台湾で食べた台南担仔麺は、ストレート麺にあっさりスープ、
煮込んだ挽肉と煮卵が浮かび、飲んだ後などにちょうどいい。
だが名古屋の台湾ラーメンはってぇと、ちょっと事情が違うのだ。
ここは今池にある「味仙」。1960年創業。
味仙というとajisenかと思い、中国を席巻する熊本の味千ラーメンかと思うが、
そりゃまちがい。misenと読む。
ボクと同業者で滅法これにハマってるのがいて、
しかも本店でないとだめだというので、行ってみたのである。
丼は小ぶり。味付け挽肉の中のタカノツメが尋常ではない。 これが辛味の元!
スープはピリリと辛いが、それほどコクは感じず、口は悪いがちょっと平板。
ストレート中太麺は、それほどスープがからまず、あっさり。でも、ヒ~ハ~!
ふむ、ふむ、辛いが美味い。 でも正直そこまで熱弁ふるうほどハマリ込む味か。
結局ファンは、この辛みにやられてしまったのではあるまいか。
世の中のラーメン屋店主には、スープの素材に粉骨砕身、原価率割れしてる店も多い中、
こちらのスープはアミノ酸系のうまみではなく、辛みの方が先に立つ。
味覚は五味というが、辛みはその中に含まれない。辛みとは痛点に訴えかける
痛みに近いもので、この痛みが脳内麻薬物質、βエンドルフィンを産み出し、
リピートにつながるという。これは味覚ではない。
辛さを前面に押し出すことによって、それほどスープに原価や時間をかけたりする
必要がないということに経営者は気が付いたのかもしれない。
あれこれ、濃い台湾料理を食べた後は、あっさりかつ辛いラーメンがリセットに
つながるのかもしれないが。
マカロニぢゃねぇよ、小袋炒め。
これもピリッと辛い。
紹興酒ロックを一杯。
台湾料理が辛いのは、味千のオリジナルの解釈であって、
これに慣れて台湾に行くと拍子抜けすること間違いなし。
でも、たまにこの刺激は欲しくなる気持ちは大いに分かる。
大汗かいて食べたら、どこかシャンとする気がするではないか。
この味仙ラーメンは、とんでもなく親孝行な商品らしい。
なぜなら、本店のこの立派なこと。
ラーメン屋さんだと思ってたから、ぶっ飛んだ。
地下鉄に乗ろうと、駅へ潜れば看板みつけた。
名古屋=味噌味と思われがちだが、辛味もまた名古屋風味の一断面だ。
辛いもの好きはぜひ。
そうでもない人には、だいぶ以前食った「江南」のラーメンをお勧め。
あの鶏ガラスープは出色だった。
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