( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55685455.html からの続き)
以上に挙げた 特徴のうち、ひとつやふたつだけなら 思い当たる人もいるでしょう。
また一時的に、何かのトラブルや 挫折などがあったときには、
誰でもいくつかが 当てはまるかもしれません。
しかしそれらは 通常範囲の反応であって
(「ボーダーライン反応」 と呼ばれることもあります)、
境界性パーソナリティ障害と 診断が付くには、
以上の項目の5つ以上が 持続していることが必要条件です。
心の病の多くは、レントゲンなどの検査で 確定することができません。
そこで止むを得ず、症状の有無のチェックという 診断基準が用いられます。
ただし その症状も、本当は 何かの症状が中心で、
他の症状は そこから二次的に出てきていると 考えられるべきでしょう。
つまり、ひとつひとつの症状は 独立した別個のものではなく、
何らかの有機的な つながりがあるはずです。
境界性パーソナリティ障害の中心症状は、
「見捨てられ不安としがみつき」 である という考えが有力です。
根本に 「見捨てられ不安としがみつき」 があって、
その他に 診断項目のいくつかがある というのが本質的でしょう。
境界性パーソナリティ障害の 行動パターンをイメージ化すると、次のようになります。
「いつも 人から見捨てられるのではないか という不安があり、
ちょっとしたことで その不安が実現化するという 思いにとらわれてしまい、
感情が不安定になる。
自殺のそぶりをしたり キレたりすることで、見捨てられることから 脱しようとする。
境界性パーソナリティ障害の人にとっては、それまでどんなに 信頼していた人でも、
自分を見捨てるのではないかと 思った瞬間に、
一気に価値が下がって 罵倒の対象となる。」
そして 周囲からは見えにくいですが、
本人の中では 空虚感やアイデンティティの障害に 常に悩んでいることが多いのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」
林公一 (保健同人社) より 〕