行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

特例措置期間【期間更新・変更などの申請はお早めに!】

2010-07-08 08:04:36 | 行政書士のお仕事

 東京品川の東京入管本庁舎の申請受付フロアーに、先月6月から以下のような貼り紙が掲示されています。

 そこで、昨日総務課にお邪魔して、この書面を頂き小職のブログ等に掲載する旨の許可を頂きましたので、以下に掲載致します。但し、この内容については変更する可能性もあるとのことですので、この点も併せてお伝え致します。

Immigrationnotification2010june

 ちなみに少々解説させて頂きますと、今までは期限日までに申請済みであれば、たとえ在留期限日を超過したとしても、超過滞在、或いは、不法滞在者として扱うことなしに、在留期限日まで遡って許可することで、慣行として事後的かつ遡及的に許可処理していたという、事実上のグレーゾーンのまま運用されていたのです。

 しかし、今回の法改正から在留期限日から2ヶ月又は当該処分がなされる日のいずれか早い日まで在留資格が継続しているものとして『特例措置期間』として取り扱われることになり、法文上はこの特例措置期間内であれば、明確に在留資格があるものとして認められることになった訳です。しかし、逆にこの特例措置期間を過ぎてしまった場合、一体どうなるかという規定がやはり明記されなかったのです。そこで、おそらくこのような文面を掲示して注意を喚起しているものと推察されます。

 過去の例からして、就労系資格であればこの特例措置期間内に十分に処理できるのでしょうが、身分系在留資格である日本人や永住者の配偶者、或いは、日系人などに対する審査期間ではその信憑性の確認などで2ヶ月以上の審査期間を要するケースが多々ありました。その場合でも、画一的に退去強制手続にするというのはどうも問題となりそうです。

 勿論、入管局が要求してくる追加資料を期限内に提出しないなど、申請人側の瑕疵による場合はともかくとしても、もし審査する側の都合で特例措置期間内で結果を出せず(特に、在留資格変更許可申請の場合)に、一方的に退去強制手続としてしまうのならば、今後大きな問題に発展する可能性があるように思えます。

 とはいえ、期限日の3ヶ月前から更新申請が出来る(これも、いつの間にやら2ヶ月が3ヶ月に変わっています。http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-3.html)訳ですから、依頼人のためを考えるならば、入管局とのトラブルを避ける意味でも、早めに申請をするよう依頼人に喚起する方がベターなのかもしれません。

【追記】 7月1日から、東京入管での期間更新申請では、申請時に処分期間2週間を定めて出頭させる方法を採用しているようですので、入管側の審査期間の遅れによる退去強制処分となる事態はほとんど無いかと思われます。一方、変更許可申請については、1ヶ月以内に処理する方向性は示しはいますが、在留期限満期日から30日を経過した場合には、40日以内での出頭指示が書かれていますから、入管側の審査遅れによる退去強制処分となる可能性は完全には否定はできません。

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