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■桜行脚IV 巽宏安写真展 (2018年4月20~25日、札幌)=4月21日は13カ所(11)

2018年04月24日 07時01分00秒 | 展覧会の紹介-写真
(承前)

 4月21日の日程と、ブログをアップする順番とが、まったくてんでばらばらになっていますが、ご容赦ください。

 写真展のタイトルには「IV」とありますが、前回までは札幌には巡回していないと思われます。
 筆者は初めて見る写真家ですが、いやぁ、美しい!

 桜の写真なんておおむねパターンが定まっているのではないかと、あまり期待しないで見たのですが、その予想は裏切られました。
 これほど多彩な桜の写真があるとは思わなかったです。
 さすが、桜前線を追いかけて、全国を旅しているだけのことはあると思いました。

 福島県の、季節外れの雪をまとった桜の木。
 新潟県十日町市の、夕焼け空を反射した棚田のほとりに立つ桜の木。あたりには、豪雪地帯らしく残雪がそこかしこにあります。

 特記したいのは、桜といっても、ピンク色だけでなくさまざまな色が表現されていること。
 奈良県吉野の夜明けの桜は、題名の瑠璃色の通り、青っぽく見えますし、「黄金色の朝」という作品ではまばゆいばかりの黄色に輝いています。

 もうひとつ、北海道の桜をとらえた作品が多いのもうれしかったです。
 水たまりにうつる二十間道路。
 針葉樹(おそらくカラマツ)の防風林を透かして差し込む陽光に輝く北見の桜。
 津別の双子の桜や松前城。
 筆者は、葉が一緒に出てくる北海道のエゾヤマザクラについて
「花が先に咲く本州のソメイヨシノの方がいいなぁ」
と思っていましたが、今回の写真展を見て、北海道の桜も恥じることはないと、思い直しました。

 とりわけ、釧路管内弟子屈町で、さえざえとした月光のもとでぽつんと花開く桜については、幻想美の極致と感じました。

 北海道への桜前線の上陸にはまだ少し時間があります。
 美しい写真を見て、桜前線の到来がいよいよ待ち遠しくなりました。


2018年4月20日(金)~25日(水)午前10時~午後6時
富士フイルムフォトサロン札幌(札幌市中央区大通西6 富士フイルム札幌ビル)

□桜行脚 http://sakuraangya.web.fc2.com/




(この項続く) 


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