「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

高齢者の力を引き出す、 「共生型介護」 (1)

2009年12月10日 19時32分08秒 | 介護帳
 
 昨日のNHK 「クローズアップ現代」 で、

 「共生型介護」 というのをやっていました。

 従来のケアは、 高齢者は高齢者の施設、 障害者は障害者施設、 子供は保育所、

 それぞれの 専門性を持ったスタッフが 行なっていました。

 施設ごとに 設備の基準が 細かく決められ、 慢性的な人員不足になっています。

 そんな中で 注目されているのが、

 高齢者, 障害者, 子供が 一緒にケアを受ける  「共生型介護施設」 です。

 小規模なデイサービスを 提供している所が多く、 平成10年に4ヶ所だったのが、

 15年に192ヶ所、 20年には591ヶ所と 急増しています。

 異なる人たちが 同じ場所で過ごすと、 思わぬ化学反応が起きてきます。

 認知症で 家事ができなくなっていた高齢者が、

 障害者の食事介助をしはじめ、 表情も生き生きしてくるのです。

 普段は会話もあまりできず、 介助しても立てない高齢者が、

 可愛がっている 3才の子供に誘われると、 にこにこして 自分で立ち上がります。

 その子の鼻を 拭いてあげるために、

 いつもは上れない階段も どんどん上がっていきます。

 洗濯機の操作が分からない 高齢者は、 統合失調症の患者に 使い方を教えてもらい、

 頼りにされた患者は 自信が持てるようになります。

 事故で高次脳機能障害になり、

 感情のコントロールができず、 ケアを受けるだけだった人も、

 共同住宅に来て ごみ捨てなどの作業を任され、 頼りにされるようになると、

 症状がほとんど 出なくなったといいます。

 一人一人に 役割のある暮らしが、 失われた機能を呼び覚まします。

 本来 その人ができる能力を 最大限に引き出すのです。

〔 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする