「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

目的と枠組みを 明確にする

2010年01月14日 19時19分49秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 専門家が関わる場合は、 何を目的とするかが 重要です。

 当面困っている問題を 改善することか、 自立能力や適応力を 高めることか、

 自分を見つめ直して 根本的な改善を図ることか、 はっきりさせる必要があります。

 ただし 主体はあくまでも本人です。

 その上で、 治療の時間や 突発的な事態への対応など、 ルールを決めておきます。

 危険な場合は 入院させるなど、 より制限の強い 治療も必要です。

 最悪の場合についても 触れて、 釘を刺す必要があります。

 枠組みを 再三守れないときは 関係を終結させる、

 そういう厳しさが 変化を生む原動力になります。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子は 目的と枠組みを持った 治療は受けていませんでした。

 診察室の中では、 まだそのレベルまで

 行っていなかったのではないかと 推測します。

 想像ですが、 診察室では ある時期まで、

 ボーダーの症状は 出ていなかったのかもしれません。

 心子は自らカウンセラーをし、 心理学の勉強をしていながら、

 自分がボーダーである 病識がありませんでした。

 それは今でも 不思議なことなのですが、

 ボーダーの治療は 自分で治したいという 強い意志が不可欠なので、

 その意味でも 治療段階に至っていなかったのかもしれません。
 
コメント (2)
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