行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

入管法第5条に定める上陸拒否事由に該当する者の再度の上陸(入国)について

2016-01-07 00:25:20 | 行政書士のお仕事
 入管法第5条では、本邦に上陸(入国のこと)できない

 外国人について定めています。

 例えば、第5条第1項第4号では、

 「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、

 1年以上の懲役若しくは禁固又はこれらに相当する刑に

 処せられたことのある者。」と定めており、

 執行猶予付きであったとしても1年以上の懲役を

 言い渡された者については、

 上陸拒否対象者となってしまいます。

 また、同条第1項第9号のロでは、

 「第24条(退去強制)各号(第4号オからヨ及び

 第4号の3を除く)のいずれかに該当して

 本邦から退去を強制された者で、

 その退去の日前に本邦からの退去を強制されたこと

 及び第55条の3第1項の規定による出国命令により

 出国したことのないものについては、

 退去した日から5年」と定めており、

 初めて退去強制された者でも、原則として5年間は、

 上陸拒否事由対象外国人となっています。

 では、5年間は全く上陸出来ないのか、というと

 必ずしも5年間上陸出来ないということではなく、

 一定の条件を満たした者には、5年を待たずして、

 在留資格認定証明書が交付されることがあります。

 我々のあいだでは、「上陸特別許可案件」、

 略して「上特案件」とも呼んでいます。

 ただし、普通の在留資格認定証明書の交付と異なって、

 以下の様な朱書きが在留資格認定証明書に書かれています。



 この朱書きの7-1-4の意味ですが、

 入管法第7条第1項4号のことであり、「当該外国人が第5条

 第1項各号に該当していないこと(以下省略)」と判断したこと

 により、特別に許可したことを示しています。

 とはいえ、原則は上陸拒否対象者リストに5年間は登載されて

 いますから、たとえ在留資格認定証明書が交付され、

 かつ、在外公館から査証が発給されたとしても、

 上陸拒否リストに名前がまだ残っていますから、

 入国審査官は、容易には上陸許可できないことになります。

 そのような空港での入国審査上のトラブルを防ぐ意味で、

 我々は、申請人の到着空港での入国審査で滞りがないよう、

 1週間前には入管局に申請人の到着便を知らせるようにします。

 その到着便の連絡を本日(正確に言えば昨日)行いました。



 特に、早朝や深夜の便で到着するこれらの該当者の場合、

 この事前連絡をしていないと、別室行きとなって中々上陸が

 許可されない事態になるので注意が必要です。

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