褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 メランコリア(2011) 鬱病の映画

2013年01月08日 | 映画(ま行)
 地球に惑星がぶつかってくる映画と言えばディープインパクトアルマゲドンのような娯楽映画を思い浮かべるが、今回紹介する映画メランコリアも巨大な惑星が地球にぶち当たってくる世界の終末を描いた映画。ちなみにメランコリアというタイトルの意味は鬱病
 先に挙げた2作品は楽しい映画と言えなくもないが、今回紹介するメランコリアはマトモな精神状態の人が観れば後味が悪く感じる映画だが、鬱病っぽい人にはハッピーな気分になれるという非常にユニークな設定の映画。よって観る人を選ぶ映画だと思うが、どういうわけか俺は非常に興味深く観ることができた。

 監督は毎回変な映画を撮るラース・フォン・トリアー。時々鬱病になってしまうことで有名な映画監督だ。まさに今回紹介するメランコリアは鬱病に罹った勢いで撮った映画だと想像するに難くないが、果たして本当にそんな映画を観て面白いと思えるのか、または大いに感動することが出来るのか

 鬱病のヒロインの理解不能の行動、惑星が地球に体当たりしてくるという設定の映画の内容は如何なるものか。
 新婦ジャスティン(キルスティン・ダンスト)は新郎マイケル(アレクサンダー・スカルスガルド)との結婚式を挙げるために姉のクレア(シャルロット・ゲンズブール)の豪邸に向かう。
 ところがお客さんは揃っているのに、当の本人達は大遅刻。しかも花嫁姿のジャスティン(ダンスト)は結婚式の最中でも空気の読めない行動を連発してしまう。
 実はジャステイン(ダンスト)は鬱病を患っており、結婚式を挙げられるほどのマトモな精神状態には無いのだ。そんな彼女の行動はあらゆる人間関係をぶち壊し、しかもその間に刻々とメランコリアと呼ばれる巨大な惑星が地球に近づいてくる・・・その時マトモな姉クレア(ゲンズブール)と鬱病の妹シャスティン(ダンスト)は如何なる行動を取るのか

 冒頭でルネ・マグリットの絵画を思わせるような幻想的なシーンはとても美しく、流れてくる音楽は雄大で引きこまれる。果たしてこの観たところシュールな映像は一体何を示しているのか?冒頭から引きこまれる映像が流れるが、実はその後の展開はキルスティン・ダンストの鬱病でニッチモサッチモいかない状態を見せられる。
 せっかくの結婚式なのに鬱病の花嫁は一人で式場抜け出し、ゴルフカートに乗って走り回ったり、風呂に入っていたり、愛しているはずの旦那とのセックスは拒むのに、外に出て別の男とエロいことをしたり・・・。花嫁がいない結婚式の気まずさはこの映画を観ていてもよくわかる。

 そんな妹のために豪華な挙式を計画してくれたのが、大金持ちのジャスティン(ダンスト)の姉夫婦である科学者のジョン(キーファー・サザーランド)と姉のクレア(ゲンズブール)だ。ジョン(サザーランド)は大金持ちで挙式の費用を出してやり、クレア(ゲンズブール)は今回の結婚式のプランナーを務めるが、妹に大恥をかかせられてしまう。
 それでもクレア(ゲンズブール)は妹のジャスティン(ダンスト)に優しいし、ずいぶんマトモ。しかし、夫のジョン(サザーランド)が科学者としての知識で『決して、メランコリアは地球に衝突しない』とアドバイスするのだが、クレア(ゲンズブール)はメランコリアが近づいてくるのに怯え、次第に情緒不安定になっていく。

 メランコリアが接近するのに、対照的な姉妹の姿に観ている我々は何を感じるのか?精神を患っている人は勿論のこと、実は自分はちょっと精神が病んでいるかも?と思った人にもメランコリアはお勧めです

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 監督は奇才の中の奇才である、デンマーク人のラース・フォン・トリアー
 お勧めはボロボロの中にほんの少しの希望を感じさせる奇跡の海、他に見た目からしてとんでもないニコール・キッドマン主演のドッグ・ヴィル、ブライダラス・ハワード主演のマンダレイ(これは個人的には大好きな映画です)。他にビョークの歌声に魂が揺さぶられるダンサー・イン・ザ・ダークはちょっと変わったミュージカル。この映画の結末は賛否両論があると思います。

 主演のジャスティンを演じるのがキルスティン・ダンスト。スパイダーマンシリーズのヒロインで有名のカワイ子ちゃんですが、個人的にはソフィア・コッポラ監督のマリー・アントワネットの彼女が綺麗だと思います。

 姉のクレア役はシャーロット・ゲンズブール。僕の高校生の時はアイドルでした。タヴィアーニ兄弟監督の太陽は夜も輝くがお勧めです。

 他にクレアの旦那役でキーファー・サザーランドが出演しています。24 -TWENTY FOUR-のジャック・バウアーで有名ですが、若手だった頃の西部劇ヤングガンが印象的です。

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