健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

天然痘ウイルス

2014-05-11 08:30:18 | 研究
世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関である年次総会は今月、天然痘に関する今後の研究について協議を行い、残されている生きたウイルスを廃棄するか、保管して研究を継続するか決定するそうです(AFPBB NEWS)。発疹などの症状を引き起こし、失明や死亡の原因ともなり得る生きた天然痘ウィルスは現在、厳重な警備体制の下、ロシアと米国の研究所で保管されているそうです。天然痘の感染が最後に報告された1977年以降、新たな患者の発生は確認されていていませんので、もう研究の必要はないという意見が出てくるのでしょう。ですが、このウイルスに関する重要な研究は現在も継続中だと主張し、保存されている生きた天然痘ウイルスの廃棄に反対する意見を科学者らは表明しているそうです。WHOによると、1980年に根絶が宣言された天然痘はヒトに感染するウイルスのうち、人類が根絶した唯一の感染症だそうです(AFPBB NEWS)。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大学生の「海馬」が萎縮

2014-05-10 08:30:08 | 研究
先日、衝撃的なことが報道されていました。震災前から仙台市内に住む大学生に、記憶をつかさどる脳の「海馬」が、震災後1年たってから萎縮する傾向がみられることが明らかになったというのです(YOMIURI ONLINE)。震災の恐怖が癒えず、長期にわたりストレスを受け続けた結果とみられるそうです。調査は、震災前から仙台市内に住む大学生の男女37人(平均21歳)を対象に、震災前後の2009年から12年まで、脳を磁気共鳴画像(MRI)で撮影して比較したそうです。海馬は一般的に、10歳代後半をピークに徐々に萎縮する。震災後3~4か月では大きな変化はなかったそうですが、1年後に測定したところ、右側の海馬の体積が5%程度小さくなっていたというのです。調査対象には津波にのまれたり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したりする学生はいなかったものの、震災当時、仙台市内にいなかった学生と比べても、萎縮は顕著だったというのです。心配ですね。回復するものなのでしょうか。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

断食療法

2014-05-09 08:30:08 | 研究
欧州最大の経済大国ドイツで、断食療法を行うクリニックが人気を集めているそうです(AFPBB NEWS)。断食ムーブメントの発祥の地の1つであるドイツでは、断食療法が医療保険の対象になる場合さえあるそうです。ドイツの富裕層の間では、「less is more」(少ないほど、豊かである)という考え方が広がりを見せ、病気の治療に断食療法を取り入れる動きがますます強まっているということです。断食療法に関しては、多数の被験者を対象としたランダム化比較試験はほとんど行われていないものの、関節リウマチに断食療法が有効だとする論文が1991年、英医学誌ランセット(Lancet)に掲載されたほか、さまざまな健康問題にこの療法が有効だという主張する人もいるそうです。ドイツの権威あるニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は2011年、断食療法に好意的な特集記事を組んだことがあるそうです。以前から代替治療が受け入れられてきたドイツでは、エッセン(Essen)やイェーナ(Jena)、ベルリン(Berlin)といった都市の大学病院で断食療法の研究と教育が行われてきたそうです。ベルリンのシャリテー(Charite)大学病院では50年にわたり、医師たちの指導による断食療法プログラムを提供しているそうで、12~14日のプログラムの費用は、少なくとも部分的に医療保険が適用されるため、富裕層にとどまらない幅広い所得層の人々の手に届く存在だそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若い血液で若返り

2014-05-08 08:30:28 | 研究
ナショナルジオグラフィックに興味深い研究成果に関する記事が掲載されていました(NATIONAL GEOGRAPHIC)。記憶、筋力、持久力、そして嗅覚の若返りを実証する3つの研究が、科学誌「Nature Medicine」と「Science」に同時に発表されたというものです。3つの論文は共に、若い血液が年をとったマウスに総体的再生効果をもたらす可能性を示唆しているそうです。血液中に含まれるたんぱく質がその効果をもたらすかもしれないと研究論文では言及しているようです。さて、その正体は?そして人間でもそのような効果が認められるものでしょうか。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コーヒーを飲む量を増やした人は、2型糖尿病にかかりにくい!?

2014-05-07 08:30:27 | 研究
コーヒーを飲む量を増やした人は、同じ量のコーヒーを飲み続けている人よりも成人で発症する糖尿病(2型糖尿病)にかかりにくくなるとする研究結果が、Diabetologiaという雑誌に掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。医療従事者12万人の食生活とライフスタイルを追跡した結果、1日のコーヒーの摂取量を4年間かけて1.5杯分ほど増やした人は、同じ量のコーヒーを飲み続けた人よりも2型糖尿病にかかる可能性が11%低かったというもの。一方で、中程度から大幅に摂取量を減らした人(1日2杯分ほど)のリスクは18%高くなっていたとも。コーヒー摂取量の変化が、比較的短期間のうちに糖尿病リスクに影響を及ぼすとは驚きです。最もコーヒーの摂取量が多かったグループ(1日3杯以上)は2型糖尿病のリスクが最も低く、1日1杯以下の人と比べて37%低かったそうです。一方、紅茶やカフェイン抜きのコーヒーでは、摂取量の変化と2型糖尿病リスクとの間に関連性は見つからなかったとも。ただ、その因果関係は・・・・。コーヒー以外にもいろいろな要因が関与しているような気がします。また、この論文には問題点も指摘されているようです。単純にコーヒーをたくさん飲むようにすればよいというものではないような気がしますし、飲みすぎもまた悪いような気がしますので、文言だけをうのみにしないようにご注意を。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子供の人口が16万人も減った

2014-05-06 08:30:53 | 研究
昨日のニュースですが、5月5日の「こどもの日」にあわせ、総務省が前日5月4日に発表した15歳未満の子供の推計人口(4月1日現在)は、前年比16万人減の1633万人となったそうです(YOMIURI ONLINE)。子供の減少は33年連続で、比較可能な1950年以降、最少を更新したそうです。総人口(1億2714万人)に占める子供の割合も前年比0・1ポイント減の12・8%と40年連続で減少し、過去最低となったそうです。内訳は、男子が836万人、女子が797万人。3歳ごとの年齢区分では、12~14歳が351万人、9~11歳が333万人、6~8歳が319万人、3~5歳が316万人、0~2歳が314万人で、年齢が下がるごとに減っていますね。う~ん。どうしましょうね。昨年10月1日現在の都道府県別の子供の割合は、最高が沖縄県の17・6%、最低は秋田県の10・9%。前年より子供の数が増えたのは沖縄県と東京都だけだったそうです。残りの45道府県はいずれも前年より減少したそうですが、このうち減少幅が縮小したのは11県で、東日本大震災の影響で落ち込みが激しかった福島県が最も改善したとも。このまま、少子高齢化が進めば、将来の日本は・・・・・。心配です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2時間で急性心筋梗塞を発見

2014-05-05 08:30:05 | 研究
心筋梗塞のマーカータンパクが発見されたそうです(朝日新聞デジタル)。血液中のこのタンパクを測定することで、判定が難しい急性心筋梗塞の早期診断が可能となるというものです。心筋梗塞の発病直後の患者5人について、心筋をレーザーを使って調べたところ、あるタンパクが患部では減るが、血液中ではその濃度が3、4倍に増えていたというのです。心筋梗塞は、心臓の血管がつまってその周り(血管の流域)の心筋細胞が壊死するものです。心筋細胞が壊死すると、このタンパクが心筋から血液中に流れ出すと考えられるそうです。これまで急性心筋梗塞は症状と心電図で判断していましたが、早期診断は難しかったそうです。発症5時間後ぐらいでないとわからなかったのが、血液中のこのタンパク濃度を測定することで発症2時間後ぐらいから診断がつき、重症度もわかるそうです。さらなる救命率の向上と予後の改善が期待できるのではないでしょうか。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

短期記憶による行動修正

2014-05-04 08:30:15 | 研究
マウスを使った実験で、短期記憶によって行動を修正する際の脳の働きを明らかになったそうです(財経新聞)。脳には、短期的に情報を記憶する「ワーキングメモリ」と呼ばれる機能を備えているそうです。その役割を担うためには脳内の海馬の働きが重要だと言われていましたが、詳細は明らかになっていなかったそうです。また、ワーキングメモリによって間違った行動を修正する「メタ認知」はヒトのみに備わった能力で、マウスなどの小動物がこの能力を持つことは立証されていなかったそうです。今回、研究チームは、マウスが食べ物を探し当てる実験を行い、ワーキングメモリには脳内の海馬と嗅内皮質の間でガンマ波と呼ばれるの脳波の同期が起きていること、そしてこのガンマ波の同期が時間的・空間的にシフトすることで間違った行動を修正することを明らかにしたそうです。この研究結果は、あの『Cell』に掲載とのことです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欧州で最もコレステロール低下薬が処方される国

2014-05-03 08:30:26 | 研究
欧州で最もコレステロール低下薬が処方される国は?それは英国だそうです(AFPBB NEWS)。経済協力開発機構(OECD)の統計によると、英国人の平均体重は、欧州諸国の中で最も重いそうです。また成人の24.8%が肥満とされており、世界の先進国の中で7番目に高い数字となっているとも。飲酒量も多くの富裕国を上回るそうです。その一方で、英国人の運動量は比較的多いそうです。それでも心臓発作の発症率はOECDの平均を若干下回る程度だそうです。スタチンは、肝臓内でコレステロールが合成される際に重要な役割を果たすHMG-CoA還元酵素を阻害し、血液中のコレステロールを低下させる薬の総称。英国ではスタチンの処方基準が変化し、10年前は向こう10年の間に30%の確立で心臓発作リスクがある患者にのみ処方されていたが、現在は同20%に引き下げられているそうです。英国立最適医療研究所(National Institute for Health and Care Excellence、NICE)はこのほど、新たなガイドラインを発表し、これをさらに10%にまで引き下げる提言をしているそうです。この提言が受け入れられれば、心臓発作リスクがあるとされる患者の数は、現在の700万人から1200万人に増えるそうです。そして、これは成人4人に1人の割合になるそうです。欧州諸国のなかで、英国は服用されるスタチンの量が最も多いそうです。ちなみに、OECD諸国の中で服用量が最も多いのはオーストラリアだそうで、英国はこれをわずかに下回る程度ということです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

抗生物質耐性遺伝子

2014-05-02 08:30:32 | 研究
少し注意が必要な記事を1つ紹介します。牛糞堆肥は野菜の栽培によく使われているそうですが、ウシの糞には微生物の抗生物質耐性を高める可能性のある多様な遺伝子が含まれていることが明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。研究結果によると、これらの遺伝子はウシの消化管に存在するバクテリアに由来するもので、これらの遺伝子を持つスーパーバグ(抗生物質が効かない超強力細菌)が、ヒトに感染するようになる恐れもあるそうです。この研究は米国コネティカット州で4頭の雌牛から採取した糞便サンプル5点を調べたもので、80種の抗生物質耐性遺伝子が見つかったというのです。見つかった遺伝子の約75%はあまり知られていないもので、遺伝子配列の分析によって既知の遺伝子とは遺伝的に遠縁であることが分かったそうです。これらの遺伝子を導入した実験室株の大腸菌は、ペニシリンやテトラサイクリンなどのよく知られた抗生物質の一部に耐性を持つようになったというのが問題ですね。主に成長を促進させる目的で、ウシの4倍もの抗生物質を投与されることもあるニワトリからは、より多くの抗生物質耐性遺伝子が発見されているそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする