSM-Ⅳ-TRの BPD診断基準を、簡易な言葉で言い換えて 説明しています。

 《  》 内に DSM-Ⅳ-TRの診断基準の 文言を記しながら、

 それを紹介します。
 

○ 「見捨てられ不安と しがみつき」

《現実に、または想像の中で、見捨てられることを避けようとする、

 なりふり構わない努力》

 「見捨てられ不安」 は、

 境界性パーソナリティ障害の 最も中心的な 症状と言えます。

 境界性パーソナリティ障害の 多くの症状は、

 この見捨てられ不安が 元になっていると考えられます。

 境界性パーソナリティ障害の人は、人との繋がりを 強く求めていますが、

 それが断たれることは、

 “誰もいない 広大な砂漠に、たった一人で 放り出されたような感覚”

 と表現されます。

 「しがみつき」 は、この不安から 逃れるための行動です。

○ 「自殺リピーター」

《自殺の行動,そぶり,脅し,または 自傷行為の繰り返し》

 境界性パーソナリティ障害の人は、

 リストカット,過量服薬など、あらゆる形で 自傷行為を繰り返します。

 「自殺リピーター」 は、

 境界性パーソナリティ障害の症状で 最も目立つものかもしれません。

 周囲の気を引くための 狂言自殺に見えることも 多いですが、

 自分を傷つけることで 落ち着いたり、生を実感するなど、

 自殺リピーターの心理は 複雑です。

 なお、自殺は 素振りに見えることが 大部分ですが、

 実際に命を落とすことも 10%くらいあります。

○ 「自己破壊的行為」

《自己を傷つける可能性のある 衝動性で、少なくとも ふたつの領域にわたるもの

(浪費,性行為,物質乱用,無謀な運転,むちゃ食い)》

 薬物依存,セックス依存など、やめずに続ければ 破滅に繋がりかねない行為を、

 どうしてもやめられないことです。

 アルコール依存,ギャンブル依存,過食,浪費(買い物依存),

 極めて危険なスポーツへの耽溺 などもあります。

〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」

   林公一 (保健同人社) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55671059.html
 
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