(前の記事からの続き)
●制度の今後
足利事件で釈放された 菅家さんのことに触れ、
「 冤罪にもかかわらず 処刑された人が、 皆無だとはどうしても思えない 」
と書いた男性もいます。
帝銀事件で死刑が確定し 95歳で獄死した 平沢貞通元死刑囚と、
文通を続けた 経験を持つそうです。
「 誰もが真犯人だと 納得できる判決なら、
社会秩序を守るためにも 死刑は必要だと思うが、
わずかでも疑問があれば 積極的に 再審を開く制度に 変える必要がある 」
と訴えます。
熱海市のマンション管理人は、 終身刑導入を求めます。
「 被害者の苦しみに比べて、
死刑囚を 簡単に死なせて良いのか と疑問に思ってきた。
一生、 被害者に 懺悔させ続ける方が、
罪滅ぼしになるのではないか 」 と記しました。
これに対し、 強盗事件を起こして 刑務所に服役していたという 男性は、
こう述べます。
「 無期懲役囚の仮釈放は 30年を過ぎても 認められにくくなっており、
無期懲役囚の多くは 受刑者の雑談の輪にも 加わらずに 無気力化していた 」
「 終身刑を導入しても、 罪を償う気持ちに なりにくいのではないか 」
●情報公開
愛知県の指圧師は、
インターネットで 死刑制度について議論する 機会がありました。
「 日本の死刑囚の処遇は 非人道的だ 」 と主張する人に対し、
「 情報不足による 誤解がある 」 と感じました。
「 執行の詳しい様子や 教誨師の役割を知ることも、
日本の死刑の是非について 考えるうえで大切だ 」
埼玉県の農業の男性も、
死刑に関する 国の情報公開が 足りないと感じてきました。
「 刑が確定したら 速やかに執行し、 それを公表しなければ、
死刑による犯罪抑止の 効果は期待できない 」 と考えています。
東京の大学生は 死刑制度に関心を持ち、 東京地裁の傍聴席に座りました。
強盗殺人事件の公判で、 求刑は死刑。
「 遺族も死刑を求めていたが、
私が裁判員だったら 死刑という決断を下せるだろうか 」
卒業論文テーマは裁判員制度を選びました。
〔 読売新聞より 〕
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