「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「償いの形」 思い巡らせ -- 読者の声 (2)

2009年07月02日 20時51分21秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

●制度の今後

 足利事件で釈放された 菅家さんのことに触れ、

「 冤罪にもかかわらず 処刑された人が、 皆無だとはどうしても思えない 」

 と書いた男性もいます。

 帝銀事件で死刑が確定し 95歳で獄死した 平沢貞通元死刑囚と、

 文通を続けた 経験を持つそうです。

「 誰もが真犯人だと 納得できる判決なら、

 社会秩序を守るためにも 死刑は必要だと思うが、

 わずかでも疑問があれば 積極的に 再審を開く制度に 変える必要がある 」

 と訴えます。

 熱海市のマンション管理人は、 終身刑導入を求めます。

「 被害者の苦しみに比べて、

 死刑囚を 簡単に死なせて良いのか と疑問に思ってきた。

 一生、 被害者に 懺悔させ続ける方が、

 罪滅ぼしになるのではないか 」 と記しました。

 これに対し、 強盗事件を起こして 刑務所に服役していたという 男性は、

 こう述べます。

「 無期懲役囚の仮釈放は 30年を過ぎても 認められにくくなっており、

 無期懲役囚の多くは 受刑者の雑談の輪にも 加わらずに 無気力化していた 」

「 終身刑を導入しても、 罪を償う気持ちに なりにくいのではないか 」

●情報公開

 愛知県の指圧師は、 

 インターネットで 死刑制度について議論する 機会がありました。

 「 日本の死刑囚の処遇は 非人道的だ 」 と主張する人に対し、

 「 情報不足による 誤解がある 」 と感じました。

「 執行の詳しい様子や 教誨師の役割を知ることも、

 日本の死刑の是非について 考えるうえで大切だ 」

 埼玉県の農業の男性も、

 死刑に関する 国の情報公開が 足りないと感じてきました。

「 刑が確定したら 速やかに執行し、 それを公表しなければ、

 死刑による犯罪抑止の 効果は期待できない 」 と考えています。

 東京の大学生は 死刑制度に関心を持ち、 東京地裁の傍聴席に座りました。

 強盗殺人事件の公判で、 求刑は死刑。

「 遺族も死刑を求めていたが、

 私が裁判員だったら 死刑という決断を下せるだろうか 」

 卒業論文テーマは裁判員制度を選びました。

〔 読売新聞より 〕

(次の記事に続く)
 
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