褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ニューオーリンズ・トライアル(2003) 陪審コンサルタントという職業があります

2025年01月25日 | 映画(な行)
 先日12人の陪審員たちが密室で議論を繰り広げる十二人の怒れる男を紹介したが、あの映画を観ている時に思い出したのが今回紹介するニューオーリンズ・トライアル。『ザ・ファーム 法律事務所』『ペリカン文書』等が映画化されているジョン・グリシャムによる原作小説の映画化作品だ。
 ちなみに本作は法廷劇であり、だいたいそのような映画は弁護士対検事、あるいは弁護士対敵側の弁護士という構図で熱いバトルが繰り広げられる展開が多い。本作もそのような面も少しは見られるが、陪審コンサルタントという者が出てくる。少しばかり陪審コンサルタントの仕事を説明すると、無作為に選ばれた陪審員候補の中から自分の陣営に有利になるように十二人の陪審員を選ぶように陰から弁護士にアドバイスする役割の者。本作においても凄腕の陪審コンサルタントが出てきて、すべての陪審員候補の思想、性格、職業等を調べ挙げて、ふるいにかける様子がテンポよく描かれている。陪審員がハガキ一枚で無作為に選ばれると思っている人は、実は弁護士が選んでいたことに驚くはずだ。

 それでは少しばかり珍しいタイプの法廷劇のストーリーの紹介を。
 ニューオーリンズにおいて11人の被害者がでる銃乱射事件が起きる。被害者の妻であるセレステ(ジョアンナ・ゴーイング)は優秀な弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)を雇って、犯行に使われた銃の製造会社を訴える。
 訴えられた銃の製造元及び銃業界も自らの利益を守るために、伝説の凄腕陪審コンサルタントであるフィッチ(ジーン・ハックマン)を呼び寄せ、万全を期する。フィッチは慎重に陪審員を選別していくが、その中に謎の男であるニック(ジョン・キューザック)がフィッチの目をかいくぐって陪審員に選ばれる。ニックはこれまた謎の女マーリー(レイチェル・ワイズ)と手を組んで、両陣営をかく乱していくのだが・・・

 ジーン・ハックマン演じる陪審コンサルタントだが、弁護士よりも権力を持っており、それでいて陪審員候補たちを調べる手口がえげつない。自らのスタッフを抱えて、盗聴、盗撮、尾行を繰り返し、彼らのことを片っ端から調べ上げる。裁判が始まってからも、自分に不利になりそうな陪審員に対しては脅迫も厭わない。明らかに不法行為を行っている。
 そんな凄腕コンサルタントを相手にするのが、陪審員に選ばれたジョン・キューザック。この男が身の危険を顧みずに、凄腕コンサルタントや相手方の弁護士を翻弄するような行動にでるのだが、その目的がなかなか明かされないので惹きつけられる。そして、この男も他の陪審員たちを自分の思う方へコントロールしようと苦闘する様子も楽しい。
 陪審コンサルタント対陪審員が主になっている珍しいタイプの法廷映画。この手のタイプにありがちな難しい専門用語は必要ないし、スリリングな展開は非常に楽しめて、大物実力派俳優の共演が興味深い映画として今回はニューオリンズ・トライアルをお勧めに挙げておこう

 監督はゲイリー・フレダー。アンディ・ガルシア主演のデンバーに死す時がお勧め

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
弁護士VS陪審コンサルタント (ETCマンツーマン英会話)
2013-04-02 17:53:06
こんにちは。『ニューオリンズ・トライアル』を観て、興味を持ち現在原書の『陪審評決』を読み始めました。「弁護士VS相手側の陪審コンサルタントとの法廷外バトルが、この映画の見どころ」まさにそうでした。そもそも、陪審員コンサルタントなる職業の存在に驚いています。日本は司法においても政治においてもまだまだ発展途上なのですね。
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ETCマンツーマン英会話さんへ (ディープインパクト)
2013-04-03 15:33:54
 コメントありがとうございます。本当にアメリカは驚くような職業がありますね。日本の場合は国民が政治、司法に守ってもらうという意識がありすぎる気がします。アメリカみたいな自分の命は自分で守る意識の強い国は陪審制が合っていると思っています。
返信する
陪審制 (ETCマンツーマン英会話)
2013-04-09 09:14:49
ディープインパクトさん、お返事ありがとうございます。「国民が政治、司法に守ってもらうという意識がありすぎる気がします」本当にそうですね。原作『陪審評決』も是非よんでみます。
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ETCマンツーマン英会話 (ディープインパクト)
2013-04-10 10:54:02
 コメントありがとうございます。これからの日本人は自分で国を支えるんだという気持ちを持つことが大切だと思っています。
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