「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

社会守る …… 「やむなし」 -- 償いの意味 (2)

2009年06月12日 22時04分02秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

 「闇サイト事件」 で、 犯人の死刑を求める 署名をした人の中には、

 地下鉄サリン事件の実行犯の 弁護を勤める、

 田瀬英敏弁護士 (52) もいました。

< 今回の凶行は 悪質極まりなく、 社会防衛の観点からも

 遺族の応報感情の点からも、 死刑は 止むを得ないと思います >

 オウム真理教元幹部の 広瀬健一被告 (44) は、

 一貫して罪を悔いる 姿勢を示しており、

 田瀬弁護士は 死刑は重すぎると感じて 弁護を引き受けました。

 しかし、 闇サイト事件で 死刑が下されなければ、

 女性が夜道を歩くことが 命がけになってしまうと 思ったのです。


 仮釈放者らを支援する 保護司・ 米堂征男さん (65) も、

 闇サイト事件の署名に 加わりました。

「 一人娘を奪われた 磯谷さんの悔しさを思うと、

 居ても立っても いられませんでした 」

 米堂さんは 更生を手助けすることに やりがいを感じてきました。

「 加害者の更生は大切だが、 もっと大事なのは、

 まじめに生活している人が 人生を奪われないこと 」


 都内の40代の主婦は、 署名を集めるため 近所を回っていたとき、

 裁判員候補に選ばれた 通知を受けました。

 単純に署名を送ればいい という心境ではなくなったといいます。

「 裁判員として 死刑を選択することを 想像したら、

 死刑が とても重い意味を持つものとして 自分に迫ってきた 」

 命が大切だからこそ、 感情論ではなく、

 社会のために 危険の芽を摘む意味で、

 私が死刑を求めても いいのではないか……。

 主婦は自分も含め、 50人を超える署名を 郵送しました。

〔 読売新聞より 〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする