2007年1月、 姜 (カン) 被告 (39才) は、
女性を拉致、 乱暴したうえ 絞殺しました。
遺体は2年間、 河川敷に埋められたままでした。
姜被告は 他にも7人の女性を 殺害したことを自供しました。
朝鮮日報は、 「 いかなる方法を用いてでも、
犯人を社会から 永久に追放すべきではないか 」と、
死刑執行に問題提起をしました。
今年2月の世論調査でも、 死刑執行に賛成は 64%でした。
韓国では 刑場の中央に 椅子が置かれ、
死刑囚は座ったまま 首にロープをかけられます。
椅子の下の床が開き、 死刑囚は地下に向かって 落下します。
韓国は 金大中氏が1998年に 大統領に就任して以来、
死刑は執行されていません。
「光州事件」 (80年) で 死刑判決を受けた金氏は、
その経験から 死刑反対派でした。
柳・ 前国会議員 (60) は 74年に政治犯として 死刑判決を受けました。
「 寝るときも手錠をかけられる 不自由な生活を強制された 」
その後、 無期懲役に減刑され、 政権が変わると 釈放されました。
でっち上げの容疑で、 死刑が確定すると すぐに執行される者もいます。
そうした過去が、 死刑に慎重な態度に つながっているといいます。
昨年就任した 李明博大統領は、 死刑を支持する 立場を示しており、
いつでも執行を再開できる 状況にあります。
元裁判官は 疑問を投げかけます。
「 今のままでは、 死刑の執行が 時の政権によって 左右されてしまう。
死刑制度をどうするかは 社会全体に関わる問題であり、
国民の意見を聞きながら 維持か廃止か はっきりさせる必要がある 」
〔 読売新聞より 〕