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#313 幻のスイッチヒッター

2014年03月12日 | 1983 年 



高木豊の株が急上昇中だ。昨年の秋季キャンプでスイッチヒッター転向に着手し、春季キャンプでは鋭い当たりを見せており先ずは順調。これまでのスイッチヒッターは元々は右打ちの場合が多いが高木は左打ちに右打ちを加えるという変わり種。大洋が誇る俊足3人衆(加藤博、屋鋪、高木)が揃ってスイッチヒッターとなるだけに他球団にとっては更に脅威が増す。

この3人が一・ニ・九番に並ぶ打線はオープン戦で既に3試合で試されて、3人の打率は.294 ・出塁率は.412 と好結果を出している。トリオの中で高木はスイッチ転向僅か5ヶ月と素人同然なのだが打率.278 ・2本塁打・4打点と好調ですっかり自信を付けたようだ。「将来的には高木は三番に据えたい選手。でも器用だし今年は一・二番で起用出来たらと思っている」と関根監督も高木の成長に期待を寄せていて、オープン戦の結果次第では基から二塁のポジションを奪う可能性も高い。

「右で打つようになってまだ間がないですけど何となく勘どころは掴んできました。打順はやっぱり上の方が良いですね、今は打席に立つ機会を一つでも多くして実戦感覚を培っていきたいです。自分としては結構いけそうな気がしています」と手応え充分。守備の方は入団3年目にしてベテランの遊撃手・山下との呼吸もピッタリで不安は無い。今の所、二塁手のポジション争いの相手は基だが「ベテランにはベテランの味があり、若手には勢いという目に見えない大きな力があるんです」と小森守備コーチの軍配はどちらにも上がっていない。

1m72cm と小柄だが足腰のバネは滅法強く25歳という若さも武器だ。一見おとなしそうに見えるが実のところ、なかなかしたたかな男でもある。同期の原(巨人)は一足早くチームの主軸に成長したが「今は差をつけられているけど追いつき追い越してみせます」とライバル意識を隠さない。高木がスイッチヒッターとして一人前になれば中日・都、巨人・角、阪神・山本和、広島・大野ら各球団の左腕が登板しても恐るるに足らず。高木の成長の如何が2年目の関根丸の浮沈を握っている。





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1 コメント

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少年の憧れだった (th)
2014-03-12 21:58:11
当方にとって、眩しくて見ることができないくらい素敵お方です。

ここで出ている両打ちは6月で止めてしまったんですよね。このあたりのエピソードは、またの機会に・・・。
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