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ニューヨークを描いた傑作としてマーティン・スコセッシ監督のタクシー・ドライバーが僕の中では印象が強い。
まさに暴力的な描き方が1970年代の映画とはいえ現在にも通じる作品だと思う。
他にもウディ・アレン監督もニューヨークを舞台にした映画が多い。例えばマンハッタンは僕は好きな映画だけれど、彼のニューヨークの描き方はインテリクラスの人々が描かれていて、スコセッシ監督のような暴力的描写は皆無である。しかし、彼一流のインテリらしい冗句はまさにニューヨーカーらしい雰囲気は充分に感じることができる。
ところが今回紹介する映画、裸の町もニューヨークが描かれている。それもそれまで従来のハリウッドの撮影所を飛び出して、初のロケ撮影が試みられた作品。
別にロケ撮影が初めて試みられた映画と言っても、僕たちの世代がロケ撮影と聞いても別に珍しくもなんとも無いが、しかし理想主義を歌い上げたハリウッド映画作品が多く製作されていた時代に、ロケ撮影によってドキュメンタリー的タッチに仕上がり、生身のニューヨークが描かれている事に対しては非常に成功している作品だと言って良いだろう。
そしてこの映画は刑事映画の先駆けになった作品でもあるだろう。ロケ撮影が刑事映画というのにピッタリ当てはまる。
この映画から日本映画において黒澤明監督の野良犬をイメージすることが出来るし、そしてイタリア映画において刑事をイメージすることが出来る
その後に頻発するハリウッド映画の刑事映画だけでなく、世界中に影響を与えた作品だと言う意味では記念碑的作品だといえる。
ちなみに監督はあのチャールズ・チャップリン同様に赤狩りによって、アメリカから逃亡を余儀なくされ、ギリシャにおいてトプカピなど、娯楽色豊かな映画を撮るようになったジュールス・ダッシン
彼の映画ではハリウッド作品のドキュメンタリータッチ的作品の深夜復讐便、そして前述した,トプカプ宮殿を舞台にした宝石強盗を楽しいノリで描いたトプカピを観ている
しかし、例に漏れずこのジュールス・ダッシン監督の街の野獣、男の争いなど名作がたくさんある監督なのになかなか観る機会に恵まれないのが残念だ
今回紹介する裸の町も観ることができたのも偶然の出来事
それでは世界一の大都市ニューヨークがむき出しの姿を見せる裸の町を紹介します
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冒頭で空から夜のニューヨークを映し出すシーンにおいて、ナレーションがかぶさる。”スタジオを飛び出し、オールロケで撮られた映画だと”。
人々が眠るころ、ニューヨークは静かに見えるが実はその真夜中こそニューヨークがむき出しの姿を見せる。
夜中アパートの一室で女性が男性の2人組みに殺害され、そして港近くでは男性が鈍器で殴られ海に放り投げられる
翌朝、若い女性が浴槽の中で死んでいるのを、お手伝いさんが発見する。この事件の検死に立ち会ったダン(バリー・フィッツジェラルド)警部。
検死の結果、彼女は殺害と断定。
死んでいる若い女性はファッションモデルをしていて、ジーン・デクスターという名前であることを突き止める。
ダン警部(フィッツジェラルド)はジーンのモデルの同僚であるルースを訪ねるが、ルースはジーンのプライベートのことは何も知らなかった
しかし、ダン警部(フィッツジェラルド)はルースの恋人であるフランク・ナイルスに対して怪しがる。ダン警部(フィッツジェラルド)がフランク・ナイルスを尋問しても彼は嘘ばかりつくが、しかし彼にはアリバイがあった
しかし、フランク・ナイルスが質に入れた指輪がジーン・デクスターの掛っていた医者が数ヶ月前に盗まれていた物だと判明し、そして死体になっていたジーン・デクスターがつけていた指輪も盗品だということが判明する。
やがてダン警部(フィッツジェラルド)がハロルド刑事(ドン・テイラー)とそしてルースとフランク・ナイルスのアパートに向かうが、銃声が聞こえる。
部屋から逃亡した男をハロルド刑事(テイラ)が追いかける。フランク・ナイルスは倒れていたが銃によるキズは無かったが気絶したいた。
しかしダン警部(フィッツジェラルド)はフランク・ナイルスの部屋で大量のを発見する。
そして子供たちが遊んでいたイースト川では死体になった男が発見されるが、その男は宝石強盗団の一人だった。
いよいよフランク・ナイルスと二つの死体の関係がわかってきたが、フランク・ナイルスの部屋から逃亡してしまった男は何者なのか
ラストシーンの逃亡者の虚無感と昼間のニューヨークの人々の姿のコントラストが印象的な場面は是非映画を観てください
田舎からニューヨークに出てきた女性の野心。しかし、ニューヨークの現実は小市民には厳しい現実が待っている
ドキュメンタリータッチならではの描き方によって、単なる刑事映画ではなくニューヨークに生きる人々の生活まで描写した作品だと言えるだろう。
この映画の影響を受けている野良犬が戦後の焼け野原になった日本が描かれ、そして刑事ではイタリアの貧民街で暮らす小市民の悲しさが描かれていた
世界一の大都市ニューヨークの下町は現在において犯罪の多い場所として認知されているが、1940年代のニューヨークにおいても仮面を剥がせば下町に生きる人々にとっては既に犯罪がはびこっていたのがわかる。
昼間の喧騒としたニューヨークにおいて、夜が明ければ再び殺人事件が起こっているニューヨークの裏側が描かれた傑作です
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