「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

試すような行動を 取られたらどうするか

2010年01月24日 21時39分36秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 境界性パーソナリティ障害の人は しばしば、

 こちらの辛抱を 試すような行動を取ります。

 それは相手を挑発し、 苛立たせることを、 意識的・ 無意識的に意図しています。

 こうした行為には、 いくつかの意味があります。

 まず、 自分の中の苛立ちを そういう形で表現すること。

 次に、 相手が挑発に乗って 爆発すれば、 一気に苛立ちを 放出できるということ。

 つまり、 苛立ちを極限まで暴走させて 解消する、 悪い行動パターンです。

 そして、 こちらの反応を試すこと。

 相手が感情的に反応すれば、

 本人の否定的な確信と 行動パターンを強化するだけです。

 しかし こうした行為に対して、 さり気ない言葉や ユーモアを用いて切り替えたり、

 辛抱強く見守ったり、 優しく声をかけたりすれば、

 本人は  「今までと違うぞ」 と感じるでしょう。

 それを 何十回も繰り返せば、 関係は変わり、 本人の態度も変わってきます。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子の 様々なネガティブな言動は、 自分の感情の表現であり、

 僕が どれだけ受け止めるかという 試しでもあったのでしょう。

 僕は挑発に乗って 感情的に反応はせず、 受け止めていましたが、

 さり気ない言葉で切り返すという 余裕はありませんでした。

 どんな言葉をかけたらいいか、

 日頃 考えるゆとりを 持てたらよかったと思いますが、

 当時は情報もなく 難しかったかもしれません。

 渦中にいるときは、 冷静に 自分にも距離を置いて、

 大局的に見直してみることは、 それだけ大変なことなのでしょう。
 
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