境界性パーソナリティ障害の子は 小さい頃から、
ネガティブな決めつけを されてきたことが多いのです。
「またこの子は」 「どうせまた困らせるのでは」。
本人も、 「どうせ分かってもらえない」 と心を閉ざし、
前向きの努力を 放棄してしまいます。
推測と事実を 一緒くたにしてしまうのです。
でもその起源は、 周囲が本人に そういう扱いをしてきたからなのです。
それを改善していくため、 周囲は 先入観で決めつけず、
客観的に 純粋な目で 見ることが大事です。
「 ~ではないの?」 「 ~ということはない?」
本人が 「ノー」 と言える 余地を残した言い方を することが基本です。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
僕は心子に対して、 決めつけることはしませんでした。
むしろ 心の中が分からず、 何か見当違いなことを言って 傷つけないか、
ということのほうを 恐れていました。
心子は、 自分の気持ちを 完璧に理解してほしいという希求と、
「どうせ分かってもらえない」 という絶望の、 両極端の間で揺れていました。
心子は親から、 「どうせ~だ」 と
決めつけることは されてこなかったと思います。
心子の 自己評価の低さや 諦めは、
生後の スキンシップの欠如によって、 自己肯定感が 育たなかったためでしょうか。