Sさんは すぐに外に出て、 帰ろうとします。
スタッフは一緒に付いて しばらく歩きます。
(一昔前なら、 利用者さんが出ないように 止めたりしたでしょうが、
今は スタッフが付いて出るのが、
当たり前のケアに なっているのではないかと思います。
ただし 出るときは、 遠くへ行ってしまったときのために、
スタッフは 携帯電話を持っていきます。)
少しすると Sさんは落ち着いて、 また寒くなって、 施設の中に戻ります。
Sさんは 寒いのが何より苦手です。
部屋の中でも Sさんは、 ずっと ジャンパーを着たままです。
それはSさんの自由だから いいのですが、
いつまでも着ていると、 他の人から 変な目で見られてしまいます。
それは 防がなければなりません。
ところで、 Sさんは 血圧計で血圧を計るのが 好きです。
水銀柱が動くのを 指を差して 見ていたりします。
スタッフは それを口実にして、 「血圧を計るから 上着を脱ごう」 と促します。
そうして ジャンパーを脱ぐと、
外に出ても、 寒くて すぐに戻ってくるのだといいます。
一石二鳥の うまい工夫があるものだと、 これも感心しました。