反社会性パーソナリティは、
危険に対する無頓着さや 権威に対する反発を 特徴とします。
しかし 必ずしも、 法律を破る 犯罪常習者というわけではありません。
最大の特徴は、 危険に身をさらして スリルを味わうことが、
大きな快感だということです。
愛情剥奪や 不認証体験によって、
親や 権威ある人物に対して 強い失望を味わった人が 大部分です。
反社会的なスタイルで アイデンティティを確立することもありますが、
ワルに徹することが できない場合、
境界性パーソナリティ障害を 合併することが少なくありません。
このケースでは、 非常に衝動的で、
薬物乱用や 危険な行動が見られやすくなります。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子は、 正義やモラルを 非常に重んじていました。
不正行為を憎み、 権威には少しも 恐れを持っていませんでした。
スリルを味わうということは ありませんでしたが、
自分を目茶苦茶にしたい、 もう一人の 無意識の自分がいたようです。
ところで、 心子は高校生のとき、 友達がチンピラに 怪我をさせられ、
その落とし前を 付けるために、 単身で やくざの事務所に 乗り込んだそうです。
制服の女子高生が、 懐にカッターを忍ばせ、
襲われそうになったら 自ら首を切る 覚悟だったといいます。
心子は 親分の目の前に、 人指し指を1本 突き出しました。
百万円が 相場なんだそうです。
心子の度胸を 見込んだ親分は、 組に入らないかと 心子を誘いましたが、
心子は 「勉強があるから」
と言って 断ったとのこと。
でも 後になって考えると、
さすがにこれは、 心子の作話だったのではないか と思います。