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日本遺族通信 平成23年1月15日号の遺書と九段短歌

2011年01月22日 16時00分43秒 | 日本遺族通信

 
               平成23年1月 靖国神社社頭に掲示された遺書
               静岡県出身 陸軍伍長 清水 誠蔵 様 (24歳)
            昭和18年1月16日 ガダルカナル島セキロ河東方にて戦死 合掌

お母様にあてた「遺書」を紹介させていただきます。
お母さん、最后の書をしたためます。
入営前及び入営后の今日に至るまで、何等孝行らしい事も出来得ず、御世話になるばかりでした。
あの歴史的香港攻略戦には、途中矢つき病魔に倒れたは日本男子として、又日本軍人として此の上もなきはづかしき事と、病院の寝台の上にて涙にぬれて眠れない夜も数日続きました。
スマトラ攻略を終へ、将又 (はたまた)香港の汚名をそそぐべき最后のご奉公する時節到来。
靖國神社にて対面出来る事も、遠からぬ事と思ひます。父亡く、又私死した後はさぞ大変な事と思ひます。
何卒宜敷く御願ひ致します。
       (中  略)
では、今度靖國神社にての再会楽しみに待って居ります。
                                       誠 蔵
母上様
以上は 「遺書」 の一部ですが、お父様亡き後、お母様を思いやるお気持ちに昨日の事のように新たな悲しみを覚えます。
戦争は悲劇です。沢山の物 ・ 人を失います。そして心の傷は永遠に消すことができません。
今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられておりますのでご紹介させていただきます。
ご一読頂ければ幸に存じます。
    枕辺に出て来てほしい父の姿願ひは空し六十五年      長浜市 女性遺児
    わが生れし年に戦死の伯父の写真今も若きに痛むこの胸   安城市 男性遺族
    要塞を平和祈念の島にせりマニラ湾なるコレヒドールは   長浜市 男性遺児
    生きて世にいませば戦に果てし兄白寿なりしか常若の遺影  城陽市 男性遺族
    一片の骨も帰らぬ父の墓ラバウル湾の貝殻納む     富士吉田市 男性遺児
    赤あかとサルビア燃ゆる七十年前出征の父を送りたる駅   青森県 女性遺児
    兄上の為にと建てし我が家に散りて帰らぬ父母の悲しみ      京都市 女性遺族
    亡き父が子の誕生に植ゑし柿登りもぐ子は七十三なる   南相馬市 男性遺児
    ガ島沖諸艦沈める紺碧の海に向かいて黙祷捧ぐ       富山県 男性遺児
    海征きて還らぬ子の名を孫につけ母は悲しき生涯終へる     鳥取県 男性遺族
    うから逝き父弔ふわれひとり三十一歳の戦死はるけき   うきは市 男性遺児
    父無しを不憫と常に言の葉に励まし呉れき従兄逝きたり   千葉市 遺児私
今号は残念ながら妻のお方のお歌を拝読することができませんでしたが、お寒さの折りにご無事をお祈り申し上げております。

コメント (4)
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