経営書というより戦記。
だからこそ面白い。
会社を経営の本当の困難は、簡単な答えや処方箋が存在しない部分にある。本当の困難は論理と感情が矛盾するところにある。本当の困難は、どうしても答えが見つからず、しかも自分の弱みを見せずには助けを求められないところにある。
じゃあそういう場所で著者がいかに企業家・経営者としてどう問題を解決し、または失敗したてきたか、というのが本書。
その中でも、経営者の選定、従業員の解雇または引き止めなどの人事的なことに触れている部分が非常に多い。
そこが一番論理と感情が矛盾するところだし、しかも立場によってそれぞれの論理も違うから一番難しいところなのだろう。
この点、日本だと雇用の流動性が乏しい大企業の人はピンとこないかもしれないが、中小企業やベンチャービジネスに携わる人には共感するところが多いと思う。