(承前)
本郷新記念札幌彫刻美術館を出る前に、入り口の近くに貼られた紙に記してあったタクシー会社の電話番号を、スマートフォンに入力しました。
配車係の女性が出ました。
「ただいま近くに車がおりませんので、少々お時間をいただきます」
「少々って、何分ぐらいですか」
45分といわれたので、タクシーを呼ぶのはやめにしました。
仕方なく、重い荷物を抱えて下り坂をゆっくりと歩きだしました。
このシリーズの4回目で書きましたが、今回の旅で最大の失敗は、夏靴を履いてきたことです。
前日、雪まつり会場からSCARTSまでできる限り地下を歩いてきたのも、そのためでした。
しかし、彫刻美術館近くの道は雪で覆われ、舗装はまったく見えません。しかも下り坂です。
二度、三度と、盛大に転びました。
気がつくと次の瞬間、背中を雪の上にべったりとつけて、空を見上げていることもありました。
冬靴であればもう2シーズン、滑って転んだことはありません。
それが、数分ごとに転倒してしまうのですから、気分的にかなりへこみます。
「もうだめかも…」
弱気になった瞬間、「奏でる乙女」像のある三叉路から少し行ったあたりで、タクシーが止まって客を降ろしている光景が目に入りました。
「助かった!」
白髪交じりでめがねをかけた男性の運転手は、ちょっとインテリっぽい雰囲気で、気軽に乗せてくれました。
このときは、まだ新型コロナウイルスではなく
「帳尻が合う」
が道民・札幌市民の話題でした(ほとんど積雪のない時期が長かったけれど、やっぱり雪は降るようになっている、ということ)。
まだ排雪作業が行われておらず、どこの道路も両側には雪がうずたかく積もっています。
北5条通が途中から渋滞するというので、抜け道を通って、札幌駅の北口に無事到着。
プロフェッショナルの仕事ぶりに、ン十年ぶりに
「おつりはいらないです」
というのを、発動しました。
ホッとして、駅構内の人魚姫像の近くに並んでいるベンチに腰掛けました。
コーヒー豆を買おうかと腰を上げると、家人から、駅前に着いたというLINEが来て、いっしょに昼食をとることになりました。
お昼時というのに意外とすいていた構内の軽食スペースでカレーライスを食べました。
帰路も、札幌に来たときとおなじく、札幌ー旭川間は特急列車、旭川から東は特急バス「北大雪号」です。
本郷新記念札幌彫刻美術館を出る前に、入り口の近くに貼られた紙に記してあったタクシー会社の電話番号を、スマートフォンに入力しました。
配車係の女性が出ました。
「ただいま近くに車がおりませんので、少々お時間をいただきます」
「少々って、何分ぐらいですか」
45分といわれたので、タクシーを呼ぶのはやめにしました。
仕方なく、重い荷物を抱えて下り坂をゆっくりと歩きだしました。
このシリーズの4回目で書きましたが、今回の旅で最大の失敗は、夏靴を履いてきたことです。
前日、雪まつり会場からSCARTSまでできる限り地下を歩いてきたのも、そのためでした。
しかし、彫刻美術館近くの道は雪で覆われ、舗装はまったく見えません。しかも下り坂です。
二度、三度と、盛大に転びました。
気がつくと次の瞬間、背中を雪の上にべったりとつけて、空を見上げていることもありました。
冬靴であればもう2シーズン、滑って転んだことはありません。
それが、数分ごとに転倒してしまうのですから、気分的にかなりへこみます。
「もうだめかも…」
弱気になった瞬間、「奏でる乙女」像のある三叉路から少し行ったあたりで、タクシーが止まって客を降ろしている光景が目に入りました。
「助かった!」
白髪交じりでめがねをかけた男性の運転手は、ちょっとインテリっぽい雰囲気で、気軽に乗せてくれました。
このときは、まだ新型コロナウイルスではなく
「帳尻が合う」
が道民・札幌市民の話題でした(ほとんど積雪のない時期が長かったけれど、やっぱり雪は降るようになっている、ということ)。
まだ排雪作業が行われておらず、どこの道路も両側には雪がうずたかく積もっています。
北5条通が途中から渋滞するというので、抜け道を通って、札幌駅の北口に無事到着。
プロフェッショナルの仕事ぶりに、ン十年ぶりに
「おつりはいらないです」
というのを、発動しました。
ホッとして、駅構内の人魚姫像の近くに並んでいるベンチに腰掛けました。
コーヒー豆を買おうかと腰を上げると、家人から、駅前に着いたというLINEが来て、いっしょに昼食をとることになりました。
お昼時というのに意外とすいていた構内の軽食スペースでカレーライスを食べました。
帰路も、札幌に来たときとおなじく、札幌ー旭川間は特急列車、旭川から東は特急バス「北大雪号」です。
(この項続く)