褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 孔雀夫人(1936) アメリカ人夫婦のヨーロッパ旅行

2025年01月15日 | 映画(か行)
 今のアメリカはヒスパニック系の移民が多くなっているが、本作が公開された頃はヨーロッパ系移民の子孫が多かったはず。当時のアメリカ人が先祖のようなヨーロッパに対する憧れ意識を感じさせる映画が今回紹介する孔雀夫人。アメリカ人がヨーロッパの貴族社会に憧れて、田舎者だと自認している様子に非常に興味が惹かれた。
 ヨーロッパの貴族社会によって貧乏暮らしを強いられた者の中には、アメリカ大陸を渡ってアメリカンドリームを手に入れた者も居るが、それでも彼らの心にはヨーロッパは忘れられない存在だ。

 働き詰めだったアメリカ人夫婦が新婚旅行とばかりにヨーロッパ旅行に行くストーリーの紹介を。
 サム・ダズワース(ウォルター・ヒューストン)は20年間経営してきた自動車会社を売却し、これからは自分とは年の離れた妻で35歳の年齢の割に若く見えるフラン(ルース・チャタートン)との夫婦生活を楽しむために、貯めたお金で悠々自適の生活をしようとしていた。まずは彼らは新婚旅行にも行けていなかったこともあり、無期限のヨーロッパ旅行へ向かう。しかし、旅行中にサムは妻フランの低俗な人間性を見つけてしまい・・・

 仕事一筋だった男が急に家庭生活を大事にしようとするとロクでもないことになる見本のようなストーリー。サムには結婚した娘もおり、夫婦仲も良くて、決して家庭をかえりみなかったわけではない。それなのに今頃妻フランの本性に気付いたのかよ?とある意味で驚いた。
 妻フランだがヨーロッパの貴族のような華やかな生活に憧れている。旅行中の船の中でも、華やかな衣装で周囲の目を引いてしまったり、ヨーロッパ大陸に到着してからは貴族社会に属する人間と付き合うようになる。サムのように観光旅行するのが一般的だと思うのだが、フランはヨーロッパの華やかな生活に入り浸ってしまう。フランが老け込むのが嫌だとか、結婚生活をこれからも続けていくためにとか色々な理由を付けて、旦那はアメリカに帰らしておいて自分はヨーロッパの生活を満喫する。そして、娘に子供が出来たことに対して一瞬喜ぶが、それでもアメリカに帰ろうとしない。そう言えば、最初の方のシーンでサムの友人がサムに対して『お前は良いやつだが、嫁は悪いやつだ』なんてことを、唐突に言い出したシーンを思い出した。
 俺がサムだったら一緒にアメリカに帰ろうとしない時点で離婚だが、彼は忍耐強い。しかし、遂に彼の堪忍袋の緒が切れるのだが、そこについてはネタバレになるのでここでは触れないでおこう。
 まあ女性なら老いに対する恐怖は男性よりもあるよな~なんて妙に感心させられたり、愛し合うもの同士が結婚するべきだよな~なんて当たり前のことを思わせたり、当時のヨーロッパ貴族一族の深刻さが理解できたり、日本人以上にアメリカ人のヨーロッパに対する憧れの強さを感じさせられたり等、色々なことを気づかされる孔雀夫人をお勧めに挙げておこう

 監督は名匠中の名匠といえるウィリアム・ワイラーローマの休日ベン・ハー必死の逃亡者探偵物語我等の生涯の最良の年大いなる西部等、コメディ、歴史劇、サスペンス、ヒューマン、西部劇とあらゆる分野において名作を遺しています。

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