如月、八せん終り

　じっとしていても汗ばむ気温に、暖房はスイッチを切る。窓も網戸にしてしまうが、風が温かいので気づかない。感染予防の関係で、2時間おきの換気だが心地よさが先になる。後輩の介助が出来ていないのでさせる訳にはいかなくて、移乗をしたり介護に入る。他にも茶碗等の洗い物もあって、息つく暇もない有り様に、しんどくて思わず座り込む。

　洗濯物を頼めば、伸ばして干すこともしないし、洗い物も食器に食べこぼしが残っている。介護と言えば怪我はさせる、移乗ができない。掃除ですら満足にはしない。見守りも寄り添いさえで、何時もの倍は動くことになる。若ければ何と言うこともない業務が、重労働に悲鳴を上げてしまうが、自分の都合を言うてはおれないので、何とか踏ん張る。

　業務を終え、ヨタヨタのボロボロで帰宅する。最近、体調が良くないのも、介護の重労働に一因がある。然しながら、勤めている以上は、業務を熟して行かねばならない。最後の仕事に選んだのも自分である。工夫してしなければ何も出来ない。相手の気持ちに寄り添っての行動で、可能なことをすればいい。同情されるのも辛いし、働く意欲が消える。

　彼岸中はお天気が続くのか。このところの上天気に花も綻んでしまう。ヒアシンスもアネモネも咲き、海棠が風に揺れる。通草が新芽を出して来た。蔓をまとめて絡ませた。野生の植物も、様々な条件での発芽であろう。昨年には、実が一つだけだったが、今年はどうだろう。花は咲けどもで、まさか生っているとは思わずだった。期待せぬ方がいいのか。

　金星が、東方最大離角であるが、マイナス4.5等星である。あの素晴らしい輝きに、魅了されない者が居ようか？この美しさをヴィーナスと呼ぶのも納得できる。月のセレネは、控えめな輝きがある。どちらも美しさは比較にならぬが、金といぶし銀の差であろうか。ギリシャ神話の神々の活躍に心躍る。肉眼でもはっきり観えているので、西天を観あげて。

　星に想いを懸けるなら、プレアデスかアンドロメダか。いえ言え、そんなことよりも先ずは宇宙を観て。

　

春分の日・如月

　二十四節気　春分　太陽黄経0度、昼と夜を等分に分かつ日、とあって春分と言われる。この日は春の彼岸の中日とされ、毎年三月二十一日頃である。昨日に引き続いて天気が良く、加えて誰も来ないとあって、フェンスの草取りをし終えた。金魚草が風に揺れ、薄着になっても寒くない。小一時間を専念して止めた。蒲団を仕舞わねばならない。

　図書館は閉店、否延長のため、借りることが出来ない。行ったものの当が外れてがっかりだ。あらゆる機関が閉鎖され、愉しみのない春でもある。気分が腐るのでワインを開ける。リエさんと飲もうと取っておいたのだが、何時会えるのかも疑問である。メーカーは適当にしたが、これは美味しく咽喉越しが好い。明日は仕事に行くので飲めず。

　林檎を焼酎に漬けたのが程好く、口当たりも滑らかである。檸檬は失敗した。これは早く果実を取り出さなかったため、苦味が残った。まあ、それなりの風味で結構。庭の鉢物がしな垂れているので、冠水をしておいた。風があると土が乾いてしまうので、お天気よりも始末が悪い。折角の花も萎れてはだら年目がしない。チューリップも蕾が見。

　すばるが一番リラックスしている。足湯に来たら、自分の居場所が無くなるので、機嫌も悪くなり拗ねる。漸く3年目が来るが、未だ甘えたのやんちゃ坊主である。眠る時には必ずと言って、腕に吸い付いてくる。母親の乳を飲む格好が愛らしい。寝言も言うのにびっくりした。猫であろうと、人間に飼われれば、性格は飼い主に似て来るものだろう。

　勤務先の子どもさんに入学祝いを贈ろうとしたが、今なら金はあるが1年ばかり速い。辞めてしまうと渡せないし、出掛けるのも億劫になる。事情を話して受け取って貰うことにした。これまで相談に乗ってもらい、何時も援けてもらっていたので、有り難い存在であった。誰にでも喋らない性格も好く、これまでのことを思うと、感謝に堪えない…。

　そろそろ退職届を書かねばと思うが、いざとなると文面に窮する。自分の言葉で、これまでのことを綴りたい。最後の職場になる感慨もある。介護福祉士の資格も、現場での業務にも、精一杯の努力をしてきた。10年の月日には殊更な思いはないが、感慨深い気持ちも混じる。改めて感謝の意志を伝えるのも照れるが、充実した年月に感無量でもある。

　11月から12月にかけて、次々と苞が膨らんで花芽が開花する。そのやさしい芳香に、心が満たされていく。

　

気温上昇

　暖かな気温につい気が緩む。フェンスの草が気になって、やっと作業に取り掛かった。半分程を終えて家に入ったが、携帯を見ると着信がある。連絡すると其処に居ると言う返事だ。待ってもらうことにして迎えに行く。何だかんだと言いつつも、手当てには来るのだ。連れ帰って珈琲を出しながら、昼飯をどうするか尋ねる。カレーを出す。

　前回に来た時には、旧作のキャリーだったが、今回は新しいのをかける。主役はどちらも素晴らしい。脇役も揃っていて好いが、時代を考慮しているので、原作とはかけ離れた設定がある。それでも怖さは伝わるし、最後は決まっている。一人の少女が持つ超能力が、街を滅ぼしてしまうこともあると実感する。コロナも謂わば異端者かも…。

　図書館に出向く心算だったが、手当てで行けなくなった。明日に変更しよう。宙も夕方になり雲が増えた。明日は雨になるかもしれない。耳が痒いのも確率が好過ぎるが、降れば降ったですることもあるのだ。年金だけで暮らしのも、独りの稼ぎだけで生活するのも、要は遣り方次第かも知れない。無駄を省き、節約・倹約で何処迄遣れるか。

　金はあった方がいいが、そういった環境での生活が出来る者ばかりではない。コロナの関係で仕事も出来ず、収入が全く途絶える者も居るのだ。幾ら働きたいからと思っても無く、生きることさえ困難な状況ばかりでは、生活は立ち行かないものだ。では、そういう人等に、無償で提供できるかと言えば、金が無くては何も出来ない。行政頼り。
　
　ある所には隠され、無い所は掘ってみることも出来ない。竹藪も探したし、ポチも連れて来たが、貧乏には変化が見られないのだ。介護の仕事も命がけの勤務で、発生したらどうするのかが決まらない。薬を待つばかりというが、充てにはならない状況だろう。個人的には、枇杷葉茶のお陰で罹らない。身体に免疫や抗体を創っておかないとね。

　風邪を引いて、肺炎になった経験者は気をつけたい。わたくし等、風邪の方で遠慮するからですが、普段から嗽や手洗いを施行し、体調に留意しておくことも大切で、忍び込んで来たら先ず駄目でしょう。予防策が無いのですから、手の打ちようもありませんね。ドクダミ茶も千振も実に佳く効きます。医者に罹らないのも要らぬ物を貰わない。

　クリスマスローズの蕾を見つけた。この後、次々と出てきて、白い花を咲かせた。庭が華やかに。

花溢れて・・・

　ミモザが満開になっているのを観ながら、勤務先に行っている。孫の通った小学校下の民家に植えてあるのが、年々大きくなっている。香料に調合するのに欠かせない。自然の香りは好いが、人工的な臭いには閉口する。況してや洗剤となると気分まで悪くなる。昨日の新聞に記事があり、辟易するのはわたくしだけではないのが分かり安堵。

　香水でも、鮮度の高い物なら構わないが、安物の臭いには迷惑以外の何物も無い。枇杷症の匂いには心が安らぐが、これも好き好きである。白い花にも夕顔や柊、銀木星やジャスミンがある。個々にインパクトは違い、好みもはっきり分かれる。梔子や鈴蘭にも芳香は強い物があって、沈丁花に至っては手水に植えている。ドクダミは可憐だ。

　薔薇にも四季咲きとそうでないのとあって、匂いも異なって来る。枇杷葉の匂いにはうっとりしてしまうが、薔薇には咲いているのを眺めれば好い。百合は最も強烈で、笹百合でさえ部屋中が香る。この匂いはむっとするので、花束には遠慮したい物だ。カラーも匂いはあるが、控えめで香りも薄いのが特徴。白い花や青い花には惹かれるが。

　コロナウイルス対策も、自治体任せの様子だが、施設の対応にも今更と言う感が否めない。いっその事閉じてしまえばいいものを、職員の健康は何処にあるのか。辞める決意をしてよかったと想う。冗談じゃありませんよ。終息処の騒ぎではない。ノロでもあれだけ悪戦苦闘したのだ。コロナでの経験も無ければ、乗り切る術は見つからない。

　諸外国への感染拡大である。他国と比べる意味は全くない。日本の対策が後手後手で、なされるべきことが出来ていない。これでオリンピックを行う？って言うが、怪しい雰囲気の中で選手が集まるのか。これに追い打ちをかけて、地震が起きたり、津波が襲って来れば逃げ場はない。そこのところを考えての決断・判断なのだろうか？疑問。

　あらゆる所の自粛を伝えているのに、祭典だからと言ってやれば、死者が出た場合には、どういった言い訳をするのか。責任を持って等有得ないし、丁寧にも説明は出来ていないし、国民に転化して逃げるんだろうなぁ…。それとも隠れて出て来ないのか？行く先は先ず視えていることだ。オリンピックと浮かれているのも今の内なのです。

　外に出た飼い主を追いかけて、網戸の傍に陣取った。これを開けれないにもふびんだが、逃走するので。

彼岸の入り・如月

　景気回復があるだの、経済が上向きだのと、噓八百を並べ立てた結果がこれである。一般の集いは自粛せよで、オリンピックは予定通り実行とは、コロナが終息の見通しも立たぬのに分かるのか？実に不可思議な発言である。これでは施策の意味も無く、自己営利だと思われるのは当然だろう。桜の花にとっては、ライトアップの無い分静かで好い。

　宴会が出来ないだけのことで、桜の花は何時も通りに咲く。車の中からでも、集団で見なくとも一向に構わない。人間の勝手なこじつけが齎した花見である。ここは今一度自然に還って、鑑賞すればいいことだ。焼き肉の臭いの無い、心豊かな風情を愉しみたい。華に何の咎があろう。何事も、人間中心の生活であるから、儲けが痛手となってくる。

　美しい物はあくまでも美しい。そうでない物も、それなりの趣があるもので、自然の法則に従えばいいのだ。花見の予約取り消しで、老舗の店が倒産しているそうだが、働けない人間を作ったのも、人間の都合でもある。原発に頼り過ぎない暮らしで、細々とでも生きていけるのが最良だ。消費増税などするから、消費が低迷して更なる追い打ちを。

　何事も欲張らず、与えられた物での暮らしであれば、加えて満足するという心であれば好い。上を見れば限もなく、幸せにも気づかない。神の存在も視えず、金に眼が眩んでしまう。人間とは斯くもあざとく心根の腐った者であるか。自己を戒め、自然への祈りと感謝を忘れずにいよう。未だ修業が足らずで、挫けてしまう自分が居るのも情けない。

　枇杷葉のお陰で、体調は好いのだが、何分年齢的なこともあって、介護の仕事は厳しい現実。働きたくても身体が思うに任せない。潔く身を引いて体調を戻さないことには、今後の暮しが立ちいかない。春爛漫の頃が一番体調には良く、その後は木の芽立で、精神的にも辛くなる。今年の梅雨は長雨の兆しであり、冷房が身体にきつくなる。潮時だ。

　雲間に隠れていた月が姿を現す。ほんにうつくしいことだろう。物語も生まれ、伝説も語り継がれる。

　

夏への扉も・・・

　今朝は、腹調子が思わしくなかったが、すばるのトイレは換えねばと実行する。機嫌の悪さを考えれば、飼い主の責任でもある。仏蘭の方では、冬眠状態に入るそうだ。日本も景気回復など有得ない現状では、消費増税の意味も無く、原発再稼働に至っては、これだけの悪事が露見して、更なる儲けを企む施策が全く不明である。政権の無能振りも限度。

　休みではあるが、のんびりもして居られずと起きたのはいいが、携帯が鳴って手当てに来たい由。昼食も摂らねばならず、慌てふためく。まあ、ご飯を仕掛けておけばいいことで、インスタントは在庫がある。非常事態に備えて、常備している物もあり、献立を何にするかであるのだ。ブログの更新もしなくてはと書き込む。珈琲の注文もしなくては…

　来ないと思っていた足湯に、昼から行ってもいいかと連絡が来る。しんどさもあったが、来ると言うのを断るのも気の毒で受ける。燃料補給に連れて行く途中、満開の桜を見学させる。見事な桜に感嘆の声を発する。その後、コンビニに寄り帰宅する。ご飯を炊いていたので、手早く酢飯を作り、鮪を解凍して海鮮丼に。生ハムもあった。満足している。

　肩が凝っているのではなく、筋を痛めている感がする。こういう処は揉んでは駄目で、じっと手をあてておく。腰の調子もイマイチの感があり、業務に差し支えが出るのが辛いらしい。何だかんだと夕方まで居て送って行った。途中、DVDを鑑賞すると言うので、キャリーを観ることに。怖いのが観たいと言うが、原作を読まねば理解不足であるのだが。

　図書館休館も本日迄と言いうが、さて如何なることになりますか。公共施設に至らず、あちこちの場所でも、閉館が相次ぐ有り様だ。何が出来なくても好いが、図書館には出向きたいもの。読む本は、自宅にもあるので構わない事だが、新刊は読みたいものである。淋しい期間の終わりは未だ続くのか？諦めにも似た感情が、ストレスを増長しているよ。

　遠く彼方の闇から、浮遊物が流れついてくることもある。感染力の有無でもあり、その怖さには限がない。

調子の良さは世界一

　笑えないが嗤えてしまう。小狡さと嘘で固め、適当な誤魔化しをしつつ説明も出来ない。日本語の正しい意味も知らず、解釈も分かっていない無能さである。然し、一度丸投げをしたこともあって、返り咲いたのであれば、何がなんでも居座り続ける。無茶苦茶な法案を打ち出し、賛成しないと駄々を捏ねる。日本人の恥であるが、総理の座を下りようとしない。

　関電の悪事がばれているが、元助役が生きていたら、未だそのままであった状況に呆れる。知らなかったのは庶民ばかりで、裏で動いてい居る連中には周知のこと。悪が栄えることには、知らぬ振りが一番で、暴くとなると殺されかねない。権力に翻弄されて、挙句に事故に見せかけて殺されるのでは堪らない。松本清張作品の数々には、戦後の人の生き方が有。

　今朝は冷え込みが強い。そういえば大都会では桜が咲いているのに、雪が降っていた映像が観えていた。積雪もあったようである。三月ではなく、旧暦の如月であるので然もありなん。本日の献立を牛丼にした。温かいのがご馳走でもある。ちょっとした工夫と味付けで、皆が食べてくれるのがうれしい。作る方も悩みつつしている。献立の種類も旬の物が好い。

　そろそろ独活やたらの芽が青空市に出て来るが、蕗の薹は終わりで、三つ葉や菜の花の時期でもある。酢味噌が良く合うが、身体に苦味を与えるのも好いらしい。何事も程々がいいので、感謝して戴いている。無い物を強請るのではなく、店頭に並んでいるお裾分けを求める。早く・速くという遣り方も偶にはいいかも知れぬが、廻る季節の歓びもたのしみたい。

　天文台に行こうと問い合わせをしたが、ここもコロナの影響で締まっている。あちらもこちらも行き場がない。わたくしでもストレスが溜まるのを、子どもの身体には、余りあるエネルギーが発散されずで気の毒でならない。学校も大変であろうが再開のめどはないのか。免疫が出来なければリスクは高まる、とも云うが柔軟な対応でこそ、子どもらは育つのでは。

　椅子に居るので、除けてくれぬか、問うたら睨まれた。お気に入りの場所でもあるので、場所替えは困難。

気分転換も・・・

　図書館に行けないので、借りている書籍を読むのもだるい。返却に行き、次の書籍を借りたりできればこそ、意欲も湧くのだがそれがない。何とも味気ない日々である。気分転換にドライブに出掛けたら、沿道の桜が満開に近い。思わず携帯での撮影をする。墨田川の川下りが、今年は囲いを取っ払ての運行らしい。これに乗りたいが間に合わない。

　リエさんと一緒に行った時には、硝子の囲いがあって、風情も何もあったものではなかった。おまけにトイレが散々で、汚れ放題には気持ちが悪かった。公共施設であれば、もっと綺麗に使えないのかと嘆かわしい。酷いものであった。オリンピックばかりに目がいって、こういう所はお座成りの感がある。衛生的にも大いに問題があるように思う。

　昨夜からの雨で、庭の花々がしゃっきりしている。今年の春は長いのも、花にとってはどうなのかな？と案じる。自然の環境がここまでの破壊では心もとない。人間の犠牲になった多くの命は、感謝されることもなく、消えていくばかりだ。雨に風に太陽の恵に、祈ることや感謝を何時の間に忘れてしまったのか。利便性ばかりを追求した結果だね。

　人間関係の中で一番厭なのが、居ない者の悪口であったり、蝙蝠のように嘘を重ねて渡り歩くことや、調子の好い事をその場凌ぎで言うことだ。これは誰も信用してくれなくなるし、極めつけては仕事が立ちいかない。きちんと業務をしていれば問題はないが、技術も無ければ配慮の欠片もないのでは、次第に離れていくばかりで年齢的にも無用に。

　介護の仕事は、資格は要らないとも言うが、自分の仕事に責任を持ってしようとすれば、必要なこともある。或いは、持っていても仇になってしまう場合も起きる。そこは人間性の個人的なことになるが、重労働を強いられる環境にも問題が残る。施設に預ければそれでお終い、というのではなく、自分の親であるのだ。面会は無論費用も払わねば。

　雲間に隠れてしまった月も、眺めている内に姿を観せてくれるもの。飽きず眺めながら、兎の姿を探す。

終息は何時のことやら

　特別な思いはないが、これだけの近代化であれば、古来の感染経路も時間も超えるのは、事態を憂えば判っていたこと。それなのにオリンピックに固執して、中止にするかの考えはなく、他人事のように済ませる。初めから誘致せねばいいものを、強引に推し進めている元首相にも呆れる。競技を変更すれば感染が広がって行く始末だ。いい加減で安易な施策。

　休日の一時を食事をしよう、と予約していて出掛けたら、睡眠不足で食事処ではないと言う。連絡方法は幾らでもあるのに、肝心のことには気が回らないのか？誰のことでもなく、自分の身の振り方を話そうとしたのを、聴く耳を持たず大欠伸である。呆れてしまって食事が美味しくない。早々に切り上げて帰宅した。この人は、相手のことには無関心なのだ。

　介護の仕事には、体力も気力も必要だが、それ以前に予測を立てることも必要である。一人がAの業務をしていれば、Bは見守りであったり、話し相手をしたりと、しておくことは幾らでもある。何を優先するかはその時の状況にも依り、一日として同じことでは済まない。アクシデントも起きるし、一瞬の油断が事故にも繋がる。8時間労働だが気は緩められない。

　勤務を終えて帰宅したら、ぐったりしてしまうのです。年齢的に働けるだろうと言われても、性格上無理な事もある。自分の仕事に自信をもって充には、心が折れてしまうのだ。家でのことなら手抜きも自分だけで済むが、仕事となると他人への迷惑以外何物でもない。可能性は残されている内に辞めたい。分からず屋の上司にもうんざりだし、今後の暮し優先ですね、

　気温の上昇に伴い、庭は春めいてきている。海棠の蕾が大きくなっており、ヒアシンスも咲いてきた。蓬が葉を繁らせているし、枇杷葉の花芽の中には、小さな実が見えている。愉しみの持ち方には多々あるだろうが、これ以上の幸せはない。自然からの恩恵に祈りと感謝で過ごしたい。昨夜は、帰宅が遅くなったが満天の星だった。オリオンも大隈も小熊も光おりて。

　夕方からの雨で、ここ暫くは夜空が観えていなかったので、究極の美しさに酔いしれてしまったもので、春先にこれ程の星々に遭遇したうれしさは最高だ。皆、何が忙しくて星を観ないのか？災害が起きたときだけ、明かりが消えた分眺めるのか？人間の愚かさを嘲笑うかの現象でもあろう。普段から気づいてほしいもの。死ぬことも苦節があるが、生きることも苦難。

　星は何でも知っている。神々の時代からそこにあり、人間界を見下ろして来た。人の命など一瞬の出来事か。
　

風化しつつ・・・

　広島・長崎への原爆投下は元より、淡路・神戸震災や、東北地震災害の原発事故を、きれいさっぱり忘れてしまう人等の、何と多い事であろうか。他人事であり、我が身に起きていないから、大変ねぇ、とは言うが口調には些かの想いもない。だから各地への被害の程が広がる。或いは今回のように細菌からの感染になっていく。嘆かわしい政権の影響も大。

　高校野球が中止なら、オリンピックも同様であろう。以前より書いて来たが、こういった見えない事への対策は無く、延期も考えていない返答である。まあ、人類が滅亡への道を往くのだ。気づかぬ者は浮かれていればいい。予知夢での視えたことに戦慄が走るが、それも真摯に受け止めていこう。地球は命の集まりで、人類だけの物ではない。馬鹿が多い。

　今年は9年目であるが、大潮だった。これが当時の潮であれば、被害は大規模に広がっており、逃げ場もなかった。時間も満潮時でなかったから、生存者が居たのだが、立ち直りできない形相に転じていたことは明らかだ。況してや、福島第一原子力発電所が、崩壊しなかったと誰に言えよう。日本の国土の大半が消滅していた。まさにオリンピック騒ぎは否。

　新聞の記事に、怖いのは津波ではなく、逃げた場所でここなら大丈夫と思うこと。とあった。命がかろうじて助かった方や、哀しみの中で生きておられる方のことを案じるが、一瞬のことへの奇跡でもある。生きることは苦難の路でもあり、心が折れてしまうものだ。事情は違っても、生きることを選択した者も居る。神の与えた命が、誰かに恩返し出来る。

　勤務先で、当時の映像が映されていたのを観て、息を呑んだ。自分の身体が濁流に呑まれていく感覚があった。眼が霞み、呼吸も出来ず、気付いたら不思議な場所に居た。怖いも、恐ろしいもなく一瞬のことだった。肉体は既にないが魂は残る。愛する者の傍に居て、そこに添っていられる幸せもある。あなたのことは決して忘れません。他の誰が忘れても。

　月の昇らぬ夜は、心が物足りない想いになる。あの姿の優美さに、心がときめいてしまうのは我独りか。