「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

洗濯機乾燥機、 壊れて買った

2009年07月13日 21時32分33秒 | Weblog
 
 先日、 洗濯中に突然 乾燥機が壊れてしまいました。

 音がおかしくなって、 乾燥が効かなくなってしまったのです。

 心子と同じ年に 親が亡くなったとき、 実家から貰った 洗濯機と乾燥機。

 購入してから 15年くらい経っていて、

 洗濯機のほうも ちょっとおかしかったので、

 一緒に 買い換えることにしました。

 ドラム式や 縦型洗濯乾燥機,

 日立が独自に開発している ビートウォッシュなどがあり、

 何がいいのか、 電気屋巡りをして あれこれ聞いて回りました。

 それぞれにメリット, デメリットがあり、

 また人によって 言うことが違っていたりして、

 どれにするか 随分迷いました。

 こういう時、 σ (^^;)は何日も 電気屋に通い、

 納得がいくまで あらゆる角度から検討します。

 普通の人は 流行りでドラム式を買ったりして、

 使ってみてから 後悔することもあるそうですが。

 各洗濯機の 基本的な特徴は、

 ドラム式は 衣服には優しいが、 洗浄力が弱い。

 縦型は 洗浄力は強いが、 乾燥には向かない。

 ビートウォッシュは 限りなくドラム式に近い 縦型洗濯乾燥機。

 その他の 様々な条件

 -- 洗濯・ 乾燥できる 衣類の容量, 乾燥時間の長短,

 大きさ (設置面積), そして 大前提が値段。  (^^;)

 あれこれと考え合わせ、 結局、

 前と同じ 洗濯機と乾燥機が独立したものを 購入することにしました。

 時代の流れには 逆行するもので、 業界も この型には 力を入れておらず、

 乾燥機などは 売り場の一番隅っこに 展示されています。

 しかし、 洗濯と乾燥に 拘る人 (汚れが頑固な人 σ (^^;) )

 にとっては、 詰まる所 これが一番いいということです。

 なお、 ネットオークションも考え、 入札寸前までいきましたが、

 やはり 不良品であるリスクなどが懸念され、 店舗で新品を買いました。

 今年は DVDレコーダーと液晶テレビ, ヘルパー講座の受講など、

 大きな出費が重なって、 懐が覚束なかったのですが。

 期待していなかった 「境界に生きた心子」 の印税が 星和書店から入り、

 もっけの幸いでした。  (^^;)

 あと 冷蔵庫も20年以上 使っており、

 もう 買い換え時期かと思います。  (^^;)
 
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信田さよ子さんの DVD

2009年07月12日 21時30分26秒 | 「BPD家族会」
 
 先日の 「BPD家族の会」 で、 30分ほどのDVDを見ました。

 原宿カウンセリングセンターの 信田さよ子の講義を 収めたものです。

 BPDの子供と 共依存になっている親 (特に母親) に対する

 アドバイスでした。

 以下に その内容を書いてみます。


① 起こっているトラブルが、 誰の問題であるかを分ける。

 夫の問題か 妻の問題かは 分かりやすいが、 親子の問題は分かりにくい。

 子の問題と 親の問題は分けにくい。

 (カウンセリングの際) 母親は 話をするときに主語がない。

 子供のことを 自分のことのように 話してしまう。)

 IQとは関係がない。

 分けられないから 辛くてカウンセリングに来る。

 努力しないと分けられない。

 分けられると あとは簡単。

② 子供を コントロール (支配) することをやめる。

 親のコントロールは無意識で、 “あの子のために” やっている。

 親は正しいと思っている。 自分による理解。

 親の 子供に対する理解ほど ズレているものはない。

 子供は 親の理解通りではない という自己反省が必要。

 子供に向かって 「~すれば?」 「~したら?」

 というアドバイスは コントロールになる。

③ 「 I メッセージ」 〔*注〕 の恐さ。

〔 *注: 問題について話し合うとき、

 「私は悲しい」 「私は辛かった」 など  「私」 を主語にして伝える。

 「あなたは勝手だ」 「あなたのせいで」 など 

 「あなた」 を主語にしない。

 相手を非難する 形で話さない。 〕

 I メッセージは 他者を責めないので、 関係はちょっと良くなるが、

 相手の反応を気にしていると、 I メッセージはできない。

 波風を立てないようにしようと思えば、 そうできる。

 そして 何も解決しないまま、 年月は過ぎていく。

 向き合うには 勇気が要るが、 母親より父親の方が 勇気がない。

 夫婦の問題が 再構築できていないと、 子供の問題には 立ち向かえない。

 2対1 (夫婦対子供) で 立ち向かうべきだが、

 普通 夫婦は半分も協力できない。 (せいぜい42%)

 妻は カウンセリングや色々な会などに 出席していて、 情報量が多い。

 夫はそれが我慢できず、 妻のすることを つぶす場合もある。

(実際、「BPD家族の会」 に参加されているのも、 大半が母親です。
〈稲本〉) 
 
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「マン・オン・ワイヤー」 (2)

2009年07月11日 20時53分51秒 | 映画
 
(前の記事からの続き)

 WTCの外観が 屋上まで完成したとき、

 フィリップたちは 夢を実行に移します。

 ビルに内通する人物を 仲間に引き込み、

 入館証を偽造し、 警備員の目を盗んで 屋上へ向かう。

 最上階で 警備員の巡視に出くわし、

 梁の上で 何時間も身じろぎもせず 身を隠したり。

 そして、 深夜の間に ワイヤーを設営。

( 何十メートルものワイヤーは、

 自重でたわんだり、 揺れたり、 ねじれたりします。

 それを防ぐため、 補助のワイヤーを 取り付けなければなりません。

 通常の綱渡りでは、 主ワイヤーの中央に 2本の細いワイヤーを繋げ、

 その一方の端を 地上に固定するのですが、

 400メートル以上の高さでは それは不可能です。

 そこで WTCの屋上の 別の場所に

 細いワイヤーを 固定することにしましたが、

 映画では それをどうやって設営したのかの 説明がありませんでした。

 主ワイヤーを ピンと張るところの 描写もなくて、

 それがとても残念で 見たかったことです。 )

 やがて 日が昇り、 地上を歩く人が 見上げる遥か上空に、

 綱を渡っている フィリップの姿がありました。

 直ちに逮捕しようとする 警官の目の前で、

 悠々と 綱を8往復もする フィリップの姿は痛快です。

 その警官自身、 内心では感動しているのです。

 もちろんこれは 犯罪に間違いありません。

 でも卑劣ではないし、 誰も傷つけず、 むしろ夢を与える。

 綱渡りをするという たったそれだけの筋立ての映画が、

 観る者を 引き付けてやまない所以でしょう。

 アカデミー賞はじめ、 英米の映画賞を 総なめにしたのでした。

「 何故 あんなことをしたのか? 」

 必ず聞かれる質問に、 フィリップは いつもこう答えます。

「 理由なんてない 」
 
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「マン・オン・ワイヤー」 (1)

2009年07月10日 22時41分50秒 | 映画
 
 心子が亡くなった年の 9月11日に、

 テロによって崩落した 世界貿易センタービル (WTC)。

 1974年、 このツインタワーの 屋上の間に ワイヤーを張り、

 地上411メートルの空中を 命綱なしで 綱渡りした男がいます。

 フランスの伝説的 大道芸人、 フィリップ・プティ。

 この壮大な “犯罪” の、

 周到な計画から 実行までを描いた ドキュメンタリー映画です。

 当時の映像と 再現ドラマ、

 現在の関係者への インタビューで構成されています。

 子供のときから 学校に馴染めず 5回も退学させられ、

 独学で 幾多の技能や語学, スポーツを学び、

 各国で芸を披露して回った フィリップ。

 その情熱と 詩的な語り口は 人を引き付けます。

 パリのノートルダム寺院や オーストラリアのハーバー・ブリッジなど、

 数々の建造物の 中空を綱渡りし、 その逮捕歴は 500回以上に及ぶとか。

 彼の命知らずの  “犯罪芸術” に魅せられて、

 力を合わせる 同士が集まってきます。

 フィリップが WTCで空中散歩をする 夢を抱いたのは、

 WTCがこの世に生まれる 6年も前のことでした。

 高校生のとき、 こういうビルが建つかもしれない という新聞記事を見て、

 ここを綱渡りすると 瞬時に思い立ったのです。

 66年に WTCの建設が始まると、 フィリップは仲間と共に、

 フランスからアメリカまで 何度も往復して、 何十回となく下見を重ねます。

 監視の厳しいWTCに いかに侵入するか。

 百数十キロのワイヤーや そのワイヤーを設営する機器を、

 どうやって見つからずに 屋上に運ぶか。

 60メートルも離れた ふたつのビルの屋上に、

 どうやって 鋼鉄のワイヤーを渡すか。

 ワイヤーを引っかけるのは ビルのどの場所がいいか。

 様々な難題を ひとつずつ克服していくため、

 何年にもわたって 議論を交わし、 実験や練習を繰り返します。

 時には 決行をはやるフィリップを、

 まだ計画が杜撰すぎると 親友が引き止め、 大喧嘩になるほどでした。

(次の記事に続く)
 
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「任侠ヘルパー」 はパクリ?

2009年07月09日 10時01分32秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
 本日夜10時から フジテレビで、

 草なぎ剛主演のドラマ  「任侠ヘルパー」 が始まりますね。

 極道が介護をするというのは、 僕が書いた企画の パクリか?  (^^;)

 僕が昔に書いた 介護ドラマのストーリーを、 ブログに連載してあります。

 読んでみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41907944.html

 僕のストーリーは、 2000年の介護保険施行の時に書いたもので、

 実在の車椅子社長・ 春山満さんを モデルにしています。

 いずれにしろ 介護は、これからますます 身近なものになるでしょうね。
 
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「精神」 の 想田監督がマイミクに

2009年07月08日 20時21分55秒 | Weblog
 
 昨日とおととい、 映画 「精神」 の感想を書きました。

 すると 何と、 「精神」 の 想田監督ご自身が

 ミクシィに 足あとを付けてくださいました。  (^o ^)

 貴重なご縁ですから、 ご挨拶のメッセージを 送らせていただきました。

 すると 何と  (^^;)、 5分後に速攻で お返事をいただきました。

 折角の機会なので、 拙著 「境界に生きた心子」 を

 お送りしてよいか伺うと 、快く承知してくださいました。

 境界性パーソナリティ障害にも 注目いただけたら嬉しいですね。

 監督は マイミク(ミクシィの友だち)も 気軽に募集されていたので、

 マイミク申請を させていただきたいと思ったら、

 監督の方から お申し出をくださり、

 早速 マイミクさんになっていただきました。  (^o ^)

 気さくな方なのだろうと 想像します。

 監督は ご自分のページで、

 「精神」 や 前作 「選挙」 に関する 色々なページを紹介されています。

 関心のある方は ご覧になってください。

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=2074478
http://documentary-campaign.blogspot.com/

 「精神」 が さらに広く、 多くの人たちに 観られることを祈っています。

 そして、 心の病に対する 理解が浸透していくことを。
 
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「精神」 (2)

2009年07月07日 20時08分22秒 | 映画
 
(前の記事からの続き)

 患者さんたちの話を聞くと、

 やはりそれぞれ 壮絶な体験をしてきています。

 こんな のんびりした田舎でも、

 これほど多くの人が 心を病んでいるのかと思ってしまいます。

 また、 働けないために 経済的な問題も抱えています。

 折しも 映画の撮影時は、 障害者自立支援法が成立する時で、

 患者の自己負担が増えて 困惑する、 社会の矛盾も 浮き彫りにしていました。

( 心子が通院していたころは、

 精神保健法32条の規定で 外来診療は無料でしたが、

 2003年の 自立支援法成立によって、

 患者は治療費の1割を 支払わなければならなくなりました。

 収入のない障害者にとっては、 1割負担でも死活問題です。 )

 しかし 様々な困難を 抱えた中でも、 本を読み 思索を深め、

 趣深い 心に沁みる言葉を 語る患者さんもいます。

 詩人であり、 賢者であり、 ユーモアもたっぷりです。

 こういう人たちがいるのも、

 診療所の “赤ひげ” 山本医師の 存在があるからでしょう。

 ナースやヘルパーよりも 低い給料で、

 自分は年金と 安い講演料で暮らしています。

( 他の先生が断るような 安い講演 )

 無骨なじいさんですが、

 患者さんの話に 耳を傾け、 親身な言葉を投げかけます。

 それによって 患者さんたちは落ち着き、 人を信頼することができるのです。

 患者さんたちが 映画撮影を承諾したのも、

 山本医師に支えられているからでしょう。

 精神障害者の素顔を 映すことなどに、 批判的な意見も あるかもしれません。

 精神障害者と健常者の 間のカーテンは 容易にはなくならないとはいえ、

 こうした一歩が 積み重ねられていくことが 大切でしょう。

 その試みこそが 評価されるべきだと思います。

 カーテンを開けたいという 想田監督の想いは、

 我々に何かを 投げかけてくれるのではないでしょうか。
 
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「精神」 (1)

2009年07月06日 22時03分50秒 | 映画
 
 久々に 映画の感想。

 想田和弘監督の  “観察映画” 第二弾です。

 前作では、 日本の選挙の実態を ありのままに映し出した ドキュメント

 「選挙」 が、 世界的な評価を受けました。

 今回は、 タブー視されてきた 精神病にカメラを向けました。

 岡山の片田舎の 精神科診療所の様子を、

 一切のナレーションや 説明などを排し、 ひたすらカメラに収めます。

 登場する人は全て 撮影を承諾してくれた人で、

 実名で モザイクもかけません。

 想田監督は 精神障害者と健常者との間にある、

 “カーテン” を 取り外したいと願うのです。

 モザイクは 相手のプライバシーを 守ると言いながら、

 実は 撮る人間の立場を 守っていると言います。

 クレームや訴訟を免れることで、 撮る方が楽になるというのです。

 しかし想田監督は、 それらのものも悉く引き受け、

 撮影が終わったあとも 患者さんたちと 一生の付き合いをしていく

 と言っています。

 そこまで覚悟を決めた 監督の姿勢には、 全く感服するばかりです。

 舞台は 診療所と言っても、 古ぼけた大きな民家。

 普通の和室が 診察室や受付、 薬局になっています。

 白衣やユニフォームを 着た人はおらず、 誰が何なのか分かりません。

 待合室は隣の棟で、 幾つかの畳の部屋に

 患者さんたちが 好き勝手にしています。

 机には ペットボトルや食べ物, 煙草などが散在し、

 ただの家に お客さんたちがたむろしている ようにしか見えません。

 ソファで寝ている人も、 よもやま話に 花を咲かせる人たちもいます。

 それらを見ていると、 障害者と健常者の 区別はつきません。

 誰もが 対等な人間です。

 患者さんの一人が 語っていたように、

 健常者にも 完璧な人間などいない、 誰しも欠陥を持っている、

 そこから自らも 偏見を取り除いていったといいます。

(次の記事に続く)
 
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ヘルパー講座の採点者 クビ?

2009年07月04日 20時47分32秒 | 介護帳
 
 6月19日の記事に、 ヘルパー講座の レポートの採点者に

 疑問を呈したことを書きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59150806.html
               
 それに対する 採点者からの回答が、 やっと届いてきました。

 大きな期待は していませんでしたが、

 残念ながら 必要最低限のことさえ なされていませんでした。

 明らかな 採点ミスに対しても、

 添削や講師評価欄の 不適切な文言への 質問に対しても、

 何ひとつ 一言も具体的な答が 書いてありませんでした。

 そして一体 何を考えているのか、

 全ての質問を 厚生労働省に聞いてみてはどうかと、

 厚労省の電話番号まで 記してあるのです。

 自分が行なった 採点や講評についての 疑問を、

 厚労省に聞いてみろとは 何事でしょう? 

 採点者という立場でありながら、

 自分の言動に 一切責任を持たず、 義務を全く 果たしていません。

 その他にも 不審な点があったので、 まず事務局に 問い合わせてみました。

 採点者への怒りと、

 事務の人が これ以上のことはできないという 態度もあったために、

 僕もつい 声を大きくしてしまいましたが。

 採点者に再度質問したいと 僕は訴えましたが、

 事務の人は 自分の立場では判断できないので 上に聞いてみるといいます。

 それから数時間して、 講座の責任者という人から 電話がかかってきました。

 その人は 僕の言うことを 全面的に認め、

 責任者として 謝罪をしてくれました。

 そして 採点者にも指導し、 採点者を解任することもあると 言いました。

 採点ミスについては、

( 本来は 採点者本人が訂正するべきだが )

 その人が 間違いを認めることが難しいため、

 別の講師に 採点をし直してもらうことで 落ち着きました。

 講評欄にも 大変失礼なことを書いているので、 採点者に申しつけると。

 模範解答の誤りについても 僕は指摘していましたが、

 それもこれから 直していかなければならないと 言ってくれたのです。

 ともあれ これで僕も落ち着きました。

 この採点者には 他にも不愉快な思いをしたり、

 泣き寝入りをしたりした人が いるだろうと思います。

 講座主催者の良識ある判断で、 落着して良かったと思います。 (^^;)
 
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判断基準の明確化必要

2009年07月03日 23時41分12秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

 龍谷大学 法科大学院 教授・ 石塚伸一氏の意見です。

 日本では 世論の8割が 死刑に賛成と言われるが、

 「 現時点で 死刑を廃止することには不安 」 というだけで、

 「 絶対に死刑を 維持すべきだ 」 という意見は 少ないのではないか。

 人の命を奪う 死刑では、 決して間違いが あってはならない。

 逮捕・ 拘置から 裁判, 刑の執行まで、

 慎重の上にも 慎重を期す必要があり、 制度維持にはコストがかかる。

 日本では その保証をしているとは言えない。

 取り調べの可視化が 実現していない中で、

 被告に不利な 調書が取られている。

 弁護士とコミュニケーションが 取れないまま公判を迎え、

 充分な弁護が できているとは言えない。

 死刑事件では、 被告が上訴を望まなくても、

 最高裁までの審理を 保証する必要がある。

 終身刑の議論があるが、 死刑を廃止しないまま 終身刑を導入すれば、

 無期懲役の中で 犯情の悪い人が 終身刑になる可能性が高く、

 重罰化に 拍車をかける危険がある。

 しかし、 死刑を廃止して 終身刑を導入することは 検討に値する。

 その場合でも 恩赦などの可能性を残すべきだ。

 最近の日本の 死刑判決・執行の現実は、 明らかに 世界の潮流に反している。

 死刑選択の幅を狭めるよう、 死刑適用の基準を 明確にすることだ。

 日本の法律は、 例えば殺人罪なら

 「 死刑または無期、 もしくは5年以上の懲役 」 と刑の幅が広い。

 明確な基準なしに、

 裁判員裁判で 市民が死刑について 判断することは難しいだろう。

〔 読売新聞より 〕
 
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「償いの形」 思い巡らせ -- 読者の声 (2)

2009年07月02日 20時51分21秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

●制度の今後

 足利事件で釈放された 菅家さんのことに触れ、

「 冤罪にもかかわらず 処刑された人が、 皆無だとはどうしても思えない 」

 と書いた男性もいます。

 帝銀事件で死刑が確定し 95歳で獄死した 平沢貞通元死刑囚と、

 文通を続けた 経験を持つそうです。

「 誰もが真犯人だと 納得できる判決なら、

 社会秩序を守るためにも 死刑は必要だと思うが、

 わずかでも疑問があれば 積極的に 再審を開く制度に 変える必要がある 」

 と訴えます。

 熱海市のマンション管理人は、 終身刑導入を求めます。

「 被害者の苦しみに比べて、

 死刑囚を 簡単に死なせて良いのか と疑問に思ってきた。

 一生、 被害者に 懺悔させ続ける方が、

 罪滅ぼしになるのではないか 」 と記しました。

 これに対し、 強盗事件を起こして 刑務所に服役していたという 男性は、

 こう述べます。

「 無期懲役囚の仮釈放は 30年を過ぎても 認められにくくなっており、

 無期懲役囚の多くは 受刑者の雑談の輪にも 加わらずに 無気力化していた 」

「 終身刑を導入しても、 罪を償う気持ちに なりにくいのではないか 」

●情報公開

 愛知県の指圧師は、 

 インターネットで 死刑制度について議論する 機会がありました。

 「 日本の死刑囚の処遇は 非人道的だ 」 と主張する人に対し、

 「 情報不足による 誤解がある 」 と感じました。

「 執行の詳しい様子や 教誨師の役割を知ることも、

 日本の死刑の是非について 考えるうえで大切だ 」

 埼玉県の農業の男性も、

 死刑に関する 国の情報公開が 足りないと感じてきました。

「 刑が確定したら 速やかに執行し、 それを公表しなければ、

 死刑による犯罪抑止の 効果は期待できない 」 と考えています。

 東京の大学生は 死刑制度に関心を持ち、 東京地裁の傍聴席に座りました。

 強盗殺人事件の公判で、 求刑は死刑。

「 遺族も死刑を求めていたが、

 私が裁判員だったら 死刑という決断を下せるだろうか 」

 卒業論文テーマは裁判員制度を選びました。

〔 読売新聞より 〕

(次の記事に続く)
 
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「償いの形」 思い巡らせ -- 読者の声 (1)

2009年07月01日 20時58分47秒 | 死刑制度と癒し
 
 読売新聞の連載 「死刑」 に 読者から寄せられた反響です。

●被害者への思い

 被害者の感情を重視して 厳罰を求める声が 目立ったということです。

「 苦悩の遺族に 胸が締めつけられました 」

 茨城県の主婦のメールです。

「 被害者の家族は、 加害者を責めると同時に、

 自分をずっと 責め続けてしまうところがある。

 区切りをつけるためにも、 死刑制度は必要だと思った 」

 「愛知・闇サイト事件」 で 一人娘を殺害された 磯谷富美子さんが、

 死刑を求める 32万人の署名を集めた という記事をきっかけに、

 2週間余りで 新たに1277人の署名が 加わったそうです。

「 私も 一人娘を持つ 45才の父親ですが、

 本当にこの事件には 激しい怒りと 言いようない悲しさを覚えました。

 署名は、 親が子を愛する 心の一筆だと思います 」

 一方 さいたま市のヘルパーは、 署名活動の広がりに 懸念を示しました。

「 もし自分が 裁判員になった事件で、

 死刑を求める 何十万人もの署名を見たら、

 平常心でできるかどうか 自信がない 」

●執行する立場

 刑務官の息子を持つ 40歳代の女性は、

 息子が 刑務官試験に合格したとき、

 処刑場も見学したという 体験をつづりました。

 息子は 「 いずれ自分も 執行ボタンを押す日が 来るのかな 」

 と話したといいます。

「 死刑は必要だと思いますが、 ボタンを押す刑務官の 心の中についても、

 国民は知るべきではないでしょうか 」

 八王子の元刑務官は、

「 執行した 13人の死刑囚の顔は 今でも忘れられない 」と語った

 先輩の言葉を 思い出しました。

「 制度をどうすればいいのか、 なかなか結論が出ない 」と話します。

〔 読売新聞より 〕

(次の記事に続く)
 
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