健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

子どもの鉛汚染の影響

2017-04-02 08:30:08 | 研究
ニュージーランドで子ども時代に高濃度の鉛にさらされていた人々の知能を成人後に調べたところ、同様の影響を受けなかった同年代の人々に比べて低かったとする研究論文がJAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。数十年に及んで行われた調査研究は、金属の一種で強力な神経毒となる鉛の影響が、長期にわたって持続する可能性があることを示しているそうです。研究対象とされたのは、ニュージーランド南島の都市Dunedinに1970~80年代に住んでいた500人以上の人々。この時代には、鉛を添加された有鉛ガソリンが一般的に使用されていたため、自動車の排気ガスによって大半の人々が高濃度の鉛にさらされていたそうです。この時期のニュージーランドの鉛濃度は、国際標準値を常時上回っていた。米疾病対策センター(CDC)は現在、公衆衛生上の介入を勧告する血中鉛濃度を1デシリットル当たり5マイクログラムとしているそうですが、当時、ニュージーランド在住で血中鉛濃度がこの値を上回る子どもは全体の94%に達しており、血中鉛濃度平均は、現在の警告レベルの2倍に相当する11マイクログラムだったそうです。血中鉛濃度がこれほど高い値を示した子どもは、38歳の時点で実施した知能指数(IQ)検査で、鉛への暴露量がより低かった同世代の子どもに比べて、IQが平均で4.25ポイント低かったそうです。これは有意な差で、高収入の職業に就けるかどうかにも影響を及ぼしたとし指摘。有鉛ガソリンは、ニュージーランドでは最終的に1996年に使用禁止となったそうで、世界の他の国々でも、使用が段階的に廃止されているそうです。専門家らは、鉛汚染には安全レベルなど存在せず、米国Michigan州Flintで最近発生した水道水危機は、鉛汚染のリスクが今もなお存在することを示した例だと指摘。

http://www.afpbb.com/articles/-/3123152
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする