健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

学習による脳神経の発達

2014-05-21 08:30:38 | 研究
運動に関係のある脳の部位「大脳皮質運動野」の神経活動を可視化することに成功し、学習過程における脳神経の動きが明らかになったそうです(財経新聞)。大脳皮質運動野の神経活動は、実際の運動に大きな(粗大な)関係があると考えられていたましたが、実際にどのような影響を与えているのかは明らかではありませんでした。マウスがレバーを決まった方向に動かすと水が与えられるという実験を実施し、大脳皮質運動野で起きている活動を視覚化することに世界で初めて成功したそうです。さらに、この手法により行動の学習が進むに従い、運動のパターンと脳内で起きている神経活動のパターンが一致していくことや、行動学習中にはシナプス結合の入れ替えが起きることが明らかになったというのです。すごい研究成果ですね。
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高齢妊娠による染色体異常の原因タンパク質

2014-05-20 08:30:48 | 研究
女性が年齢を重ねるにつれて、ダウン症などの染色体異常の子の出生や不妊、流産の頻度が増える要因の一つにタンパク質が関与しているという研究成果が発表されたそうです(YOMIURI ONLINE)。そのタンパク質はコヒーシンというもので、染色体同士をつなぎとめ、染色体数を正常に保つ機能を持っているそうです。19~49歳の女性8人から提供された卵細胞で、コヒーシンの量を調べたところ、20歳代よりも40歳代で減少していたということからこうした結論に至ったようです。この研究成果は、米国科学誌PLoS ONEに掲載されたそうです。
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パーキンソン病の発症抑える物質特定

2014-05-19 08:30:28 | 研究
先日、体が自由に動かなくなる遺伝性のパーキンソン病の発症を抑えるタンパク質を特定したというニュース(NHK NEWS WEB)が報道されていました。パーキンソン病は手足が震えたり、動作がぎこちなくなったりする難病で、根本的な治療法は現時点でありません。患者やマウスを対象に遺伝性のパーキンソン病に関係する物質を調べていくなかで、細胞内で「ユビキチン」というタンパク質がリン酸と結びつくことで病気の発症を抑えていることを特定したというものです。脳の神経細胞に異常が生じるとこのタンパク質が作られると考えられるということで、遺伝性ではないパーキンソン病でも同じ仕組みになっている可能性があるとしているようです。
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ゆっくり食べることで食後のエネルギー消費量が増加する!?

2014-05-18 08:30:03 | 研究
ちょっと驚きのニュースです。できるだけゆっくり食事を取ることで、食後の消費エネルギーが増えるという研究結果が報告されたそうです(財経新聞)。これまで、食べる速さと体重の関係は様々な調査によって示されていたものの、詳しいメカニズムは解明されていませんでした。被験者10人に300kcalのブロック状の食品を与え、できるだけ急いで食べる場合と、できるだけゆっくり食べる場合の食後90分間のエネルギー消費量を調べた結果、急いで食べた場合のエネルギー消費量は体重1kg当り平均7cal、ゆっくり食べた時には180calという優位な差が見られたというもの。食後の消化管の血流量についても調べたところ、ゆっくり食べた場合の方が高くなったため、ゆっくり食べることで消化や吸収の活動が増加するのが原因だと考えられるというのです。この研究結果は、ゆっくり食べることが良いとされる科学的な裏付けとなり、減量手段の開発に役立てられるとされています。
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平均寿命2年連続世界一

2014-05-17 08:30:00 | 日記
世界保健機関(WHO)が5月15日に発表した2014年版「世界保健統計」によると、2012年の男女合わせた日本人の平均寿命は84歳で、前年(83歳)に続いて世界1位となったそうです(YOMIURI ONLINE)。男女別では、女性が87・0歳で首位、男性は80・0歳で8位だったそうです。世界の平均寿命は70歳で、最も短いのは西アフリカ・シエラレオネの46歳。WHOは、低所得国の平均寿命は大きく延びているが、高所得国との差は依然大きいと指摘しているとも。
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血中遺伝子による大腸がん検査法

2014-05-16 08:30:48 | 研究
先日、血液による大腸がんの検査方法が開発されたことをここで取り上げましたが、今回はオーストラリアで新たな大腸がんの検査方法が開発されたというニュースです(AFPBB NEWS)。血中に漏出した2つの遺伝子に基づく新しい大腸がんテストで65%の大腸がん患者を検出できるというのです。II期かそれ以降の大腸がんについては、検出率は73%に増大したとも。今回の結果は、大腸内視鏡検査あるいは腸の外科手術を予定される2000人余りのボランティアについて、オーストラリアとオランダの病院で収集した血液サンプルに基づいているそうです。
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電子たばこ禁止条例

2014-05-15 08:30:06 | 研究
米国ニューヨーク市で29日、市内のレストラン、バー、公園、ビーチなどの公共の場での電子たばこの使用を禁止する条例が先日発効したそうです(AFPBB NEWS)。この条例は、昨年12月19日にニューヨーク市議会を通過し、マイケル・ブルームバーグ前市長が署名したそうです。今後、市内の公共の場所での喫煙に対する、これまでの厳格な禁止措置の対象範囲が広がることになるそうで、同市には入居者の喫煙を禁止している住宅建物もあるとのことです。さらに小売業者は5月18日以降、21歳未満へのたばこ製品や電子たばこの販売が禁止されるそうです。米国の主要都市としては初めての試みとなるそうです。また、米国シカゴでも同日、屋内公共スペースの大半での電子たばこ機器の使用に対する規制条例が施行。また米国ロサンゼルスでは3月、喫煙が禁止されている公共の場所での電子たばこの使用を禁止する法案が市議会で可決されているそうです。この電子タバコ。禁煙の助けになるとして販売されているもので、ニコチンを含む蒸気を吸引するための機器だそうです。しかし専門家らは、含有するその他の化学物質について、使用者や周囲の者に及ぼす影響がまだ十分に解明されていないと指摘しているそうです。米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)が12月に発表した調査結果によると、電子たばこは若者の間で人気が高く、高校生の1割に使用経験があると推定されるそうです。
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母乳育児が成人後の心臓疾患を予防する

2014-05-14 08:30:27 | 研究
先日、非常に興味深い記事を見つけました。出生体重が低かった人と、母乳を与えられていた期間の短かった人は、心臓疾患と関連性のある慢性の炎症を成人後に発症する可能性が高くなるとの研究が成果が報告されたそうです(AFPBB NEWS)。研究対象となった7000人近くの大半で、出生体重または母乳育児期間と、若年成人になった後の「C反応性タンパク」の血中濃度の高さとに関連性があったというもの。CRPは肝臓で生成されるタンパク質で、炎症が起きると濃度が上がるため、その濃度は炎症の指標となります。出生体重が1ポンド(約454グラム)増えるごとに、CRP濃度の5%低下が予測されるというのです。3~12か月間の母乳育児を受けた人は、母乳育児を受けなかった人と比べて20~30%低いCRP濃度になることが考えられるそうです。一方で、慢性炎症と心臓血管の疾患は以前から関連が知られているそうですが、その原因は分かっていないそうです。今回の研究結果は、成人後の心臓疾患の主なリスク要因を低減させる可能性が母乳育児にあることを示唆しているというのです。世界保健機関(WHO)は母乳育児について、子どもの健康と生存を確保するための「最も効果的な方法の一つ」と表現し、生後6か月までは母乳のみでの育児を推奨しているそうです。
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食物繊維によって食欲が抑えられる仕組み

2014-05-13 08:30:49 | 研究
腸内で消化された食物繊維から放出された分子が、飢餓状態を制御することが知られた脳領域に作用して、食欲を抑制することが明らかになったという研究結果が発表されたそうです(Natureasia.com)。食物繊維を豊富に含んだ食事が「健康に良い」理由の解明が進むと考えられているようです。大部分の欧米の加工食品には精製した砂糖と脂肪が多く含まれていますが、発酵性繊維はわずかしか含まれていないそうです。これまでの動物研究では、腸内微生物による食物繊維の発酵によって、食物摂取量全体と体重が減ることが明らかになっているそうです。ですが、こうした効果の原因は腸内での食欲抑制ホルモンの分泌だとされてきたそうです。今回の研究では、食物繊維の発酵も脳に対して直接的な食欲抑制作用のあることがを明らかにしたものだそうです。マウスの研究において、腸内微生物による発酵の結果として食物繊維から短鎖脂肪酸の酢酸塩が放出され、蓄積して、飢餓状態を制御する脳領域として知られる視床下部の神経細胞において変換されることが分かったというもののようです。また、食物繊維または純粋な酢酸塩をマウスに与える実験で、食物摂取量が急減し、食欲の抑制と一致する脳内での神経活動のパターンが誘導されたことも報告しているようです。もし今回の研究結果がヒトにおいて確認されれば、発酵性食物繊維の摂取量を増やすことが、有効な体重管理のための実現可能な戦略である可能性が示唆されることになるそうですが・・・・・・。発酵性食物繊維ですか・・・・・。
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母親の食事が子どものDNAに影響する

2014-05-12 08:30:09 | 研究
受胎時の母親の食事の違いが、子どもの特定の遺伝子におけるDNAメチル化に影響することが明らかになったという研究報告が先日発表されていました(Natureasia.com)。この結果は、母親の食事が、その子のDNAに持続的変化を生じさせ、それが、理論的には、子の発達に影響する可能性があることを示しているものだそうです。気候変動のために雨季と乾季の食事が極端に変化するガンビア農村部の女性を対象に研究を行い、この地方の女性が雨季に受胎した乳児が、乾季に受胎した乳児と比べて、研究対象となった6個の遺伝子全部においてメチル化レベルが高かったということを突き止めたものだそうです。そして、母親が受胎した頃に採取した血液から検出されたバイオマーカーを用いて、メチル化パターンを予測できることを明らかにしたそうです。今回の研究では、子どもに生じるDNAの修飾の原因が母親の食事であることが明らかになりましたが、このDNAの修飾が子どもの健康と福祉に対する長期的効果につながるのかどうかを断定するには、さらなる研究が必要となるそうです。考えさせられますね。
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