「パーソナリティ障害とむきあう」 林直樹 (日本評論社) で、
自己治癒を援助する 本を紹介しています。
BPDの治療に 最も強い影響力を持つのは、
患者本人であるという性質から 生まれてきたものだと述べています。
そのうち2冊を ここに紹介してみます。
(あくまでも 参考のためのものです。
ここに書く 簡単な抜粋だけをもとに、個人で学習を実施することは、
効果がないだけなら まだしも、逆効果になっても 責任が持てませんので。)
1冊目は、「怒れるこころ -- 境界性障害と嗜癖性障害の 克服のために」
(サントロ,コーエン) です。
この本は、BPDの原因は 生育過程の問題だとしています。
子供の発達を妨げる 養育環境で、感情的な苦痛が繰り返され、
成長後に 否定的な考え方や 不適切な行動が 生じるとされます。
BPDの病理は、子供のときの外傷体験 (トラウマ) に、
生まれつきの弱さが 加わったものだとしています。
そこから回復するために、
自己嫌悪の原因である トラウマを思い起こすことが 求められています。
トラウマを否認していると 自己欺瞞に陥ってしまうので、
辛くても 真実を受け入れることの 必要性が説かれます。
次に、トラウマが 自分にどのような影響を 及ぼしてきたか、
そして そのときの体験に どれだけ自分が捕らわれてきたかを 吟味します。
影響の大きさが 認識されて初めて、そこから自由になり、回復に向かい、
周囲とも 折り合っていけるといいます。
そうすると、自分を傷つけた人たちは、悪い人ではなく、
むしろ 自分と同じような被害者だと 考えられるようになっていきます。
これらを学習するための、以下のような 技法を挙げています。
(続く)
〔 「パーソナリティ障害とむきあう」 林直樹 (日本評論社) より 〕