1999年9月、
3人の死刑囚の 刑が執行されたニュースが 報じられました。
3人とも無期懲役囚で、
仮釈放中に 再び殺人を犯して 死刑が確定したのです。
桜井昌司さん (62) は そのうちの一人を 知っていました。
冤罪で服役中、 刑務所で一緒だったのです。
その男は 刑務官には模範囚ぶりを 示していましたが、
仲間がミスをすると すぐ刑務官に言いつけるような 嫌がらせをしていました。
刑務所から出して大丈夫なのか と思う人間が、 刑務官に媚びへつらい、
仮釈放されるのを 桜井さんは見てきました。
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千葉刑務所の教誨室では 毎月1回、
受刑者が その月に命日を迎える被害者の 冥福を祈ります。
定員が約30人の教誨室は 常に埋まり、
2回に分けて 行なうこともあります。
償いの気持ちを 持続するのは簡単ではありません。
多くの受刑者は まじめに教誨を受けていますが、
早く仮釈放になりたいため、 反省を装う人もいるようです。
仮釈放を判断する 地方更生保護委員会の元委員は、
無期懲役囚は 特に慎重に 反省の度合いを 確認すると言います。
しかし その判断は難しく、
自信を持って 許可を出せたことは 一度もなかったと明かしました。
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仮釈放された人は、 社会に順応するため、
一定期間を 更生保護施設で過ごします。
60を過ぎた ある無期懲役囚は 毎朝6時前に起きて、
自分が殺害した被害者に 線香を上げます。
「 もう見せかけの償いなど 必要ないのだから、
本当に反省しているのだろう 」
施設長は そう語りました。
〔 読売新聞より 〕