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コーエン兄弟監督でジョージ・クルーニーとキャサリン・ゼダ=ジョーンズ共演のディボース・ショウというコメディ映画があったけれど、内容はタイトルから想像できるようにディボース(離婚)をめぐっての日本人にはちょっと理解しにくい映画。
アメリカは州によって違うけれど、結婚前に離婚をした時の契約が結ばれるという社会背景が取り入れられたコメディ映画。
この映画では離婚する時に、その夫と妻の合計の総財産を半分半分に分割されるという契約をめぐって駆け引きが展開される様子が、例によってのコーエン兄弟流のブラックユーモアが発揮されたコメディ。
しかし日本においては結婚する前から離婚した時のことを考えて総財産の分配を考える倫理観が無いし、離婚のことを考えて結婚するようでは到底長続きするとは思えないのだが
離婚の多い国のアメリカならではの制度だと言えるが、近年の日本においても離婚が増加する傾向を考えると婚前契約というのが生まれてくるかもしれない
いずれにしろお金を持っている人と結婚するのがやっぱり賢い方法なのかな
そのような婚前契約を絡めた映画が今回紹介する青髭八人目の妻
ちなみに監督は数々の軽妙なコメディを撮っているエルンスト・ルビッチまさに良きハリウッドの1930年代から1940年代に大きく貢献した監督。
ナチスの侵略を受けたポーランド応援賛歌のような生きるべきか、死ぬべきかは、そんなメッセージ性を軽く超えた僕が大好きなコメディ。
他にもグレッタ・ガルボ主演のソ連の共産主義を皮肉ったニノチカ、そして小さな雑貨屋さんを舞台にした社長の威厳さに怯まない店員の正義を描いた街角 桃色の店、他に女癖の悪さから死んでしまった自分はすっかり地獄に堕ちるものだと思っていたら、地獄の閻魔大王様でも情けがあることがわかる天国は待ってくれるなど、描き方よっては非常に重たい映画になってしまいそうだがルビッチ監督が描くと深刻さは消え去り、抜群のコメディー映画になってしまうから凄い
そして今回紹介する青髭八人目の妻は、ビリー・ワイルダーが脚本に絡んでいるだけに一つ一つの台詞が笑わせる。
そして往年の大スターであるゲイリー・クーパーが、他の作品では見られないような嬉々としたした表情で演じているのが驚きというか、薄ら気持ち悪くすら感じる
僕の好きな映画監督であるエルンスト・ルビッチの青髭八人目の妻を紹介します
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フランスのリヴィエラの衣装店にてマイケル(ゲイリー・クーパー)が店員と言い争っている。マイケル(クーパー)が上下セットのパジャマの上だけ買いたいと言い出しているのだが、流石に店員もそのような要望にはこたえることができない。
そんな言い争っているのを見ていたニコル(クローデット・コルベール)という女性が、いきなりパジャマの下の部分を買いたいと言い出し、無事に決着
マイケル(クーパー)は女性がパジャマの下の部分だけを買うことに興味を持ち、ニコル(コルベール)の後をしばらく追いかけていると彼はニコル(コルベール)に惚れてしまった。彼はニコル(コルベール)に猛然とアタックするが。
一方、ホテルでは借金まみれの貧乏貴族であるロアゼル(エドワード・E・ホートン)がお金が無いのに、宿泊代を踏み倒している。ロアゼル(ホートン)はある商売を実は大金持ちの大実業家であるマイケル(クーパー)に話を持ちかけようとしていた。
ロアゼル(ホートン)の前に現れたマイケル(クーパー)は、寝ていたロアゼル(ホートン)が立ち上がった姿を見て、ロアゼル(ホートン)がニコル(コルベール)の父親である事に気付く
マイケル(クーパー)は流石は大実業家らしくロアゼル(ホートン)の事を調べ尽くしており、彼が貧乏貴族である事を見抜いていた。ロアゼル(ホートン)からの商売を最初から引き受ける気は無かったが、マイケル(クーパー)は彼がニコル(コルベール)の父親だと知ると、彼から出されたルイ14世が使っていた浴槽という非常に怪しい物をを高額な金で買い上げる。
ロアゼル(ホートン)は娘のニコル(コルベール)をマイケル(クーパー)と結婚させようという腹の中と、マイケル(クーパー)のニコル(コルベール)に対する恋愛感情が見事に一致する。
ニコル(コルベール)は大金持ちのマイケル(クーパー)には興味が無く、彼女は友人のアルベール(デヴィッド・ニーブン)と遊ぶことに夢中になっていたのだが、そんな2人の前にマイケル(クーパー)が現れる。
実はアルベール(ニーブン)はアメリカの大手の銀行の支店で働いていたのだが、既に与えられていた休日を越えてまだ遊んでいたのだが、マイケル(クーパー)は彼の働いている銀行のオーナーであった。
マイケル(クーパー)は無理矢理2人の仲を引き裂くように、アルベール(ニーブン)をクビにするように脅すかのように自分の秘書として働かすようにして、ニコル(コルベール)をアルベール(ニーブン)と会わせないようにした。
結局ロアゼル(ホートン)の説得とマイケル(クーパー)の強引なアタックに負けてニコル(コルベール)はマイケル(クーパー)と結婚することにする。
ニコル(コルベール)は親族を呼び寄せ、結婚式を開こうとするが思わぬことをマイケル(クーパー)から聞き出してしまう
実はマイケル(クーパー)は既に7回離婚していたのだ。
ニコル(コルベール)はマイケル(クーパー)が7回も離婚しているとは知らずに、慌てて結婚式を中止しようとするが、父のロアゼル(ホートン)の説得もありニコル(コルベール)はマイケル(クーパー)に対して、もし離婚したら月々10万ドル(?)の慰謝料を払うことを提示するが、そのような条件にアッサリとオーケーしてしまうマイケル(クーパー)
そんな2人はチェコスロバキアのプラハへ新婚旅行に出掛けるが、そこからニコル(コルベール)は離婚して莫大な慰謝料を手に入れるために色々と作戦を開始するが・・・2人の駆け引きは映画を観て下さい
1つ1つの台詞の面白さは、やはりビリー・ワイルダーの脚本らしさがわかり、ビリー・ワイルダー監督作品の映画にも見られるような面白さがある。
さらに台詞だけで笑わせるのではなく、笑える印象的な場面も満載。
このように僕がせっかく今回のエルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー、フランク・キャプラたちの抜群のお洒落なコメディ映画を紹介しているのに、古い、モノクロと言うだけで観られないとなると世の中不幸な人が多いと感じてしまう。
最近のコメディ映画と言えば下ネタ、笑うに笑えない作品が多いけれど1930年代から1950年代にかけてのコメディ映画には非常に洗練され、不幸を笑いに変え、奥の深い笑いがある。
今回の青髭八人目の妻も是非観てほしい映画です
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