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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 801 週間リポート ロッテオリオンズ

2023年07月19日 | 1977 年 



成田よ後期は本当に大丈夫か?
カネやんはじめロッテ首脳陣は成田投手の後期復帰の目途が立ちホッと一息ついている。6月20日に後楽園球場で行われたイースタンリーグトーナメント大会に成田投手は登板した。巨人の二軍相手に内容こそ目立ったものではなかったが、とりあえず無事に投げ切ることが出来て一軍復帰の見通しはグーンと明るいものとなったのだ。思い起こせば春の鹿児島キャプで右肩痛を発症してから成田投手にエースの面影は見られなかった。5月中旬に一度は一軍に合流したものの、3日ともたず再び二軍に逆戻り。本人が焦りや失望を感じるのは勿論だが首脳陣も「成田がいてくれたらなぁ」と何度となくため息を漏らした。

現状の投手陣は安木投手や田中投手の台頭で一応のやり繰りはついているが、実績のない投手だけに心許ない。後期シーズンに巻き返しを図るロッテには成田投手の復活が欠かせないのだ。成田投手は20日の降板後にこう切り出した。「巨人打線はよく振れていたねぇ」相手が二軍の面々だけにやけに自重めいて聞こえるが表情には暗さはなかった。湿気の多い梅雨どきで決して肩痛に悪影響がないとは言い切れない。「全力で投げた翌日に肩の状態に異常がなければ良しとします(成田)」と結果の内容は重要ではないそうだ。後期シーズン優勝には成田投手の活躍が必要となる。既に一軍登録され、間もなく試運転の運びとなる。


あの歌よ再び「オン・リー・ユー」
6月26日がリー選手にとって記念すべき日となった。18試合、実に69打席ぶりに21号満塁本塁打が飛び出した。「やっぱりダイヤモンド一周は気持ちいいネ。ことにグランドスラムは格別だ」と27日間ノーアーチだったリー選手は喜びを爆発させた。8年間の大リーグ生活でも満塁本塁打は1974年のインデアンス時代の1本だけで、自身2本目となる一発に細い目を一層細めた。両リーグ一番乗りとなった20号目は5月29日の対クラウン11回戦。この時の試合消化数は45試合目。およそ2試合に1本のハイペースに周囲は大騒ぎだった。

ところが来日して初めて体験する梅雨になるとリー選手のバットから快音が聞かれなくなった。風邪を二度もひくなどすっかり体調を崩した。「決して調子は悪くない。コンディション?エブリタイムOKネ」とリー選手は言い続けたが、それは大リーガーとしての模範解答でしかなかった。5月には13本塁打だったが6月は1本のみ。「自分のペースを忘れて調子に乗っていた。何がチームの為になるのか、この一発をきっかけにもう一度考え直したい」と謙虚なリー選手。本塁打を量産していた頃の口癖だったフォアザチームを真剣に考えている。


ダメ男のラク印返上するぜ
開幕間もない頃、監督であり兄貴でもあるカネやんから「トメ(金田留投手)はもう投手としては終わりやな」と三行半を突きつけられていたが、7月20日現在18試合に登板し徐々にではあるがベテラン投手らしく計算できる先発ローテーション投手として蘇りつつある金田留投手。何よりも気迫が感じられる投球を見せるようになった。「これでダメなら野球から足を洗わざるを得ない(金田留)」と断崖絶壁に立たされた男のひたむきな姿勢がマウンド上にある。

防御率は2.50 と及第点だが最後の踏ん張りに欠けて勝ち星に恵まれず現在4連敗中。ただし昨年泣かされた右背筋痛は完治しており「もう大丈夫。根気さえ無くさなければ勝ち星は時間の問題さ」と金田留投手に悲壮感はない。三井投手は依然として二軍で、成田投手は一軍に戻って来たとはいえ完全復調には程遠く投手陣は火の車状態。お家の事情を自らの右腕でとファイトを燃やし続ける毎日だ。「これまで勝てなかった分をオールスター戦明けから白星が転がり込んで来るよ」と胸をドーンと叩く金田留投手だ。

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