一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

騎士道精神でなくリップサービスだった?

2005-12-18 | あきなひ

UBS「契約無効」で返上打診 誤発注巡る巨額利益
(2005年12月18日 (日) 11:59 朝日新聞)

みずほ証券による誤発注問題で、約120億円の利益を出したUBSグループが「契約の無効という形で利益を返上できないか」と日本証券業協会などに打診していることが17日、明らかになった。同協会は利益を得た証券会社が日本投資者保護基金に自主返上する形で決着を模索しているが、「それでは海外の株主に説明しにくい」というのが打診の理由とみられる。ただ、今回の取引を「契約無効」と見なすのは法的に難しく、調整にはなお時間がかかりそうだ。

先日の利益返還の報道に対していろいろ知恵を絞るもんだなとほめたのですが、実はそんなにスキームも固まってなかった、ということなんですね。

要はよくある「言質は与えないけれど同情の意を示す」(自分に全く責任のないときに言う"I am sorry."ですね)というリップサービスに乗っかって報道が先走ったわけです。

こうなると

① 総論としては利益を返還する意向がある
② ただし、一度確定した利益を返還するとなると、株主への説明が難しいし、税務上も寄付金認定をされるリスクがあるとできない。
③ なので、売買を無効にするような法的枠組みでの処理をして欲しい

という建前論で「いい子」になりながら

④ でも、個人で利益を上げている人や、みずほの誤発注を知らずに注文を出した人の取引まで無効になっちゃうよね。それに、買った人が取引再開後に売っていたとするとそれはどうなるんだろう
⑤ そうなると「無効」の枠組みができないなら、残念ながらボクは協力できないね
⑥ でも、協力したいのは山々なので、ボクのこと悪く言わないでね

という「名も実もとる作戦」なのでしょうか。

前のエントリは、UBSらは株主のほうは「日本市場の後進性とマーケットとしての大きさから、ここで利益を還元してもレピュテーションを損なうより得。損した訳じゃないんだし」というようなロジックで説得できると踏んでのコメントかと思って書いたのですが、さすがにあの時点でそこまで早い決断はできてなかった、ということだったんですね。

コメント (4)
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2軍ベンチ

2005-12-18 | よしなしごと

橋梁談合初公判、内田元副総裁は無罪主張
(2005年12月16日 (金) 12:06 読売新聞)

国と旧日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁工事を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた橋梁メーカー26社と、同法違反と背任の罪に問われた元公団副総裁・内田道雄(61)、元理事・金子恒夫(58)両被告らの第1審初公判が16日午前、東京高裁(高橋省吾裁判長)で始まった。

初公判は、国と公団発注の両ルートの事件が同時に審理された。12被告と法人26社の代表者計38人、弁護団も89人が出廷。刑事事件の公判では異例の大人数となり、業界全体がかかわった事件構図を際だたせた。

金曜の忘年会でご一緒した弁護士先生がこの公判に企業のうちの「端っこのほうの」1社の代理人として出席していたので自然と話題に(内容の話は省略)。

公判は東京高裁の一番大きな法廷で開かれました。
今回、依頼者の会社も事実を争うつもりはなく、先生個人もできるだけ目立たないように端っこのほうに座ろうとちょっと早めに出廷したそうです(遅く行くと空いている「上座」に座ることになる)。
狙いどおり端のほうに座れたはいいのですが、被告が38人もいるので被告席が足りず、端のほうは折りたたみ椅子が並んでいて、隣との間隔がほとんどなく、書類を広げる余裕もなし。
被告席が一杯で、主任でない弁護士は傍聴席に座らされたのですが、そっちのほうが全然楽だったとか。

おまけに検察側の冒頭陳述が非常に長く、罪状認否も被告ごとにするので、結局10時から2時半ころまでずっとすし詰めで、エコノミークラス症候群になりそうだったそうです。


スチール製の折りたたみ椅子って、座面の前のほうが下がり気味なので、長時間座っているととても疲れるんですよね。
なので、屋外のイベント以外でこれが出るときは、臨時の度合いが高いときが多いように思います。


そういえば、某メガバンクが合併したときも、取締役が合計80人以上になって、従来の役員会議室の椅子が足りず、しばらくは折りたたみ椅子で対応したそうです。
そのとき折りたたみ椅子に座っている平取たちのことを、事務局は「二軍ベンチ」と陰呼びしていたとか。


でも、裁判所に改善を要求しても、こんな大掛かりな談合をやらなければいいんだ、と一蹴されるのがオチでしょうね。

先生もしばらく二軍ベンチの生活が続きそうです。

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日本企業のあれこれ (上海旅行記 その5)

2005-12-17 | うろうろ歩き

「上海旅行記 その4(完)」と書いたものの、あ、こんな話もあったとか、今回の旅行で聞いた訳ではないけど中国がらみなのでこれも載せようか、という話がけっこう残っているので、もうしばらく続けます。
(画像は豫園の近くの小籠包の有名店での早業です。手の動きに注目!)

今回は日本企業の話三題

(その1)
北京オリンピック・上海万博をにらみ、外国人観光客対応のためにすべてのタクシーにカーナビをつけることを計画中。
そうすれば乗客が中国語をわからなくても、目的地(ホテルや観光地)を入力するだけで通じることになる、というわけ。
これを納入するのが日本の某電機メーカー。
ということは、地図の電子化にはかなり前から取り組んでいたことになる。
中国政府がよく認めたな、ということと、受注にこぎつけた営業力に感心。
でも、軍事施設や政府関係施設はブランクなんだろうな(日本のカーナビでもの米軍基地はそうです)


(その2)
北京の故宮博物館のデジタル・アーカイブ化を日本の某印刷会社が請け負っている。
ただし、費用は無償。会社も費用度外視で取り組んでいるらしい。
二次利用権のところで何かアドバンテージがもらえるのだろうか。
故宮の中に泊り込んでいる担当者もいるとか。好きな人にはたまらないんだろうな・・・
費用度外視ついでに、その会社のチームは故宮とホテルの往復しかしないので日本の物価感覚を持ち込んでしまったため、北京のレストランの価格を上げてしまったとか。


(その3)
これはちょっと気の毒な話です。
某日本企業が、地元貢献ということで、地方に学校を寄付した。
竣工式に来賓で呼ばれたその会社の幹部は、中国流の乾杯攻めにあった。
乾杯するのは白酒といって(このblogには再三登場しますが)コーリャンを原料にしたアルコール度数50度前後の酒。これを、ショットグラスで一気に飲まされる。
ところがそこで出された白酒は粗悪品で、日本企業の幹部は意識を失い倒れてしまい、亡くなってしまった。
事が大ごとになってしまうと、中国の官僚主義の嫌な面が俄然表に出てきてしまう。
病院に連れて行く前に免責の一筆にサインしろ、とか、遺体を引き渡す前に前に火葬するかしないか(検死解剖をいやがったらしい)とかいうことがあったらしいです。

個人の教訓としては風習や文化風土が違う、ということを常に頭に入れておかないと思わぬ落とし穴が待っている、ということですが、この事件に対する会社の対応はどうだったんでしょうか。
責任を追及した場合にも、当事者の村から賠償金として取れる金額はたかが知れているでしょうし、問題を大きくした場合は下手をすると酒席の責任者が死刑、なんてことにもなりかねません。(そもそも人の命や人権の価値が低い、というところに問題があるのでしすが。)

いずれにしろ、やりきれない話ではあります。

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背伸びの街 (上海旅行記 その4)

2005-12-16 | うろうろ歩き

上海の歴史は、1840年のアヘン戦争に勝ったイギリスが南京条約に基づき香港の割譲と上海を始めとする5つの港の開港を強制し、上海に治外法権的な租界をつくったところから始まります。

なので名所旧跡というようなものはあまりなく、名物は
テレビ塔に代表される高層ビル群と、

昔の建物、ということになります。

 

上海は建築規制が少ないため、かなり自由な設計がされています。
特にそれぞれのビルが天辺のあたりの装飾を競っていて、(僕から見ると)意味のない曲線やぎざぎざのあるビルがやたら多いように思えます(上右の写真の右端にある「パイナップル頭」はシャングリラ・ホテルです)。
逆に設計者にとっては天国のようで、日建設計(日本最大の設計事務所)は100人規模のスタッフをかかえているそうです。

森ビルの世界一の高層ビルも資金の目途が立ったので建築を再開したようです(でも、台湾だかドバイだかにすぐ抜かれちゃうようですが)のでしばらくは建築ラッシュが続きそうです。

また、超高層ビルでも窓が開く(上部に蝶番があって下側がちょっと開く程度ですが)のも、妙な感じがします。台風はこないのでしょうか?


先端技術といえば、空港と市内を結ぶリニアモーターカー(「磁浮(マグレブ)列車」と呼びます)も名物です。
これは最高時速431kmで約40kmを約7分で結びます。

   

一緒に行った工学博士によれば、日本でもリニアモーターカーを走らせる技術はほぼ実用域らしいのですが、線路の切り替えや複数の列車の制御技術が一番難しいとのことです。
ところが上海のマグレブは、2つの列車がそれぞれ別の軌道を往復するしくみ(登山列車によくあるような)で、線路の切り替えや列車制御の問題を割り切っています。
そのへんを割り切ってすぐ実用化してしまうところは、「世界最高速」「世界初」への意地が感じられますね。

ただ、このような「外面」は、資金と最新の技術があればどうにかなってしまうのですが、昨日もちょっとふれたように、下水道などのインフラのような蓄積がものを言う「足腰」の部分が追いついていっていないという印象があります。

実はマグレブも、ホームの端にオーバーラン防止の輪留めどころか柵もなく、万が一止まらなければ通り向こうの高層住宅に突っ込んでしまう、という映画のようなことがおこりかねません。

これで完成形、工事途中じゃありません


でも、これを「背伸び」とばかにしちゃいけないと思います。

もともと「背伸び」は近代日本の得意技で、明治政府は欧米列強に馬鹿にされながらも目いっぱい背伸びをして、結果アジアで真っ先に近代国家として認知されるようになりました。
日中間の 領土問題 も、日本が明治時代にいち早く国際法上の手当てをしていたからこそ領有権を主張できるわけです。

中国も今はWTOへの加盟、オリンピック、万博など、目一杯背伸びをして、あとから体力をつけようということだと思います。
それによるひずみもいろんなところで出てくる(既に出ている)と思います(身長が急に伸びると関節がついていけなくなるのと似てますね)。

それらは高度成長時代に日本が経験してきた事でもあります。

「個体発生は系統発生を繰り返す」ということでしょうか。

ただ、その規模とスピードが尋常でないので、世界経済、特に日本への影響が大きいわけです。


上海で、そんなことを考えました。

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こぼれ話 (上海旅行記 その3)

2005-12-15 | うろうろ歩き

1 乱暴な運転
上海といえば自動車の運転が乱暴で事故も多いので有名です。

確かに歩行者より車優先、他人より自分優先、というのが徹底しています。
右側通行でアメリカ同様赤信号でも右折可なので、気をつけないとマジで轢かれそうになります(上海氏によれば、走るとよけると思われて帰って危ないので、道路を渡るときは堂々とゆっくり歩くのがポイントとか)

繁華街では交通整理の「みどりのおばさん」風の人が交差点ごとにいるのですが、その人もやたら笛を吹きまくるのでうるさいだけであまり機能しておらず(ひょっとしたら地方からの旅行者に信号を守らせるのが仕事なのかも)、結局交差点内に別々の方向を向いた車がひしめき合う、という光景がよく見られます。
そこに自転車やスクーターが信号をほとんど無視して走っているので、なかなか見ごたえはあります。

僕の乗ったタクシーの運転手も、クラクションは鳴らしまくりわ、大声でどなるわ、悪態はつくわ、その合間に窓を開けて「カーッ、ペッ」と痰を吐くわと、映画に出てくるようなタクシー運転手そのもののような人がいました。

なので、駐在員でもほとんど自分で運転はしないそうです。

2 公共交通機関
公共交通機関共通のプリペイドカード(非接触型)で地下鉄・バス・タクシーが乗れます。
バスは昔懐かしいトロリーバスなどもあります(トシがばれるw)。
バスは初乗り1元空調つきは2元(見る限り空調つきがほとんど)。地下鉄は3元です。
バスはいつも混んでいるようですし、通勤時間帯の地下鉄のラッシュはすごいそうです。

地下鉄の駅には「整列乗車キャンペーン」のポスターが張ってあり、ホームにも立ち位置が書いてあるのですが、肝心の電車がその位置に止まらないことが多いようですw

3 足元が弱い
上海は高層ビルが立ち並んで非常に近代的な都市です。
繁華街の目抜き通りも、舗道に石を敷いているところも多くきれいなのですが、たまたま到着した日が雨で、歩いてみるとやたら水溜りが多い。
舗道に水勾配(端に向かって自然に水が流れるような傾斜)がうまく取れていないんですね。

また、下水道も未整備なようで、街の中心部の公衆便所にバキュームカーが横付けになってました。

4 妙な規制
昔に比べて減ってきてはいるようですが、まだまだ妙な規制やコネが横行している部分もあるようです。
北京氏は日本からペットの犬を連れてきたのですが、規則では検疫で1ヶ月空港に留め置かれるらしく、その間に死んでしまうペットが多いとのことでした。そこで、空港関係者ルートで頼んだら4日で検疫を通ったそうです(それでも犬はおびえてしまって、元の精神状態に戻るのに2週間くらいかかったそうです)。

また、ペットは贅沢品扱いで、外国人で入国に1000元、登録に1000元、以後毎年更新に500元かかるそうです。中国人に対してはさらに厳しく、登録と毎年の更新にそれぞれ5000元かかるので、「未登録ペット」が横行し、予防注射もしないので狂犬病が流行っているとか・・・

5 ちょいとはずれると田舎
都市部と農村部の格差は大きいようです。
上海からちょっと外に出ればもう田舎です。
市内中心部(外灘)から長江(揚子江)までの遊覧船に乗って長江に出ると、はるかかなたに崇明(チョンミン)島という島があります。
これは長江の中洲にできた島なのですが、大きさは(台湾島(^^;、海南島に次ぐ)中国で3番目になるそうです。上海氏が以前ここに行くと、ほんとに発展途上国のような風景が広がり、タクシーもなく人力車があるだけだったそうです。

以前の記事で書いたように、農村/農民問題は大きな課題のようです。

繁華街にも、物乞いがけっこういたりします。

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上海食べもの事情 (上海旅行記 その2)

2005-12-15 | うろうろ歩き

上海蟹の他の食べ物の話です。

初日の夕食は、上海料理の「鷺鷺酒家」でした。
上海でも5店構えている人気店で、今回行ったのは高級ブランドがたくさん入居しているビルの中にある店(恒隆店、多分。今回は他人任せの旅行で地図も見ないのであまり覚えていない)

さすがに人気店で土曜の夜ということもあり、個室もフロアも満員でした。

食べたのは(覚えている範囲だと)

スペアリブ風の前菜
茹でたまて貝を醤油とゴマ油であえてもち米のおこわを載せたもの
蟹ミソと豆腐のスープ
中国野菜(名前忘れた)とゴマドレッシング
金華ハムと冬瓜のスープ
上海蟹
魚の蒸し物
小籠包(けっこう小さい。店によって大きさが違うらしい)
小さい焼いた肉まん
デザート(スイカ:海南島産で一年中ある)

それに青島ビール(一人1.5本)+紹興酒2本(3本だったか?)

どれもこれもおいしく、満腹で、締めにチャーハンや焼きソバを食べる余裕はありませんでした。
これでお値段は6人で約1,400元(約35,000円)。しかもこのうち上海蟹が約800元なので、高い食材を選ばなければ一人100元くらいで十分食べられてしまいます(紹興酒が確か1本20元でした)

2日目の昼は先日のエントリをご参照ください。

2日目の夜は、おしゃれな1軒家風レストラン。

 (あまり日本人に知られておらず友人の「お忍び」用の店なので、店名等は省略w)

内装もエスニック・モダンという感じで、逆に言うと東京でもよくある今風の店でもあります。
客層も若くて金持ちそうな人々中心。
女性だけのグループを除けば美人が多いのは気のせいかw

テーブルにはナイフとフォークと箸とワイングラスが置いてあり、メニューも「フォアグラと茸とりんごのオイスターソース炒め」などと"Nouvelle Chinois"風でした。

ここでのお目当ては「ラーズージー」という唐辛子と鶏肉の唐揚げ。四川の名物料理。

ここのは激辛ではなく、ピリッとスパイスが効いている程度でしたが、今回の旅行に北京から合流した友人に言わせると、四川料理の専門店だと山盛りの唐辛子の中に鶏の唐揚げが埋まっている、という状態で出され、辛さも大迫力とのこと。これは次回に期待。
あ、それからここのピータン(ごま油につけて食べる)は美味かったなぁ・・・

この店も料理の値段は安く、美味しいのですが、おしゃれ系だけあって飲み物がかなり高いです。
ワインリストを見ると、1000元(約15,000円)超のものも置いてます。一番安い中国ワインでも150元くらいしてました。たまたま以前麻布十番のラテンアメリカ料理店Canelaで飲んだチリワイン「エスクード・ロホ(Escudo Rojo)」があったので値段を見ると420元(6,300円)。これじゃぁ東京より高い・・・

まあ、食べ物は地物に限る、ということでしょうか。

関税のためかワインがとても高いのが上海の難点らしく、最近はフレンチやイタリアンの美味しいレストランが、続々とできたluxuryクラスのホテルの中を中心に増えているのですが、調子に乗ってワインを空けると、とんでもないことになるそうです。


一方、日常の食材ですが(これは北京氏に聞いた話)、地元の食材は豊富にあり、むちゃくちゃ安いのですが、やはり品質が気になるとのこと。

野菜は現地でも農薬が心配されていて、「農薬を洗い流す野菜専用の洗剤」なるものがあるそう。
また、塩などは細かい砂が混ざっていたりするそうです。
更に、肉は市場で売っているものは色も赤黒く、一度食べてみたらとても堅くて食べられない、というものだったそうです。
中華料理はほとんど火を通すので、地元の人はあまり気にしないのでしょうか。

なので、結局外国人向けの店で買ってしまうそうです。
その結果野菜は日本と同じくらい。肉は(ブランド物とか霜降りにこだわらなければ)かなり安いそうです。

おまけで、カップラーメン。
日清のカップヌードルが現地生産されるようになったのですが、中国向けで日本の物とちょっと味付けが異なるらしい。
カップヌードルはブランド品なので1個20元(300円!)と高い一方、地元のカップ麺は4元(60円)くらいですが、具も麺も粗末でこれはoutとのこと。

上海は海に近いので海産物を中心にもう少し事情がいいようですが、上海氏はほとんど家で食事をしないのでよくわからんとかw。

それから目についたのがお茶。中国茶は何回かお湯を継ぎ足しても飲めるためか、「マイ・ポット/マイ・ボトル」を持っている人が結構いました。
タクシーの運転手は座席の脇に必ずポット・ホルダーがついています。また、空港のカフェテリアなどでも給湯器が置いてあって、店員などがお湯を補給していたりしました。
これ、なかなかいい習慣で、今度職場で試してみようかと思います。

水といえば上水道は飲料は無理。
そのため、どこにいってもペットボトルの水があるのですが、どこでミネラルウォーターがとれるのだろう。山のほうからだと輸送コストもばかにならないだろうにな、と思いながらラベルを見ると、「蒸留水」と書いてありました。
まあ、そうだよなぁ。

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歴史に名を刻む

2005-12-15 | 余計なひとこと

12月13日国土交通大臣の私的諮問機関として「構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会」が開催された。

資料及び議事概要は後日ホームページにて公表されるそうだ。
その ホームページアドレス:

http://www.mlit.go.jp/aneha/index.html

もはや「姉歯問題」という固有名詞として歴史に名を残した、ということだろう。


※上のサイトのタイトルは「姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応について」となっています。
国交省としてはこの問題をできるだけ制度上の問題にしたくない、という気持ちが伝わってくるタイトルですね。

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CSR以前の品性の問題

2005-12-15 | あきなひ

・・・いずれにしましても、このような見当違いの反対運動に、弊社はほとほと辟易しております。前述したように、今回は弊社が本施設の設置場所を提供したにすぎません。にもかかわらず、仮にそうした付帯施設の是非に関する議論が、結果として本業である小売業(店舗)のイメージを損なうようなことに繋がってはまさしく本末転倒、由々しき事態と言わざるを得ません。

 逆に本業であれば、理が我が方にある限り、決して屈しないことが弊社の基本方針であり通常の姿です。しかし直接本業と関係のない今回の件に関して、これ以上非生産的エネルギーを費やすのは、企業経営上からも株主利益の面からも好ましくないと判断しました。従って、反対運動等に屈するつもりはいささかもありませんが、『ハーフパイプ』は運営中止・施設の撤去も視野に入れ、当初予定しておりました12月21日(水)の開業を自主的に延期することといたします。

 皆様に喜んでいただこうと進めたプロジェクトが、思いもよらぬ(弊社から見てきわめて不毛な)議論を巻き起こし、結果的に大変残念な結末を迎えざるを得ない可能性があること、ただただ遺憾の念に堪えません。何よりも、多くのお客様に期待していただきながらそれにお応えすることが叶わなくなる可能性があること、伏してお詫び申し上げる次第であります。

もう数日前の話なのでいいかと思ったのですが、みずほ証券誤発注問題にからむ証券会社の対応のエントリを書いて思い出したので改めて取り上げましたが、これは、ドン・キホーテ、六本木店屋上の「絶叫マシン」撤去へ (2005年12月 9日 (金) 20:05 朝日新聞)に関するドン・キホーテのHPに載ったニュースリリースの一部です。(全文はこちら

そもそも撤退するのを決めた以上、ここまで恨みたらたらというのも往生際が悪いと思いますし、言葉の使い方を見ても、CSR云々以前に品性の問題を感じてしまいます。

東証の上場基準には「上場企業としてふさわしい一定レベルの品性」という項目はないから仕方ないですし、新会社法で強化された内部統制の問題でもないですしねぇ。


ところでリリースの中で

ちなみに本施設で最も心配の声が大きかった騒音に関して言えば、騒音専門コンサルタント会社と弊社社員による再三再四の実験も通し、それが全くの杞憂にすぎないことが実証されています。

と書いてありますが、聞くところによると、計画を中止したのは反対運動のためではなく、試運転をしたらものすごい振動が出て、このままオープンすると店舗の営業に支障が出てしまうというのが理由だとか。
そういえば確かに騒音のことしか書いてないですね。

だとすると単なる責任転嫁と八つ当たりだったりして・・・

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騎士道精神or武士の情け?

2005-12-14 | あきなひ

誤発注、利益140億円返上へ UBS・日興・リーマン
(2005年12月14日 (水) 21:38 朝日新聞)

みずほ証券がジェイコム株の誤発注により巨額の損失を出した問題で、欧州系金融機関のUBSグループ、日興コーディアルグループ、米リーマン・ブラザーズ証券が14日、同株の取引で得た利益を全額返上する方向で金融庁などと協議を始めた。3グループあわせると同株の売買で得た利益は約140億円にのぼる。野村証券など、他の証券大手も同様の検討を始めた。ただ、みずほ証券に直接利益を返還した場合には、課税される可能性があるため、業界内に受け皿を作る案も浮上している。

前回の記事では、東証のシステム自体に欠陥があったとまでは知らず、みずほ証券の大チョンボだと思っていたら、旅行に行っているうちに事態の急展開があって驚いていたところです。

47thさんの指摘されているように、今回のように明白なエラーに対して機会主義的な行動によって損害を拡大させた者に思ったような利益は得させないことが、結果的には市場の安定性を高める(今後同様の事態が起きたときに「俺も今度は一丁やったるぜ」というような輩が乱入することとともに、システムエラーに過敏になることで過剰なシステム投資をせざるを得なくなることも防ぐ)ためには必要だと思います。

ただ、みずほ証券に直接返還するにはどういう法的構成をとるのかな、とか利益を還元した場合に課税問題をどうするのだろうなどと考えていたのですが、基金に自発的に拠出という収め方であれば、うまく収まりそうな感じですね。
さすがいろいろ知恵を絞る人がいるようです。

ところで、

リーマンは14日、「誤発注という単純なミスに乗じて、利益を得るべきではないと考えている」と説明している。

と言ってますが、UBSやリーマンなどが「フェアプレイの精神」で利益を還元したかというと、そんなきれいごとではないんじゃないでしょうか(ならそもそも発行済み株式総数以上の株を買い付けるなんてことをするはずがないですよね)

以下、余計な勘ぐりですが

① このままでは世論の反発を受けて金融庁が強制的な利益還元を求められる可能性が高い
② それに対し反発するのも企業イメージが悪い
③ 日本政府の圧力に対してはアメリカ政府などを経由して圧力をかけるという対抗手段が常道だが、今回についてはそんなに威張れる利益でもなく、また小泉首相と親密なブッシュ大統領が味方につくか不透明
④ 金融庁を敵に回して、自分のきな臭い部分(プライベート・バンキングの怪しい商品とかクロスボーダーの租税回避行為とか)を徹底的に探られるのはやぶへび。逆にここで「貸し」を作っておけば、何かの役に立つかもしれない。
⑤ 「なんでもあり」を日本勢に思い知らせて、逆に必死に勉強されてやっかいなライバルに育てるよりは、今しばらく「ぬるま湯」につかっていてほしい(これはないかw)

なんていうソロバン勘定が働いて、今回は殊勝(鷹揚?)なところを見せたのかもしれませんね。


こういう損得勘定で結局妥当なところに収まるのも、一種の市場の効率性っていうのでしょうか・・・


ついでですが、個人のデイ・トレーダーについては、「万馬券」の体験をさせておけば、味を占めてもっと金を落とすようになるでしょうから、業界としては今回は儲けさせておくほうがいいんだと思います。

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上海蟹の正しい食べ方 (上海旅行記 その1)

2005-12-13 | うろうろ歩き

上海レポート、初回は上海蟹の紹介です。

上海蟹というのは淡水の湖にいる蟹で、写真のようにハサミに毛が密生しているのが特徴です。
中国語で「大閘蟹」(ダアジャアシエ)といいます。
陽澄湖という湖でとれるものが一番で、紐で縛って出荷される際に陽澄湖産のものはラベルがついているそうです。(ラベルの偽物が出回っているくらいのブランドだそうです)
関サバ、関アジのようなものでしょうか。

旬は雄のミソが乗っている11月中旬から12月上旬頃。
ちょうど今回は旬の最後のほうの駆け込みでした。

今回は初日の夕食、2日目の昼食と都合2杯いただきました。

写真は2日目に行った、地元でも上海蟹の名店と名高い「王宝和酒家」のものです。
王宝和酒家は上海蟹で稼いでもう一軒近くに「王宝和大酒店」という立派なホテルを構えてますが、そちらのレストランはちと高いということで、コストパフォーマンス優先で本店で昼に食べる事にしました。

シーズンの最後のほうなので、特大サイズのものはなかったのですが、さすが老舗、初日の店よりは大ぶりで、ミソもたっぷりのものが出ました。

ちなみに値段は上海蟹だけで1杯195元。
実はそれ以外の料理と酒(8皿と紹興酒2本)は5人で200元ととても安いです(1元=約150円)。

その他の食事については後日書こうと思いますが、食材を贅沢したり、豪華なお店を選ばなければ基本はとても安いです(逆に上海蟹ならビルが建つのもうなずけますねw)

さて、食べ方ですが

これが蒸す前の紐で縛った状態。ストロボをたかなかったので赤っぽく見えますが、実際は緑がかった色をしています。

そしてこれが茹で上がり

 

大きさは中の上でこのくらい(茹でたてはとても熱いのでつまんでます)

これをまずひっくり返します。

 

それで、股間のところ(雄の特徴です)をぺロッとめくります

そして、そのまま甲羅をベリベリッとはがします。

ミソが盛り上がっているのが見えますね(^^)
まずは甲羅の内側のミソと肉をこそげおとします。
甲羅に紹興酒を入れて飲むのもお勧めです。
(このへんから食べるのに集中して、ピンぼけの写真が多くなりますがご勘弁を・・・)

 

甲羅を仕上げたらいよいよ本体です。
両手で脚を持って、バキッと真中から2つに割ります。

 

そして、それにしゃぶりついてミソを食べます。
ここが上海蟹のハイライトといえましょう(^^)

つぎに、脚を2本持って根元から折ります。

 

そして、とり残したミソをしゃぶり尽くして、後の身は黒酢につけて食べます。

そのあと、脚を解体して身をいただきます。

ここまでくれば、あとは黙々と食べるだけです。

蟹が大きければ先のほうまでばらせますが、普通は胴体の次の節までが作業に見合う感じです。
小さいハサミは最初から出してくれるところもありますが、出してくれなければ頼んだほうがいいです。
蟹用のフォーク(もう片方が細長いスプーンになっている)は日本独自のもののようで(初日の店では出てきたのですが、裏に"Made in Japan"の刻印がありました)店にないときは、第一関節の先の尖った爪の部分を代用するといいです。
また、根元の第1節目は、箸でぎゅっと押し出すと、身が丸ごと抜けてとてもうれしいです^^

初日よりも2日目のほうが作業の熟練度が増し、達成感もひとしおでした。


王宝和酒家では、食べ終わった後に生姜入りのお茶がでました。
蟹は身体を冷やす「陰」の食べ物なので、身体を温めるものと一緒に食べるようにします。

また初日の店は黒酢に生姜が入っていましたし、蒸すときには身体を温める効果のあるシソの葉を一緒に入れたりするようです。


フィンガーボウルが用意されますが、脚の先まで念入りに食べると、指についた蟹の臭いが夜まで抜けないこと、請け合いです。

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帰国のご報告

2005-12-12 | うろうろ歩き
実際に行ってきましたのは「鳥を喰らわば」でなく「上海で上海蟹を食べようツアー」でした。

以前上海に赴任中の友人が日本に戻ってきたときに「今度は上海に行こう」ということになり、日程を決めたものです。
手回しよく旅行会社の友人(在北京)が格安のツアーを手配してくれたので、気がついたら航空券が来ていたという状態。
現地でも「うまいもの食わせろ」と友人にお任せきりの完全お気楽旅行でした。


それでも道中トラブルもなく、鳥インフルエンザにもかからず、無事帰ってきました。


週末、日本ではみずほ証券のジェイコム株誤注文が、実は東証のシステムのエラーで東証社長が引責辞任だとか急展開があったようですね。
それから構造検査偽造問題はどうなったんでしょう。
その辺の話もアップデートしなければいけませんね。

また、今週は忘年会も何件か入っていますので、上海話はバラバラとUPすることになると思います。
(いつ仕事するんだ、などと無粋な質問はご勘弁くだせぇ、1日しか休んじゃおりませんのでw)


上海自体は歴史の浅い街なので、観光地というよりは成長する中国を象徴する大都市、という感じですので、内容的には「上海蟹の食べ方」とか「今の中国見聞記」風な与太話がメインになると思います。
まあ、多少は裏事情的な話も織り交ぜようと思いますのでちょっとだけ期待していてください・・・


とりいそぎ帰国のご報告でした。
コメント (1)
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ちょいと旅行に

2005-12-09 | よしなしごと

明日から3日ほど旅行に行ってまいります。

今回のテーマは(結果的に)

 「鳥を喰らわばインフルエンザまで」ツアー

となってしまいました。

数ヶ月前に企画したのですが、今にして思えば年末のけっこう無茶な時期に設定したものです。

でも若干の脱落者は出たものの、最少催行人数は確保。
休みを取るのは仕事の繁閑でなく休もうという意志の問題だと改めて認識した次第です
(というか不要不急の要員なだけかw)


週末の更新はお休みして、無事戻れたら旅行記なぞをupします。

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さすがに「待った」はできなかったようです

2005-12-09 | あきなひ

みずほ証券、誤まって大量の売り注文 株式市場は混乱
(2005年12月 9日 (金) 00:27 朝日新聞 )

8日の東京株式市場で、みずほフィナンシャルグループの中核証券会社であるみずほ証券が、1株61万円で売るところを1円で61万株と誤って売り注文を出し、300億円規模の損失を出した。

ジェイコムの発行済み株式数は1万4500株しかなく、みずほの売り注文株数はその42倍。実在する現物株数以上に売ってしまい、結果的に「空売り」する形となった。

HardWaveさんのところで詳しい解説がされているので、詳しい背景や顛末はそちらをご参照いただくとして、私は素人の感想を。

プロのディーラー・トレーダーの世界なので、出した注文はどんなに突拍子もないものでも撤回できないということなんでしょう。
とはいえ、実在する株数の43倍の株数とか値幅制限をはるかに下回る価格での注文も自動的に受け付けてしまうシステムというのはいいのでしょうか?
逆に妙な制限をつけた場合に、相場が乱高下したときにその制限を悪用する人が出るから、完全自由競争・自己責任のほうがいい、ということなんでしょうかね

N証券の自己売買部門がどさくさに発行済みの6.8%(1000株)を取得したとか。
こういうのは「さすが」と褒められるのでしょうかね・・・


企業の財務担当の人に聞いた昔話ですが、高金利の時代に借入金利のやりとりを電話でしていて「ハッパー」と銀行が言うので「8%」だと思って応諾したら、融資実行後に「8.8%」の約定書を持ってきて大喧嘩になったことがあるそうです。
結局そのときは8%で押し切ったそうですが、まあ、暢気な時代だったんですね。

コメント (4)
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Spaghetti all'a aglio e acciughe

2005-12-08 | 余計なひとこと
「にんにくとアンチョビー入りスパゲッティ」です。

日曜にレシピを見てみようみまねで作ってみたのですが、缶詰のアンチョビーが残ってもしょうがないな、とかと多めに入れすぎたのと、刻み方が大雑把だったせいか、妙にしょっぱい出来上がりになってしまいました。

トマトソース系だとごまかしが利くのですが(そもそも市販のパスタソースを使っちゃいますし)シンプルなものは味の加減が難しいですね。


また、これを作る際にニンニクをみじん切りしたら、指先にニンニクの臭いがついて、昨日まで取れませんでした(鼻を近づけて嗅いだら、というレベルですが)。
生ニンニクのパワーはさすがです・・・


ところで昨日また国土交通小委員会の参考人質疑がありました。
だんだん総合経営研究所の内河氏が黒幕らしいということが明らかになりつつあるようです。
結局これも、設計の工夫によるコストダウンというシンプルな収益追求を踏み外し、構造計算書の偽造という犯罪行為に堕してしまったということだと思います。
何事も匙加減が大事ですし、度を越えてはいけませんね(僕のスパゲッティは、一応食ベられるレベルには留まってましたがw)

内河氏の指先の臭いが消えないうちに、はやく追い込んでほしいものです

(って、結局この話かよ・・・)
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入り口は広くなりました

2005-12-08 | よしなしごと

小田急訴訟 周辺住民に提訴資格 最高裁初判断「騒音など被害」
(2005年12月 8日 (木) 03:05 産経新聞)

東京都世田谷区の小田急線高架化工事をめぐり、周辺住民四十人が国の事業認可取り消しを求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・町田顕長官)は七日、地権者以外にも健康や生活環境に著しい損害を受ける周辺住民は訴えを起こす資格(原告適格)があるとする初の判断を示した。事業用地内の地権者以外に原告適格を認めなかった従来の姿勢を転換する判断。今後の行政訴訟のありように影響を与えることになる。

町田裁判長は、四月施行の改正行政事件訴訟法を踏まえ、事業認可には都環境影響評価条例などで定められた手続きを取ることが前提になっていると指摘。「認可の根拠となった都市計画法には、騒音などの被害を受けないという利益を保護する趣旨が含まれている」と判断した。

判決が言い渡されたのは、大法廷に「論点回付」された原告適格に関する部分だけで、事業認可の是非は最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)で後日改めて判断される。

行政事件訴訟法は原告適格(許認可などの適法性について争う資格)を、「法律上の利益を有するもの」とのみ規定していて、裁判所もこれを問題になった法律に限定してかなり狭く解釈していたために「門前払い」の判決が多かったのですが、昨年の法改正によって、原告適格を実質的な利益の有無を基準とするように変えました(下記の第2項ですね)

第九条  処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる
 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
法律の趣旨に沿った判決で、事業の影響を蒙るはずの環境アセスメントの範囲内の住民に認めたのは客観的な線引きとしてもわかりやすいと思います。

ただ、(既に出来上がっている、ということを除いても)アセスの時に公聴会などが開かれて、住民の意見は聴取されたはずで、そのときに圧倒的な反対があり、しかもそれを全く無視して事業計画の修正もせずに認可がされた、というようなことでもない限り実際に住民の訴えが認められるのは難しいと思います。

鉄道の高架化は、それによって恩恵を蒙る住民も多いわけで、反対の人が事後的に訴訟を起こしたからといって、その人たちだけの利益が考慮されるわけではないからです(そうでないと、公聴会の意味がなくなってしまう)

法改正により、行政も紋切り型の手続きではすまなくなってきているわけなのですから、手続き上意見を述べるところでしっかり意見を述べる、というほうが重要だと思います。

※ ただ、今回の場合、旧法下の手続きなので、そこでの手続きや判断(けっこう紋切り型だったかもしれない)の適法性を事後的にどう判断するか、という問題はあるかもしれません。
すみません、その辺は勉強不足でよくわかりません m(_ _)m
コメント (2)
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