気がつかないか、わかっていて事故

　コンバインがバックするときビービーと大きな音が出る。この音はご主人が運転するコンバインに奥様がひかれないようにするためだ。音がない時が長く続いたが、そういう信じられない事故が多発したためバックすると音が出るように改良された。
　農作業は同じことの繰り返しだ。作業方法そのものに問題があることになるが、バック時の音で解決した。
　事故は思いがけないので事故になるが、わかっていてもうっかりすると事故になる。一人作業ならやることは決まっているので同じことを繰り返ししていれば事故はおきない。
　眠いときは危ない。トラクターで田面を耕しているとき眠くなって排水路に近づいたとき曲がらないでまっすぐ行ってしまい排水路へトラクターを落としそうになった。急に坂道を上るような前が持ち上がる状態なって気がついたらしい。
　音楽だけでも眠くなるので今はパネルの下にタブレットおいてYouTubeを見て眠くならないようにしている。

　このぐらいだいじょうぶだろう、と思って事故になることもある。何人かの人と作業をしていてトレーラーに太ももをぶつけた時だ。わかっていて、避けることができたのにめんどうになったのかそのままぶつけた。痛い痛いとしばらく横になっていたが、医者へ行け送って行くから、と言われても行かないで横になっていたらしい。家に帰ってきて痛そうに見えるがほっておいたら数ヶ月で普通に歩けるようになった。
　身近な人はすぐにお医者様に見てもらいに行くので周囲も心配する。一人で痛いと言っていても誰も心配しない。騒がないと周りはわからないのか、これだけ歩行困難な状態なのにどこ見てるんだ、と言っていた。しばらく歩行がきついような状態が続いたが痛さは消えると思っているので食養相談を受ける気にならなかった。今、あのようなことがあったら本当に歩けなくなるかも。
　それ以来、道具などほっておいて自分が逃げる方法を一番に考えるようになった。いつもと違う作業をする場合は、危なくなったらあっちへ逃げればいいんだな、と最初に逃げ道を考えている。

　うっかり事故は作業方法そのものに問題があるので見直す。
　わかって事故は逃げないのでおこるから最初に逃げ道を考えておく。

　うっかり事故は当人どうしは気がつかないが、第三者がみれば危ない、事故になる、コンバインストップ、と声をかけたくなるだろう。二人作業は三人でやるのが安全になる、とわかる。

　わかって事故は、なぜ逃げないんだ、動けよ、ということになるが、逃げ道を作っておけばそこへ逃げることができる。