入道雲の姿は見かけず、梅雨の時期の空模様である。晴れたと思えば崩れ、気づかぬ間に降っている。それでも、風があれば心地好いが、どんよりとした天気に、少々農作物が気掛かりである。米は、暑くなければ収穫が心許ない。
人間は、自分達の都合勝手ばかりを優先するが、自然では通用しない。そうしてみると、今年は小蝿の発生が少なかった。その反面、ゴキブリが異常に多い。冬に暖かく、夏には涼しい環境が出来上がり、繁殖は居心地の好さかな。
今月も、既に半分の日々の越しかたで、年末に近づく。年齢を重ねていくと、月日は矢の飛ぶように早く過ぎる。況してや、停まることもなく、時を刻んでいく。自分の想いとは裏腹に、何もしないでいることの多い暮らしだ。いかんなあぁ。
身体の機能の不調にも、歳は勝てない。幾ら病院に行って、医者に罹ろうとも、結果は明らかである。これを納得して騙し、何とか残った機能を使う。還暦を越えると、更に加速が速くなる。ここらで少しは、休養もいいのかもしれない。
激務を終えて帰宅する。玄関を開けると、式台に飛び出してくるすばる。最近は、いってらっしゃいや、おかえりなさいをする。尤も、餌が足りていれば、目覚めたばかりの、欠伸をしながら出てくるので、随分慣れたものと感心するばかり。
然し、慣れた分、悪戯は度を越す。そこら中に飛びつき、駆け回るのに叱らねばならない。蛍光灯の紐にぶら下がり、落っこちるのには呆れ返る。兎に角、上の方の何かしらに、興味が尽きないようで、どさっと言う音がする。お転婆です。
食べ物は、ご飯、素麺、茹で卵、パンやサラダも好む。猫なので、熱い物は苦手で、顔を背ける。然しアイスクリームは、何でもいいらしく、よじ登ってきて嘗める。歩いておるとじゃれ付く。傷だらけになるし、歩けないので困り、踏んずける。
この枇杷葉は、植えて4年目に生る。種が発芽してからは、7年位かな。窮屈そうになったが、花芽がつき生った。暁子さんを偲んで。