介護の業務内容には、どうすればいいかの答えはない。心を添わせる、という簡単なことであり、経験や年数に依っては、自然にできることも、形式ばって、ぎこちなくなることも間々ある。然しながら、無駄話の何と多いことか。口先ばかりの利用者優先。
自分の遣り方に違うことでも、自分は何をすればいいか、判断して動けばいいことで、そこにチームワークを持ち出されては困る。同じ事をしていては、業務は終わらないし、山積になるだけだ。何々してくださいと頼むのではなく、黙って手本を見せれば。
子育てをしていた時には、毎日の掃除・洗濯に加えて、子どもの服を縫ったり、編み機で作ったりしていた。テレビの前にじっとしていることは否で、その廻りで子どもは遊んでいた。人付き合いが苦手であり、家で何かをしているのが気楽であったもの。
その頃は、車の運転も出来なかったし、自転車での買い物であったから、献立は作った野菜で賄っていたし、楽しみでもあった。心の中では、本が読みたく、時間を作れないのが辛かった。子どもが学校に上がってから、教科書で知った童話の世界は新鮮。
ろうべえまってろよ 車の色はそらのいろ うみべのいす チビッ子カムの冒険 ちいちゃんのかげおくり 一つの花 おこりじぞう ごんぎつね てぶくろをかいに だれも知らない小さな国 おみやげ 宇宙人のしゅくだい 数えれば限がない作品を知った。
作家では、佐藤さとる 灰谷健次郎 小松左京 あまんきみこ 神沢利子 教科書に載っていた方だけでも多く、自分の好みで読めば、書き切れない。鬼籍に入られた方もあり、或いは著作だけで、お逢いしたことはないが、内容は間違えず覚えている。
子どもが読んで、孫に読ませ、今は他所さまの子どもさんに、贈っているが、本好きの子どもには、親の拘りかたが非常に大切な意味を持つ。絵本の作者とタイトルを瞬時に言え、内容まで話すとなると、尊敬してもらえるが、一冊でも多く読んでほしい。
今年の正月時、松の内までを仄かに匂った花芽。家の中に居ても、素晴しい芳香が風に乗って漂う。