先日の朝日新聞に、 2008年度に 小中高で確認された 児童生徒の暴力行為が、
6万件を超えたという 記事が載っていました。
3年間で 1.75倍になったそうです。
「感情が うまく制御できない」 「コミュニケーションの 能力が足りない」
という子供の変化が あるとされます。
子供の思考がパターン化され、 深く考えられなくなっており、
表現できない出来事とぶつかると、
感情や行動が 激化してしまうのではないかと言われます。
ある6年生の授業中、 女性教員が児童に 作業のやり直しを命じたとき、
男子が突然 彫刻刀を振り回し、 先生を追いかけ回しました。
間もなく 取り押さえられましたが、
目は据わり、 自分でも何をしているのか分からない 様子だったといいます。
「落ち着け」 と 声をかけられるうち、
「先生、 ごめん」 と 正気に戻ったそうです。
そのようなケースが 増えています。
瞬間的に怒りが爆発し、 抑えることができない。
しかし すぐに元に戻り、 一変して後悔する。
正に ボーダー的な性向です。
子供たち全体に そのような傾向が増えているのです。
先日まで記事に書いていた、 境界性パーソナリティ障害急増の 事情と重なります。
増加の 社会的な要因として書いたのは、 密室化した家族, 忙しくなった母親,
アノミー化する社会と 父親機能の不在, 過保護すぎる環境,
仕事や趣味を優先する親、 などです。
少子化で大事にされ、 他の子との間で 我慢を経験することもなく、
感情のコントロールができなくなっていることも 挙げられています。
社会全体でこれらを認識し、 偏った方向に 歯止めをかけ、
軌道修正していく 必要があると思われます。
そのために 微々たることではありますが、
こうした情報を積み重ねていくことも 意味があるかもしれません。