古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

言に出でて言はぬばかりぞ水無瀬川・・・(本阿弥切古今集を拡大・臨書)

2016-07-04 06:28:58 | 書道
久々に半切大の大きい書に向かいあっています。
本阿弥切古今集を拡大・臨書したものです。

こと尓い帝ヽい者ぬ者可利曾み那せ可八 し多尓可よ日てこ悲し幾もの越
ことにいでていはぬばかりぞみなせかは したにかよいてこひしきものを
言に出でて言はぬばかりぞ水無瀬川 下に通ひて恋しきものを

本阿弥切古今集から 友則
原本(縦16.7cm 2行書き)を半切(同135cm)に拡大・臨書

自分が持っている本阿弥切の教本は、高木厚人先生の大字かな関連の教本のほか
「本阿弥切」(原色かな手本1)(2016.02.29付 拙ブログをご参照下さい)
「本阿弥古今集」(かな古典の学び方9 高木聖鶴編)の二冊です。

この中から、恋歌数首をアップしていきたいと思います。
私としては、ルノアールの絵に挑戦、の気分でもあります。

高木厚人先生によりますと、本阿弥切の特徴としては

                        ①線の太細の切り替えが鮮やかで、曲直の変化が際立っていること
                        ②一字を書ききってから次の字へ進み、字形がはっきりとしており、密度感がある
                        ③幅が広い文字が多用されており堂々として見える
                        ④起筆でしっかり筆を立ちメリハリが感じられる
                        ⑤太い線でも筆が立ち、線がもたつかない

とあります。

これらの特徴を活かした練習ということになりますが、どの一つをとっても容易なことではありません。
でも何事もチャレンジであります。

本歌は濃淡、太細の差がはっきりした書です。
特に右下部分の力強さというか勢い、これぞ本阿弥切の見せ場という感じです。

その“みなせがわ(水無瀬川)”は、地下の伏流水(心の奥深いところで通いあう、も)の意だけでなく、
“下”にかかる(正規の?)枕詞でもあるようです。
歌としては枕詞に過ぎなくとも、書としては見せ場になる、いやいや、そこには深い意味もこめられている・・・
こんなことも、この書を書きながら考えさせられたことでした。

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1 コメント

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Unknown (mori)
2016-07-04 07:12:01
本阿弥切の特徴を読んでから再度作品を見て、流れるような書の中に更に太細切り換え、曲直の変化等々様々なことを極めておられるのだなと感じました。字を見て筆の立ち方まで感じ取られるとはやはり求道者の凄さなんでしょうね。
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