世界保健機関(WHO)が先日(3月28日)、非常に伝染性の高い感染症の麻疹の感染患者が1月に欧州全体で500人以上報告されたのを受け、ワクチン接種率が低下している国々で、麻疹の大規模な流行が発生する恐れがあると警告したそうです(AFPBB NEWS)。高熱と小さな赤色の発疹が特徴的な症状の呼吸器疾患である麻疹は通常、軽度の症状しか引き起こさないが、依然として世界の幼い子どもの主な死亡原因の一つとなっています。重度の合併症が起きると、妊婦の流産や、脳腫脹、肺炎による死亡のリスクなどを引き起こす可能性も。麻疹ウイルスは、せき、くしゃみ、感染患者との密接な接触などで拡散。患者数が最も多いのはフランス、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ポーランド、スイス、ウクライナで、1月に報告された感染患者559人のうち474人が、これらの国々で発生。これらの国々では、麻疹ウイルスに対する国のワクチン接種率の水準が、人口全体を保護するために必要とされる基準値の95%を下回っているそうです。WHOによると、2月の速報値は新規感染数が急増していることを示しているそうです。この統計は、WHOの欧州地域全体を対象としたもので、イスラエル、カザフスタン、ロシアを含む53か国が対象となっているそうです。現在、最大の流行は、イタリアとルーマニアで発生しているそうです。イタリアでは今年、麻疹患者数が3倍に増加。その主な理由は、親が麻疹と流行性耳下腺炎、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンと自閉症との間に関連性があると信じて不安を抱き、子どもにワクチンを接種させないことだとする見解を同国保健省が発表しているそうです。ですが、これまでに行われた複数の大規模な研究では、そうした関連性の証拠は見いだされていないとのこと。
http://www.afpbb.com/articles/-/3123103
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