褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 大いなる陰謀(2007) 単なる反戦映画では無い

2011年03月18日 | 映画(あ行)
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 俳優としても明日に向かって撃て!スティングに主演し、また監督としても普通の人々でアカデミー監督賞を受賞しているロバート・レッドフォード。そんな彼が監督、主演をこなしているのが今回紹介する大いなる陰謀。しかもトム・クルーズメリル・ストリープが共演している豪華キャストだ
 現代を代表する三大スターの競演と言うことで話題にもなっていたはずの作品だが、出演人の派手さの割にはディスカッションシーンが大部分を占めているように地味な印象の映画。さすがにこれだけの大スターご登場作品でも大ヒット狙いの作品では無いし、実際にほとんどヒットしなかった。
 しかし、さすがはロバート・レッドフォード監督作品だ内容は政治、戦争、マイノリティー、マスコミ、生き方など盛りだくさん。リベラル思想の多いハリウッド映画人の中でもさらに左寄りのロバート・レッドフォードという人物の偉大さを感じる映画だ。

 この映画の表す結末から判断すると反戦映画であるのは確かだが、かつてのベトナム戦争を描いた映画に見られるような戦争の悲惨さ、軍隊徹底批判を全面に主張したような映画では無い。イラク戦争から同時多発テロによって引き起こされるアフガニスタン紛争に至るアメリカ社会のダメっぷりが描かれていると言った方が当てはまると思う。

 ストーリーの構成は最近流行りの複数の話が最後に1つの話に収束するパターン。
 共和党の若手のホープであり、将来は大統領への野望を抱いているトム・クルーズと、政治記者のベテランでありいかなる戦争に対しても反対の立場に立つメリル・ストリープの激しい議論。
 そして大学で教鞭を取り、戦争に対して懐疑的でありながらも、教え子が戦争に自ら参加することに一定の理解をしているロバート・レッドフォード演じる教授と、優秀な才能を持ちながら授業を欠席しまくっている生徒のアンドリュー・ガーフィールドの議論。
 そして、ロバート・レッドフォード演じる教授のかつての教え子であり自ら戦争に行くことを志願したマイノリティーに属する若者2人のアフガニスタンでの戦場シーン。
 この3つのストーリーを通して、最後に観ている側に問題提起を投げ掛けてくる非常に考えさせられる映画です。

 普段はこの世の中の事を考えずに、全て他人任せの僕でも色々と考えさせてくれる大いなる陰謀を紹介します

大いなる陰謀 (特別編) [DVD]
ロバート・レッドフォード,メリル・ストリープ,トム・クルーズ,アンドリュー・ガーフィールド,デレク・ルーク
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 ワシントンDCにおいて、共和党の期待の若手であり、将来は大統領に就こうとする野心家のアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)は普段は懇意にしている政治記者のロス(メリル・ストリープ)を自らのオフィスに呼び出す。アーヴィング(クルーズ)は極秘情報である、アフガニスタンにおける対テロリスト作戦の全貌をロス(ストリープ)にリークする。
 この作戦を自ら計画し、絶対的に成功する自信を持っていたアーヴィング(クルーズ)がロス(ストリープ)にリークした目的は?またロス(ストリープ)にとっても政治記者として特上のネタであったのだが、アーヴィング(クルーズ)の政治思想に対して普段から疑問を持っていた彼女は彼の意図を掴みかねていた。

 その頃カリフォルニア大学ではマレー教授(ロバート・レッドフォード)は最近自分の授業を欠席し続けている生徒トッド(アンドリュー・ガーフィールド)を自分の部屋に呼び出す。当初はマレー教授(レッドフォード)の授業において優秀さを見せていたトッド(ガーフィールド)はどうして授業に出なくなってのか?
 マレー教授(レッドフォード)は今アフガニスタンで戦っているかつての教え子でヒスパニック系のアーネスト(マイケル・ペーニャ)と黒人のアーリアン(デレク・ルーク)の2人がマレー教授(レッドフォード)の授業で行ったプレゼン(研究発表)を語る。

 同じ時期にアフガニスタンでは対テロリストにおけるアーヴィング(クルーズ)の作戦が実行されようとしていた。マレー教授(レッドフォード)の教え子であったアーネスト(ペーニャ)とアーリアン(ルーク)はアフガニスタンの対テロリストの戦争に参加していた。
 2人の乗った軍用機はテロリストからの思わぬ攻撃に遭ってしまい雪山の中に遭難してしまう。2人はテロリストに囲まれてしまい反撃を試みるが・・・なかなか意味深な結末は映画を観てください



 殆どの時間が会話劇に費やされているだけに字幕を追うのが大変だ派手な動きの無い会話劇は映画には向かないようで、実は表現の自由、奥行きの点において極めて映画向き。あの名作十二人の怒れる男は集団会話劇の真髄を魅せるし、巨匠イングマール・ベルイマン監督の沈黙秋のソナタのような作品においては緊迫感ある会話劇が見られるし、ウディ・アレン監督の作品においては非常にユーモア溢れる会話が楽しめる。
 逆に会話だけのシーンをテレビドラマで見せられると、ものの5分もしないうちに違うチャンネルに切りかえてしまうだろう。

 見どころはたくさんあるけれど、いつの時代も常にアメリカが世界ナンバーワンでなければならない保守的な自論を持っているトム・クルーズ演じる若き政治家と、今までのベトナム戦争から現在に至るまでのアメリカの政策に批判的であるメリル・ストリープ演じるベテラン政治記者の熱い討論は2人の優秀な演技力もあって見ごたえ充分だ。
 更なる見どころとしてアフガニスタン紛争に参加することになるアーネストとアーリアンの2人が研究発表する内容はアメリカ国内の問題点を浮き彫りにさせるだけでなく、日本の政治に興味の無い人達も聞く価値がある。この若者2人が現状のままなら幸せな将来が約束されていたのにどうして自ら戦争に参加することになったのか。この若者2人の研究発表を聞くと多くの日本人が選挙に参加しようと思うだろう。
 改めてハリウッドの社会派映画は凄いし、面白いと感じさせられます

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