田水張り 百の畦道 あらはるる 健一句
弟の句です。
俳句をこよなく愛し、地元(郷里)の新聞に投稿、ちょこちょこ掲載させていただいているようです。
本作はその弟の句を絵にしたもので、初めての兄弟合作であります。
先日、妹からFAXが届き、弟の俳句が郷里の佐賀新聞(読者文芸・俳句)に選ばれた、との知らせ。
撰者先生の総評も添えてありました。
“田植えの忙しい時期を迎え、耕したあと、田に水を張ると景が一変する。
水田の外は畦だけが浮いたように見える。「百の畦道」がいいですネ”と。
郷里の佐賀は、棚田の景勝地が多く、県のHPによると、日本棚田100選のうち6地区が認定されているとのことです。
この句を絵にするにあたり、まず決めたのは、朝焼けの棚田に。
夕方でもいいけど“あらはるる”の句意からすれば、朝の方がベターかなと。
また棚田は南向きが一般的でしょうから、東西南北くるくるやると、結果、絵のような構図になった次第です。
絵として最も悩んだのは、明け方の、明暗の微妙な加減。
主題の情景はもとより、書も考慮に入れねばならず、その按配がむずかしいところでした。
いずれ、弟の俳句に、妹の書と、そして自分の絵という三人合作が出来ればと、ひそかに願っています。