(前の記事からの続き)
「闇サイト事件」 で、 犯人の死刑を求める 署名をした人の中には、
地下鉄サリン事件の実行犯の 弁護を勤める、
田瀬英敏弁護士 (52) もいました。
< 今回の凶行は 悪質極まりなく、 社会防衛の観点からも
遺族の応報感情の点からも、 死刑は 止むを得ないと思います >
オウム真理教元幹部の 広瀬健一被告 (44) は、
一貫して罪を悔いる 姿勢を示しており、
田瀬弁護士は 死刑は重すぎると感じて 弁護を引き受けました。
しかし、 闇サイト事件で 死刑が下されなければ、
女性が夜道を歩くことが 命がけになってしまうと 思ったのです。
仮釈放者らを支援する 保護司・ 米堂征男さん (65) も、
闇サイト事件の署名に 加わりました。
「 一人娘を奪われた 磯谷さんの悔しさを思うと、
居ても立っても いられませんでした 」
米堂さんは 更生を手助けすることに やりがいを感じてきました。
「 加害者の更生は大切だが、 もっと大事なのは、
まじめに生活している人が 人生を奪われないこと 」
都内の40代の主婦は、 署名を集めるため 近所を回っていたとき、
裁判員候補に選ばれた 通知を受けました。
単純に署名を送ればいい という心境ではなくなったといいます。
「 裁判員として 死刑を選択することを 想像したら、
死刑が とても重い意味を持つものとして 自分に迫ってきた 」
命が大切だからこそ、 感情論ではなく、
社会のために 危険の芽を摘む意味で、
私が死刑を求めても いいのではないか……。
主婦は自分も含め、 50人を超える署名を 郵送しました。
〔 読売新聞より 〕