褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 エヴァの告白(2013) 移民の歴史がわかる?

2025年01月26日 | 映画(あ行)
 アメリカという国は、ヨーロッパ各国で戦争など悲惨な経験をして、夢や希望を求めて渡ってきた人の集まり。しかしながら、彼らの中には新天地アメリカにおいても挫折を味わう人が多い。先にアメリカに渡ってきた者にとって、後から次々にやってくる移民たちは恐れの対象になっていた現状がある。そんなことを理解させてくれる映画が今回紹介する映画エヴァの告白。ヨーロッパからの移民にとっての玄関口に見える自由の女神が、彼らを笑顔で迎えることは無い。ちなみに本作の原題はThe Immigrant。タイトルの意味するところは『移民』。本作では夢や希望を求めてやって来た移民が、過酷な現実を突きつけられる様子が描かれている。

 今でもアメリカンドリームなんて言葉に惹きつけられる人が多いが、少しは現実を見せてくれるストーリーの紹介を。
 1921年のニューヨーク。悲惨な目に遭ったポーランドからアメリカへ夢と希望を求めて姉のエヴァ(マリオン・コティヤール)と妹のマグダ(アンジェラ・サラフィアン)がやってくる。彼女たちは先にアメリカで移住している叔母さん夫婦を当てにしてやってきたのだ。しかし、マグダは病気の疑いで収容所へ送られ、エヴァの方は色々と理不尽な難癖をつけられて強制送還にあいそうになる。
 そんなエヴァを助けたのが、ブルーノ(ホアキン・フェニックス)。しかし、ブルーノは移民の女性を集めてのストリップもどきの興行師であり、裏の顔は売春の斡旋人だった・・・

 ポーランドというのは滅亡したり復活したりして常に戦争の悲劇に遭ってきた国。ポーランドからアメリカに渡ってきた移民は多い。そして本作のエヴァとマグダの姉妹の両親だが、ポーランドで首を刎ねられている。エヴァにとって強制送還されることは、死をも意味するだけにポーランドに帰れない。そして、ポーランドというのはカトリックの国。エヴァのカトリックに対する敬虔さは篤いものがある。そして、妹との絆は固い。
 エヴァは一度はブルーノの元を抜け出し叔母さんの住所を探し出すのだが、なぜか血の繋がっていない叔父さんの方から嫌われ追い出されてしまい、彼女も収容所へ送られ再び強制送還されそうになるピンチが訪れる。そこへまた助け舟を出すかのようにブルーノが現れて強制送還されないで済む。ハッキリ言ってブルーノはエヴァから希望も夢を奪って娼婦に叩き落した極悪人。しかし、エヴァはけっこうしたたかで絶望的な状況に追い込まれても、妹と再会するためにあらゆる生きる術を尽くす。人のカネを盗もうとするし、ブルーノを逆に利用する。罪を犯さないと生きていけない状況を告解するシーンがあるのだが、それが邦題になっている訳だ。
 そして、ブルーノの従兄弟でオーランド(ジェレミー・レナ)が出てくる。エヴァはオーランドと恋に落ちそうになる。一瞬、エヴァにも希望が見えそうになる。しかし、本作はちょっと希望を見せておいて、またどん底に突き落とすの繰り返し。美人だからと言って幸せになるとは限らない展開が妙に響く。むしろ美人であるがために試練が次々にやってくるような印象さえある。
 さて、そんなエヴァに対して聖母マリア様はどんな結末を用意しているのか。それは本作を見てのお楽しみ。大谷さんみたいにでかい夢をアメリカで掴みたいと執着している人、妙にアメリカに憧れている人、私は美人だと思っている人、思ってない人、そして罪の意識に苛まれている人に今回はエヴァの告白をお勧めに挙げておこう

 監督はジェームズ・グレイ。ティム・ロス主演のリトル・オデッサ、ブラッド・ピット主演のアド・アトラスがお勧め

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